北への道は上り坂がずっと続いた。
やがて坂は平坦になった。
右の壁に扉があるのが見えた。
扉はどす黒い色で染まっていた。おびただしいほどの血の痕だ。
ハーレイは扉を開けた。
そこは独房のような部屋だった。
ぼろぼろの服を着て、鎖でつながれた男がいた。
男はハーレイに怯え、鎖の長さが許す限り後じさった。
ハーレイは、斧で鎖を断ち切った。
男はひざまずいて頭を下げ、礼を述べた。
聞けば、男もかつてこの迷宮に挑戦した冒険者だったという。
落とし穴に落ち、迷宮を統べる「トライアルマスター」に救われたが、
死ぬまで迷宮の外に出すわけにはいかないと言われた。
迷宮で一生を過ごす人生に耐えきれず、脱走しようとしたが、
今度はオークに見つかり、拷問の末、この独房に入れられたのだと。
独房の囚人は、疲れきった顔でハーレイに言った。
「この迷宮から出るには、宝石を集めなければならないんだそうです。
理由は知らないんですが……」
それだけ言うと、もはや真っ当な神経を保てていないのだろう囚人は、
ふらふらとした足取りで、迷宮の奥へ姿を消した。
やがて坂は平坦になった。
右の壁に扉があるのが見えた。
扉はどす黒い色で染まっていた。おびただしいほどの血の痕だ。
ハーレイは扉を開けた。
そこは独房のような部屋だった。
ぼろぼろの服を着て、鎖でつながれた男がいた。
男はハーレイに怯え、鎖の長さが許す限り後じさった。
ハーレイは、斧で鎖を断ち切った。
男はひざまずいて頭を下げ、礼を述べた。
聞けば、男もかつてこの迷宮に挑戦した冒険者だったという。
落とし穴に落ち、迷宮を統べる「トライアルマスター」に救われたが、
死ぬまで迷宮の外に出すわけにはいかないと言われた。
迷宮で一生を過ごす人生に耐えきれず、脱走しようとしたが、
今度はオークに見つかり、拷問の末、この独房に入れられたのだと。
独房の囚人は、疲れきった顔でハーレイに言った。
「この迷宮から出るには、宝石を集めなければならないんだそうです。
理由は知らないんですが……」
それだけ言うと、もはや真っ当な神経を保てていないのだろう囚人は、
ふらふらとした足取りで、迷宮の奥へ姿を消した。