『騙し絵の牙』(by塩田武士)、読了。
原作付きの映画に興味を持った時は、基本的に原作に目を通すようにしている。
私としては、初出作品こそが一番だから。
だから書店で、手に取って買った。
何でも、この作品は、主人公・速水輝也のイメージを大泉洋氏に「当て書き」していると言う。
ならばと乗って、脳内イメージを氏に当てはめて読んでいくと、なるほど意外な展開と感じさせられて楽しめた。
出版業界の苦戦ぶりに、読んでてどんどん気が滅入り、重い気持ちはエピローグまで続く。
その後、怒濤の展開ジェットコースターで、主人公は一人勝ち……したように見えてそのじつ、幼い頃から目指していた、意中の人による「紙の本」を出す野望を諦める、やや寂しい形で終幕になる。
私は、紙の本が好きだから、物理的パッケージが好きだから、無くなってほしくない。
でも確かに、こうしてデジタルで文を書くし、紙の本をAm○zonで注文する時もある。
いつかは流されてしまうのかもしれないが、それまではアナログの本を愛します。
それでは。また次回。