バイオリンを保管するためのケース
みなさんは どのように選んでますか?
楽器をコレクションとして、ほとんど弾かず長期保管方には
楽器ケースよりも
白川総業さんがコレクションを保管するために用いてる、段ボール製の楽器保管箱がベストなのかもしれません。
白川総業社長の白川寛治さんは、「自社開発品で、性能が良く、特許まで取ったけれど売れなくて…」とちょっと苦笑しておられました。
でもそれは、一部のコレクター向けのお話で…
一般の方は、楽器ケースを候補に考えると思います。
ケースには、形状として
大きく分けて シェイプ型(三角ケース、ひょうたんケースとも…)とオブロング型(四角ケースとも矩形ケースとも…)
に分かれます
20年ぐらい前まで私は
安いケース・初心者が使うケース:シェイプ型
高いケース・上級者が使うケース:オブロング型
というイメージがあり
オブロング型のケースに憧れていました。
小学生の頃、自分はひょうたん型
同級生のF君は、ヒルの四角のケースを持っており
羨ましかった琴を覚えています。
今は、ケースも、カーボン、グラスファイバー、ポリカーボネートなど様々な素材のケースが出てきていて
選択の幅がとても広くなっています。
ケースは、比較的簡単に持ち主の個性を表すことが出来る、表現の場でもあるので
こだわる方も多いように思います。
私は、(宮地楽器小金井店の山本店長さん曰く)病気なので
楽器、弓だけでなく
楽器ケースも、興味があるものは、どんどん手を出しておりまして…
家内もあきれるほどでした
今日は、楽器ケースについて 書いてみたいと思います
私の偏見ですから、事実と異なることもあるかもしれませんので
その点だけご了承ください。
♪私が使ってみて、これは良い!と思ったベスト3
No1. Musafia 2010 Superleggero
古いモデルで製造中止だと思います。
イタリア製のMusafiaの中では、基本構造はしっかり作られながらの廉価版です。
これより廉価なStudio Seriesというのがありますが、質感が落ちてしまいます。
このモデルの特長は、取っ手(ハンドル部)がプラスチックなんです。
取っ手が革だと、高級感はあるのですが、汗かきの私はなんだか苦手で
プラスチックの方が気兼ねなく使えて、実用的です。
今となっては、もう1~2つ買っておけばよかったと後悔しています。
2.東洋楽器 Plume Fiber(初期型、バックル2個)
飛行機の国内線の手荷物持込みは、特別な場合を除き3方向の合計が115cm以下
ならばOKで、JAL、ANAが準備しているバイオリンケースは
Plume Fiber の初期型(バックルが2個)で、
市販品についているゴム足を取り除いて、115cm以下のサイズに納めています。
飛行機で移動するとき、事前に予約をすれば専用ケースをお借りできますが
搭乗時と到着時に楽器を入れ替えするのが煩雑です
バイオリンが複数台あるならば、もう1席楽器用に席を取ればいいのですが
バイオリン1台なら、その費用も節約したいです。
そういう時、このケースはとても重宝します
ゴム足を切って使っています。
3.日精/サカイコンポジット レンゲ
2010年に弦楽器フェアーで発表され
2011年秋から販売開始、1年程で売れ行き不振により
製造終了となった、不遇のケースです
素晴らしい品質で、
GEW*、B*M、AC**RD、などなどの老舗ケースメーカーと比べても
頭 ひとつ ふたつ 抜きんでていたケースです
丁寧な仕事、上質な素材 どこをとっても素晴らしいケースでした。
この技術で、普通の形のケースを作っていたら成功したと思うのですが。
斬新さを出そうと
1700年代に主流だった、差し込み式のケースを再現し、販売。
筐体をコンパクトにするために、弓は2本までと言うのが、あまり受けなかったようです。
また、アドバイザーの方がおられたようなのですが、メーカーが販路を構築できなかったことが
致命傷だったようです。
2010年に弦楽器フェアーに出店し、その時に訊いたところ
まずは、コンパクトなバージョンで市場をつかみ
その後、弓4本バージョンやダブルケースも作る予定と聞いていたのですが…本当に残念です。
レンゲは、私にゼロハリバートンのバイオリンケースを手放すことを決断させたぐらい
素晴らしいケースでした。
♪見栄で購入したい 特注ケース
以前、高嶋ちさこさんが、エルメスにバイオリンケースを発注しました。
市販のケースを、外装内装をエルメスに加工させたものだったと思います。
外側は黄色の革、内部はコンチェルトという名前のスカーフ生地を用いていました
徳永二男さんは、確か ルイヴィトンのケースをお持ちだったと思います。
最近だと、形成外科医で美容整形病院を経営している、麻生さんという方が、注文してYOUTUBEで報告しておられます
憧れですよね~
私も、20年ぐらい前に
高級なケースが欲しいと思いたち
NYのティファニー、日本のWAKO、フランスのルイヴィトンに相談したことがあります。
当時、ティファニーだと、100万円~(NY本店でのみ受付) WAKOでは市販のケースの改造というスタイルで40万円~、ルイヴィトンは、日本のデパートの店舗でも受付可能で60万円~となっていました。
ティファニーは本店に行かないといけないので、時間とお金が余計にかかる
発注の楽なルイヴィトンでお願いすることにして、
打ち合わせをし、仕様も決めていったのですが…
納期に2年もかかると言われました。
「うーん、そんなに待てない。」
悩んでいたときに、幼馴染のF君が ゼロハリのバヨリンケースを持っていたことを思い出し
クレジットカード会社のコンシェルジュサービスを通して、注文しました。
WAKOとルイヴィトンの中間ぐらいの価格でした。
重たい、怪しい ケースで
持ち歩くと ゼロハリマニアの人が必ず声をかけてくださいました。
ゼロハリは、日本の会社に買収されてからは、オーダー製作は受付けていないようです。
ティファニーも今本店は改装中のはずで、常顧客以外は難しそう。
ルイヴィトンも、今は受付けていないようです。(ギターケースはあるとのこと)
和光さんは、おそらくできるのでは… でも同じ内容を 革工房にお願いしても同じ結果になりそうです。
ケースは、永く使いたい
そんなとき、ルイヴィトンのケースは、
「きっと何十年先でも修理をしてもらえる」ということを期待できると思います。
良いケースを長く使い続けることができる。それはとても魅力的なことだと思います。
♪新素材ケースの不安なところ
昔ながらの布ケースや革ケースは、雨に弱いです。撥水加工をしないと大変です。
撥水加工も長期にわたり有効ではないので、アルミや樹脂などの新素材のケースは
雨を気にしなくて済みます。さっと乾いたタオルで拭くだけ。
しかし良いことばかりではありません
多くの新素材ケースは、接合部に柔らかい合成樹脂やゴム系の素材を用いています
これらは、経年で劣化していきます。
交換部品があれば良いのですが、交換部品がない場合は、劣化したら寿命となります
私の持っている、レンゲも不安要を抱えるケースの一つです
かみ合わせ部のゴムの劣化が進みにくいように シリコーン系乳化剤を塗ってますが、何年持つのか…
メーカーのサポートももうありません。
たいていのケースは、10年は使えると思います。でも20年30年という時間を経たとき
どのようになるのか、気になるところです
そういう心配が、オーセンティックなケースの場合はありません。
実売、2~3万円で売っている、フューメビアンカとか、イーストマンであれば
私は、まあ仕方がないか とあきらめることができると思いますが
10万円を超える、BAMやGEWA、アコードは、ちょっと考えてしまいます。
プロ演奏家、音大生、音高生の方々はケースの使用頻度も高く、10年も経てば
使用に伴う不具合も出てきて、買い換えをするでしょうから、そういう心配はないと思います。
週に1度、レッスンで外出する程度の人は…10年・20年なんてあっという間です
そう考えると、新素材はちょっと考え込んでしまいます。
また、ヤフオクやメルカリなどの中古品はなおさらです。
♪ムサフィアのケース
20年前は、それほど高級なケースではありませんでした。
実売価格は、東洋楽器のULオブロングの倍程度でした
今は、ずいぶんと値上がりして、
種類も増えました
品質は良いと思います。
時間はかかりますが、修理も対応してくれます。
♪ネグリのケース
ミラノというシリーズは、良いケースだと思います
ディプロマはとてもお高い。
でも以前に比べ、値段が安くなり手が届きやすくなりました。
ミラノより廉価なシリーズは、ミラノとの差がありすぎて、
私はミラノ以外のケースは、興味がわきません。
♪東洋エスプリエスプリULオブロングは、ロングセラーです。
軽いし、値段もお手頃だし、質感も良く、良いケースだと思います。
頑丈かと言われれば、そこそこですが、この値段ですから…
通常の移動には、全く問題ないと思います。
三角ケースのシェルシリーズもも実売2万円以下で手に入るケースとしては
秀逸だと思います
Plumeは、前述の通り、少し加工すれば機内持ち込みができるメリットがあります
東洋楽器さんには、オブロング型の新素材ケースを期待したいです。
♪GEWA
2020年発売の新素材ケースのPUREす
今とても気になっています
買ってしまうかもしれません。
GEWAでありながら、この値段。
他の廉価ケースメーカーはどきどきしていると思います
♪ギャラックス
国産のケースメーカーです。
お値段お安く、質感も悪くありません。
良いケースだと思います。
まだ作っているのでしょうか?
製造やめたとの噂も聞きます。
♪アルファのケース
日本製だったと思います。
地味ですが安定した品質だと思います。
ダブルケースを所有していますが、不満はありません。
これもまだ作っているのでしょうか?
製造やめたとの噂も聞きます。
♪ロッコーマン
お手軽な値段の
ポリカーボネートのケースがあります。
筐体のデザインはGEWAに似ています。
お手頃で 良いケースだと思います。
♪イーストマン
のだめカンタービレで
峰君が使って 一躍有名になったケースです
やや重たいですが、
実売3万円前後で購入できる
安定した品質のケースです
♪フューメビアンカ
白川総業社のブランドで、安く良い物をというコンセプトです。
シェイプ、オブロング、チェロケース型の新素材ケースや
木製のシェイプ、オブロングもあります。
チェロ型のケースがかわいらしく、弦楽器フェアーで見て気に入り、私も一つ持っています。
ブランド名にこだわりがなければ、お勧めできるメーカーだと思います。
他にもいろいろメーカーはあるのですが、
使ったことがないので、コメントができませんです。
この10年間で、いろいろなメーカーが手に入るようになりました
ギターケースで有名な クロスロック社も
バイオリンケースを作っていますが、今ひとつ垢抜けた感がありません。
ただ、ABS製で希望小売価格が1万円前後と、めっちゃお安いです
YAMAHAがセットバヨリンのケースとして採用したようでもあり
これからの動向がとても気になります。
チェロケースでは、結構人気だと聞いています。
だらだらとした長文
お読みいただきありがとうございました。
ではでは
良く、販売ルートの確立ができなかったと言われますが、私は、その前に価格設定があったと思います。
私のお友達は、ネットでアドバイザーの人を探し出し、その人が持っていたレンゲを購入しています。
私は販売中止になる前に、日精さんから直接買いました。
ライオンカーボンは、Web上で拝見しただけですが、薄型でお洒落ですね。カーボンマックが マックコーポさんの扱いに対して、SIEさんの扱いのライオンカーボンなのかな????
と思っており、SIEさんが開発に関わっているなら、品質面、機能面では及第点なのでは????
と考えてます
ただ、薄型ケースは楽器を選ぶ傾向があり
所有している楽器のアーチとの相性を良く考えてから購入する必要がありますので、お気を付けください。
ではでは~
レンゲ、欲しかったのにいつのまにか生産修理になってしまってました。
ヤ○オクやらにあまり見かけないという事は所有者の方の満足度が高いという事でしょうか。
懇意の工房の方はlion carbonを勧めてきますが、あまり出回っておらず、海外でもうられてないので買うのを躊躇ってます。
もう作ってないのでゴージやヒル(15年位前に九響の先生に10万で買わないか?と提示されました)のケースは見れないので、
timmsのケースは興味あるんですけど。
あまり楽器をケースで持ち運ぶ状況もないのもあって、
今はケース自体を買うモチベーションも低くて😔
カーボンマックは品質がいいんですね!
参考になりました。
はい、Timms夫妻が作っているケースは
以前 茶木さんが主宰しておられる
Violin Webで紹介されたことがあったと思います。
英国のケースメーカー ゴージで学んだとされ
しばらくは ゴージのケースの修理もしていました
まだ見たことがないので
コメントできないのです
ごめんなさい
他にも
LION というメーカーも
最近でてきて
良さそうなのですが
見たことがないので…
カーボン素材であれば
カーボンマック は アウトレット品が
WEB で3万円台で手に入るようです
カーボンマックは
弓が2本しか入りませんが
なかなか良い造りです
アウトレット品は
傷があるとか
塗装にムラがあるとかの
ワケありですが
33,000円で手に入るなら
悪くはないかなとも思いますです
てつさん もしかして Timmsのケース
お持ちですか?
お持ちなら是非感想お聞かせください
こちらはどうでしょうか?