『ファーストラブ』(by島崎理生)、読了。
※精神に余裕のない時に読むとダメージ受けます※
映画に行きそびれた事から文庫で読み始めたものの、挫折。
後日、半ば意地で読了して知った。
体調のすぐれない時に読まなくて正解だったと。
読み進みにくかった点は二つ。
登場人物の名前が独特だったり、誰の台詞か分かりにくかったり、場面転換が突然だったり、回想シーンが多くて時系列に混乱したりといった、表現上の理由。
もう一つは、全体を通して徹底的に書かれる「虐待」というテーマだ。
この本には、年長者から虐げられて育った人物が多く出てくる。
父を殺害したとされて逮捕された女性が、実はずっと多岐にわたる虐待を受けていた事を、生まれて初めて自覚するという主軸からして重いが、他も重い。
前述した被告人の女性に関わる、臨床心理士である主人公もまた、家族から精神的暴力をふるわれて生きてきたという事情が描かれる。
それから、やはり被告人の女性に関わる弁護士(主人公の親族)も同様。
最終的には皆、自分の心に沈んでいた、わだかまりを吐き出し、ある種救われる。
が、そこに至るまで読むのが、少なくとも私には非常に苦痛だった。
全編にわたって、性行為にまつわる細かい描写が出てくるのも辛かった。
テーマとして避けられないのは理解していても、読む手が何度も止まってしまった。
私がこの本を飲み下せるようになるのは、まだ先になりそうだ。
それでは。また次回。