祖父の法事の始まる前に、お茶を飲みながら親戚の人と話していると、父が一冊のアルバムを持ってきた。懐かしいねぇ~と集まったみんなで覗き込む。そこには在りし日の祖父と祖母が笑って、私の弟と写っている写真だった。次をめくるとそこには学生服姿で坊主頭の私と弟二人の3人の写真がありました。私はこんな写真があったんだと驚きながら、当然の如く取った記憶もなく、まさに中学1年の息子に似ていました。やはり親子は似るんだねと母が呟くと、今迄長男は自分に似ているものだと信じていた妻が、「本当だ。パパ、そっくりだね」と長男の顔を眺める。「あの時私は何を思っていたのだろう?」と写真の私に問いかける・・・。今年も実は長男の入学式の朝、玄関で写真を撮ったことを思い出す・・・・。34年前も同じだったんだろうなぁ~と振り返る・・・・・。
そこには34年以上の時間が止まったままだった・・・・。私は懐かしいと言うより、初めて見る写真ばかりなので「みんな若いねぇ~」と感心しながら眺める。僅か10枚のモノクロ写真がその当時を鮮やかに語りかけてくれる。義理の妹が自分の子供に「この人誰だかわかる?」と聞いたら「誰、その人?」とあっさりと言われてガックリしたと嘆いていた。きっと「パパだ!」と答えて欲しかったんだろうなと思いながら、写真は大事なことを気がつかせくれた。
何を思ったのか突然父が妹に写真を撮ってくれデジカメを渡し、母と2ショットの写真などを撮っていた。撮影が済んだ妹は、「義兄さん達も2ショットで、ハイポーズ」とすっかり法事の記録カメラマンに変身するのでありました。又何年か後にアルバムを見て33回忌の時の写真だよとみんなで懐かしく見ることになるのかもしれません・・・・。
子供達の記憶が途切れてもアルバムの中で封印され、これから何十年もの間息づく時間の存在を忘れてはいけないと、ノストラジックのモノクロ写真は教えてくれました。
あなたにとって大切な写真はありますか?私は自分自身に問いかける・・・・。
私は迷わず答えるだろう「あの日に帰りたい」と・・・。これからもアルバムには大切な写真が増えていくことだろう・・・・。一日、一日生きている証がそこにある・・・・。私はまた一つ学ぶことが出来た。
今朝も5時50分起床、早起き5時台自己記録更新中!!