『絶望』(byウラジーミル・ナボコフ)、読了。
ジャンルとしては一応ミステリにあたると思う。
知ったきっかけは「アニヲタwiki」の解説から。
よって、あらかじめ全ネタバレを知っている状態で読んでいる。
本当は予備知識ナシで読めば遥かに驚けたかもしれない。
が、予備知識なかったら、そもそも興味持てず、読んでもすぐに挫折しただろう。
というのは、そもそもその作品は一見、非常に読みにくく分かりにくく、それにまわりくどくて、言ってしまえば「面白くない」文章になっているからだ。
無論、そのつまらなさは、意図的なもの。
何たって、主人公にして語り手のヘルマンは、ある種の妄想に囚われており、いわゆる「認知の歪み」が著しい。
有り体に言えば、「“俺様以外は全部バカ”症候群」みたいな状態に陥っており、全世界の全方位にひたすら喧嘩売っているのだ。
さて、そんな人物が自らペンを取り、一人で計画した完全犯罪の殺人を、一人称で綴ったらどうなるか。
ご興味ある方は試しに読んでみてほしい。
と言いますか、こんな話を書いた作者にまず恐れ入るし、それを簡潔に解説して下さってる人もまた素晴らしいと思う。
良い物読めました。
それでは。また次回。