桜の木

日常のあれこれ
お出掛けや、ちょっとだけ演劇の事など

2020年07月28日 | 大切なひと
買い物を終えドラッグストアから出た途端
店内に入り掛けるひとりのお婆ちゃんと目が合った
とても優しい眼差し

母にそっくりな人だった
ハッとするほど
どちらかというと元気な頃の母ではなく
素顔のまま病床に就いている頃の母の顔に瓜二つだった
 
そして「りこちゃん」って今にも声を掛けてくれそうな 
とても優しい眼差しだった

お店を出てから、直ぐ又あのお婆ちゃんの顔が見たくて
慌てて戻ろうと歩き出したが
勝手に頬を伝い流れる涙に
泣き顔でお婆ちゃんの顔を見に戻ったら 困惑し嫌な気持ちにさせてしまうだろうと思いとどまった


どうぞ お元気で
どうぞ お元気で
母に似たその人の健康を願いながら
(お母さんにそっくりだった‥お母さんにそっくりだった‥)とハンドルを握りながら独り言を繰り返し
フロントガラスに当たる雨と溢れる涙で
やはり私は母が こんなにも恋しいのだと改めて思った

もしかして あのお婆ちゃんは
亡くなった母だったのではないだろうか
もしかして私のことが心配で ふらっと会いに降りてきてくれたのだろうか

例えどうであれ こうして母に似た人に会えたことが 嬉しかった
そしてまた 切なかった

叶うなら どうかまた会えますように
なかなか晴れない空に願った

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