週末に車でリンを乗せて国道を走ってる時に歩道を歩いている旦那とすれ違った。
彼は私の車に気がつかず汗を拭きながら片手にペットボトルを持ち歩いていた。
方向的にたぶん選挙投票に行ってきた帰りだろう。
たった3ヶ月の結婚生活なのにそんな事も予想出来る事が少し悲しい。
「彼が変だって思わなかったの?」と大抵の人は言う。
変てなんだろう。
友達も、同僚もみんな深く知れば意外な癖があったり、変な拘りがあったり、私から見たら私以外はみんな違う。
私から見て、そんな言い訳するんだー、と思う人もいる。
しょうもない人だけど憎めない友達もいる。
変てなんなんだろう。
彼といて1つ酷く悲しかった事はある。
再婚してすぐ立て続けに追突事故に遭った。
2つ目の事故の時に衝撃の強さと、また?!という落ち込みで動揺して彼に電話をした。
『また車に突っ込まれたの、すぐ近くだから来て』
その言葉に対しての彼の返答が驚くものだった。
『どうして僕が行くの?行っても何も出来ないけど』
どうして?どうしてってどうして?
たぶん彼といてその言葉が1番不可解だった。
加害者の女性も旦那さんに電話していた。
「うん、大丈夫、うん、相手も大丈夫そう。うんうん、ごめんなさい、よそ見をしてて。そんなに急がなくても大丈夫、うん」
普通の会話をしていた。
相手の旦那さんは到着するや否や私に謝り、警察の方に謝り状況を把握して保険屋さんに連絡を入れて仕切っていた。
私の旦那さんはとりあえず来てはくれたが野次馬の一員のように離れた所から見ている。
なんなんだろう、この人は。
手招きをして呼ぶ。その私の仕草に「えっ、俺?」という顔。
「みて、車がこんなに凹んでね」説明する私に不可思議な顔をしてふーん、という感じだ。
相手の旦那さんが彼に謝っても「いやいや俺じゃないし」
その反応、、マジか?
警察官に「旦那さん、大変だったねー」と言われも「えっ、俺じゃないし」という顔と身振り手振り。
違うよ、一般的にあなたの奥さんはあなたとワンセットに扱われるんだよ、、マジか、その他人のような扱い。。。
それが酷く悲しかった記憶がある。
普段がものすごく優しいだけに、その差に驚いた。
今ならいかにも人の気持ちが分からない、人との距離感が分からないアスペルガーらしいエピソードだ、とすぐ思えるがその時の私は何も知らないただのオンナだった。
私にとんでもない世界を知らしめた彼は1人で生きるのが一番いい生き方だと思う。
人とは共存出来ない人種なのだから。
そしてとんでもない世界を知ってしまった私はもう誰かと暮らすのは無理だと感じてる。
先日お客様(80代のおばあちゃま)から息子と結婚してくれないか、と言われた。
2カラットのダイヤもこんなネックレスもあるわ、と言う。他の嫁たちが欲しがっている、と言う。
おばあちゃま、ぜひ欲しいと言ってるお嫁さんたちにあげたら感謝されますよ、それに金品に釣られて嫁に来るなんて人はろくなもんじゃないです、息子さんだってきっと女友達くらいいますから、と丁寧にお断りした。
たまに息子とご飯を食べてあげてくれる?と最後まで言ってた。
有り難いけどもう心のどこにも響かない。
めんどくさいことは今は一切受け付けない。
お人好しの私には必要な世界だったのかもしれない。
こんな進化を遂げた私でも人は「優しい」というレッテルを貼るのだろうか。
どれだけ私は優しかったのだろう。
人からどう思われてもいい。
今は子供が立ち直ることが大事なミッションだからなにも響かなくていい。
そのくらいがちょうどいい。
蒸し暑い夕方、そんな想いにふける。