好事家の世迷言。

調べたがり屋の生存報告。シティーハンターとADV全般の話題が主。※只今、家族の介護問題が発生中です。あしからず。

如何にして足跡は消え失せたのか?

2024-09-18 | その他ミステリ
『テニスコートの謎』(byディクスン・カー)、読了。

「コートに死す」という語が、突如として頭に浮かんだ先日。
何かそういうタイトルの推理小説なかったっけ?
調べた結果、一番近そうなタイトルが、今回読んだ本。

内容は、トリック最重視、ガチガチの本格ミステリ。
読者に提示されるのは、いわゆる「足跡のない殺人」。

現場は、雨上がりのテニスコート。
コートネットのそばに倒れる男性の絞殺体。首にはスカーフ。
足跡は、被害者と第一発見者の2種類だけ。
しかも第一発見者は被害者に触れてしまった。

終盤に明かされた答えは、なるほど確かに見事な手際。
言葉巧みに被害者を誘導しきった犯人には、驚嘆するしかない。

ただ、実を言うと、読んでる途中は、少なからず退屈だった。
登場人物が誰も腹に思惑抱えてて、男女の三角関係が何重にも重なってる状況には少々頭痛がした。
探偵役であるフェル博士の印象が弱いのも、個人的に残念な点。
やっぱり私は、探偵役にヒーロー性を求めちゃうんだよなあ。
淡々と謎を解く姿も格好いいんだけどね。

それでは。また次回。