皆さんのお役に立てば幸いです

色々の無料ホームページからお役に立て様な記事を探して掲載します。主に健康・くらしです。

日本人の5人に1人「糖尿病」じわり進行する怖さ

2022-01-03 15:30:00 | 日記
下記の記事は東洋経済様のホームページからお借りして紹介します。(コピー)です。

糖尿病は、厚生労働省の「令和元年 国民健康・栄養調査」によれば、疾患が疑われる人を含めると、日本人の5~6人に1人が罹患(りかん)している、いわゆる国民病です。
さらにこの調査では、「食事習慣に関心はあるが改善するつもりがない」人は全体の25%、「関心もなく改善もしない」人は13%にのぼりました。この原因としては、仕事や家事が忙しく時間が取れない、そもそも生活習慣を変えることが面倒などが主にあげられます。
確かに、糖尿病は少しずつ進行するため、テレビなどで「糖尿病は心筋梗塞を起こすので危険です!」などと言われても、いまいち危険性に対する実感がわかないかもしれません。
しかし、糖尿病は直接命に関わる病気になるような段階の前から、生活の質(QOL)が下がる症状が出ることを知っておく必要があります。
血液中に大量の糖が含まれている状態が「糖尿病」
まず、糖尿病とはどのような病気なのでしょうか? 「糖尿病」という名前から、尿の中に糖が出てくるもの、と思われがちですが、正確にはそれだけではありません。
この連載の一覧はこちら
本来、食べ物を消化したり、体内で産生したりすることで作られた糖(グルコース)は細胞のエネルギー源として、血液に乗って全身に行きわたりますが、糖が多すぎると細胞に取り込みきれず、血液中に糖があふれている状態となります。この血液が腎臓でろ過され、尿糖として身体の外に排泄されているのです。すなわち、尿だけでなく血液中に大量の糖が含まれている状態を「糖尿病」と呼びます。
このように、血管内に糖が多く含まれている(=高血糖)と、血管の壁が傷つきやすくなり、さらに脂質が血管内にたまりやすい状態にもなります。その結果、血液が通る道が狭くなり、かつボロボロになっていきます。これが進行すると動脈硬化となり、心筋梗塞や脳梗塞といった致命的な疾患につながります。
高血糖による血管の障害はジワジワと進行するため、心臓や脳の太い血管では症状が出るまでに時間がかかりますが、手足の先や眼、そして腎臓にあるような細い血管にはすぐに影響が出てきます。
まず手足の先ですが、手足の指の感覚が鈍くなる、足の裏にジンジンしたしびれが起こることが特徴です。さらに、足の指先の血管が障害されることで血流が行かず、しかも感覚が鈍くなっているため症状の進行に気づかず、気づいたときには足の指が壊死していることも稀ではありません。進行すると、指や脚を切断することになる場合もあります。
眼では、とくに「網膜」に障害が起こります。網膜は私たちが眼でみた映像を映す、カメラのフィルムのようなはたらきをしています。網膜には細い血管が張りめぐらされているため、糖尿病によって障害が起こると視力低下が起こり、進行すると失明の危険性があります。糖尿病による網膜の障害は、現在も日本人の失明の原因の1、2位を争っており、決して他人事ではありません。早期発見によりレーザー治療をすれば進行を止められるため、医師から眼科受診をすすめられたら視力低下などの自覚症状がなくてもすぐに病院へ行きましょう。
もうひとつ、腎臓については、尿を作る「糸球体」という場所に障害が出ることで腎臓の機能が低下します。症状としてはむくみや強い疲労感が出るほか、進行すると自分で身体の老廃物を排泄できなくなり、透析によって人工的に老廃物を出さなければならなくなります。この状態になると(程度によりますが)週2~3回、クリニックに通って透析を受けなければならず、とくに働く世代では生活の時間が圧迫され、非常に負担が大きくなります。
糖尿病を予防するには?
それでは、こうした症状を避けるためにはどのような予防法があるのでしょうか。
まずは自分の状態を知るために、職場や自治体の健康診断を受けましょう。健康診断の結果項目は一見複雑ですが、私の過去記事【いまさら聞けない「健康診断の結果」の見方】に糖尿病に関係する数値はどこを見ればよいかを解説していますのでそちらも参考にしていただければと思います。
そして、糖尿病は肥満がリスクであるため、食事習慣や運動習慣を見直すことで予防することが可能です。ご自身の理想体重は、身長(m)×身長(m)×25で求めることができます。現在の体重がこの数値を超えてしまっている人はいわゆる「肥満」ですので、理想体重に近づけることを目標としましょう。
とはいえ、ご飯は何カロリー、塩分は何グラムと言われてもなかなか実感がわかないですし、忙しい中で3食管理するのはとてもストレスです。そこで、日々の食習慣を見直すところからはじめてみましょう。
野菜による食物繊維を摂取することは糖尿病の予防に効果的です。牛丼を単品で特盛1つ!と頼むのではなく、ご飯の量を抑えてサラダやスープを加えるようにしましょう。食べる順番やスピードも大切です。野菜(食物繊維)やメイン(たんぱく質)のあとに米や麺類(炭水化物)を、よくかんで食べることで急激な血糖値の上昇をおさえることができます。
また、できるだけ規則正しく3食食べるようにしましょう。朝食を抜く、遅い時間帯の夕食、間食の取りすぎはよくないと言われています。テレビなどを見ながら、仕事しながらの「ながら食い」が習慣になっている方は、お菓子の袋から食べるとつい1袋食べてしまうことも多いため、小皿に取り分けて少しずつ、回数を分けて食べましょう。
1日30分以上は歩き、睡眠も長時間しっかりと
運動習慣では、1日の歩行時間を30分以上は確保しましょう。自宅から最寄り駅、最寄り駅から会社までの徒歩時間で足りない人は、階段の利用などをおすすめします。
このほか、6時間以下の短時間睡眠や、職場などでのストレスによっても糖尿病のリスクが上昇します。不眠やストレスそのものに加え、不規則な生活習慣や、ストレス解消のための衝動食いが増えることが原因と言われています。食事や運動だけでなく、メンタル面のケアを行うことも重要です。
新生活がスタートしたこの時期、日々の生活習慣もリニューアルすることで、健康な毎日を作っていきましょう。
上原 桃子 : 医師・産業医 

厚労省が特例承認コロナ飲み薬「モルヌピラビル」は収束の切り札になるか?上昌広氏に聞いた

2022-01-03 13:30:00 | 日記
下記の記事は日刊ゲンダイヘルスケアデジタル様のホームページからお借りして紹介します。(コピー)です。

 厚労省は先週24日、国内で初めて、新型コロナウイルスの治療薬「モルヌピラビル」を特例承認した。26日から、都道府県が指定した全国の医療機関や薬局に配送が開始され、27日から一部で使用が始まる。

 米製薬大手「メルク」が開発したコロナ用の飲み薬で、臨床試験では軽症から中等症の入院や死亡のリスクが30%減った。仕組みとしては、ウイルスはヒトの細胞に侵入し、ウイルスゲノムのRNA配列を複製などしながら増殖するが、モルヌピラビルは細胞内の状況と似た構造をしているため、ウイルスの増殖を邪魔するのだという。

 厚労省は「モルヌピラビル」の年内実用化を目指し、外来で処方された場合、薬局に行かなくても手に入れられる配送体制を整備するよう進めている。国内発承認の経口治療薬が普及すればコロナ収束の切り札となるのか。医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏はこう言う。
「日本は先進国の中でも、高齢者と基礎疾患患者の追加接種が間に合っていない状態で、高齢者などは2回目の接種から半年以上経っており、途上国と同様に中和抗体が付いていない国民が多く、このままではオミクロン株の大流行を迎えます。『モルヌピラビル』はそれを阻止することが期待されます。医療現場や自宅で使用できれば重症化する患者さんを減らせることは間違いありません。オミクロン株は、ワクチンに対し抵抗性を持っていますが、経口治療薬は世界的に人類が試すことが初めてになります。新種株のオミクロン株に対しても効き目があると期待しています」

 18歳以上が対象。発症5日目までに、1回4錠を1日2回、5日間服用する。飲み方の注意は? 副作用はあるのか。

「新型コロナウイルスは軽症から急激に悪化するケースがあります。オミクロン株も同様に考え、ウイルスの増殖を抑えるために軽症と診断されたら一日も早く飲むべき。第Ⅲ相の臨床試験では重篤な副作用は報告されていません。医療現場には高齢者と基礎疾患患者さんを優先に処方してほしいです」(前出の上昌広氏)

 経口治療薬を巡っては、米国ファイザーの「パクスロビド」が日本でも近く承認申請される見通しで、国内では塩野義製薬も年内の申請を目指す。

オミクロン株流行、日本では小規模で収束か? いま健康を守るために必要な議論とは 医療崩壊

2022-01-03 12:00:00 | 日記
下記の記事はデイリー新潮オンライン様のホームページからお借りして紹介します。(コピー)です。

世界中でオミクロン株の感染が拡大している。日本でも京都、大阪、そして東京などでの市中感染が確認された。果たして、日本での流行はどうなるだろうか。
市中感染が確認されたということは、国内で、既にオミクロン株が一定規模の流行をしていることを意味する。問題は英米のように大流行に発展するかだ。予断を許さない状況だが、筆者は日本での流行は小規模で収束するのではないかと考えている。
アジアと南米で「感染抑制」の可能性も
私が注目するのは、世界各地での今冬(北半球の季節で=以下同)の新型コロナウイルス(以下、コロナ)感染症の流行状況だ(図1)。欧州、北米、アフリカでは感染者が増加しているが、南米、アジアでは横ばいだ。各国の検査体制が異なるため、感染者数の絶対値を比較するのは慎重でなければならないが、全ての地域で今夏、感染者が増加したこととは対照的だ。
図2は12月24日のアジア各国での感染者数を示す。日本では韓国での感染者増が広く報道され、日本の対策の成功が強調されるが、今冬、アジアで感染が増加しているのは、ベトナム、ラオス、韓国くらいだ。マレーシア、タイ、イランの感染者が多いが、これは夏場の大流行からの収束過程で、感染者数は減少傾向だ。また、アジアでもっとも多いベトナムでも、感染者数は164人(人口100万人あたり、一週間平均)で、英(1472人)、仏(983人)、米(531人)とは比べものにならない。
コロナ流行当初から、欧米と比較してアジアの流行の規模は小さかった。ただ、今夏まで、規模は小さいといえども、アジアでもコロナは流行していた。ところが、今冬は、ここまで全く流行していないのだ。この状況は南米も同じだ。あたかも、アジアと南米でコロナが収束したかのような状況だ。
勿論、このような地域でも、今後、オミクロン株が大流行へと発展する可能性は否定できない。水際対策、国内の検査体制の充実、経口治療薬の配備、追加接種の促進、さらに病床確保など、最悪の事態に備えた準備は欠かせない。
ただ、オミクロン株については、もっとデータに基づいた議論が必要だ。アジアや南米では、これまでの延長線では考えられない異様な事態が起こっている。同じような「感染抑制」がオミクロン株に起こる可能性も否定できない。
アジアでは、日本より早く市中感染が確認されている国がある。例えば、タイは12月20日現在、60人のオミクロン株の感染を確認しているが、このうち一人は市中感染だ。シンガポールでは、12月21日までに6人の市中感染を確認している。
では、アジア主要国に「侵入」したオミクロン株は、その後どうなっているのだろう。図3は、アジアの主要国がシークエンス(ゲノム配列の解読)をしたコロナのうち、オミクロン株が占める割合を示す。このデータは水際対策と国内での検査の両方が含まれているため、市中におけるオミクロン株の流行だけを反映するものではないが、インドやシンガポールを筆頭に、アジアでもデルタ株がオミクロン株に置き換わりつつあることがわかる。米国疾病管理センター(CDC)は、12月18日までの1週間にコロナ感染と診断された症例の73%はオミクロン株だったと報告しているが、やがてアジアも同じような状況になる可能性が高そうだ。
注目すべきは、オミクロン株への置き換わりが進みつつあるアジア諸国で、コロナ感染者が増加していないことだ。デルタ株同様、オミクロン株もアジアでは流行しにくいのかもしれない。
このことは、沖縄の経験とも合致する。沖縄では、米軍基地の職員の間で255人(12月25日時点)のクラスターが発生しているが(米軍は、このクラスターがオミクロン株によるとは認めていないが、基地に出入りする日本人からオミクロン株が検出されているため、オミクロン株が原因と考えていいだろう)、基地外への感染拡大は市中感染の疑いで分析中の1例にとどまっている(12月26日時点)。
懸念される「コロナ関連死」の増加
オミクロン株は強い感染力を有する。12月16日、英インペリアル・カレッジ・ロンドンの研究者は、オミクロン株の再感染リスクはデルタ株の5.4倍というモデル研究の結果を発表した。油断は大敵だ。ただ、この英国での研究は、アジアで再現されるかはわからない。
もし、オミクロン株の脅威が欧米ほどでなければ、過度な規制は禁物だ。経済的ダメージが大きいことに加え、国民の命を奪うからだ。図4は、コロナ流行下での日本人の死亡率の推移だ。2020年、21年の何れも流行期に死亡率が増加していることがわかる。20年と21年では流行規模は違うのに、死亡率の増加は同レベルだ。コロナ感染による死亡だけでは説明がつかない。多数の「コロナ関連死」が起こっていたのだろう。
筆者は、この状況を知ると、東日本大震災後の福島県を思い出す。原発事故による被曝で亡くなった人はいないが、多くの高齢者が故郷からの避難や仮設住宅での生活などのストレスで、持病を悪化させて死亡した。この福島の経験は、坪倉正治・福島県立医科大学教授のチームが多くの英文論文として発表し、高齢化した先進国では、災害による直接的な死亡より、災害関連死が重要であることが世界的なコンセンサスとなった。
全く同じことがコロナでも言えそうだ。12月24日、スポーツ庁は全国の小学5年生と中学2年生を対象とした2021年度の全国体力テストで、全8種目の合計点の平均値が小中男女とも前回より下がり、特に男子では調査開始以来最低であったと発表した。コロナ自粛の影響だろう。小中学生の体力がこれだけ落ちるのだから、高齢者の健康が害されるのも宜なるかなだ。
オミクロン株を巡る議論を聞いていて、私は違和感を抱かざるを得ない。極論すれば、「オミクロン株で死ななければどうなってもいい」と言わんばかりだからだ。超過死亡が議論されることなく、国民目線が欠け落ちている。オミクロン株感染は、国民の健康を最優先に、科学的に合理的な対応が必要だ。
上昌広
特定非営利活動法人「医療ガバナンス研究所」理事長。
1968年生まれ、兵庫県出身。東京大学医学部医学科を卒業し、同大学大学院医学系研究科修了。東京都立駒込病院血液内科医員、虎の門病院血液科医員、国立がんセンター中央病院薬物療法部医員として造血器悪性腫瘍の臨床研究に従事し、2016年3月まで東京大学医科学研究所特任教授を務める。内科医(専門は血液・腫瘍内科学)。2005年10月より東京大学医科学研究所先端医療社会コミュニケーションシステムを主宰し、医療ガバナンスを研究している


オミクロン感染者に「重症化が少ない」有力な理由

2022-01-03 10:40:22 | 日記
下記の記事は東洋経済様のホームページからお借りして紹介します。(コピー)です。
ブルームバーグ
体内の抗体レベルが低下している場合でも、T細胞が新型コロナウイルスのオミクロン変異株感染の重症化を防いでいる可能性がある。オランダと南アフリカ共和国でそれぞれ行われた研究が示した。感染が過去最悪規模で拡大している一方で、これまでのところ病院が機能不全に陥っていない理由を説明する一助となる。
T細胞は免疫系の中で注目度が高くないが、ウイルスに感染した細胞を攻撃するという重要な役割を果たす。オランダのエラスムス大学と南アのケープタウン大学は別々の研究で、ワクチン接種によってオミクロン株に対する防御に十分なT細胞の増強が見られたと説明した。
スパイクタンパク質全体を標的に
T細胞は抗体と違い、新型コロナウイルスのスパイクタンパク質全体を標的にできる。変異の程度が大きいオミクロン株でも、スパイクタンパク質の大部分は従来株と同様と言える。
エラスムス大学の研究者らはワクチン接種済みのヘルスケア従事者60人を対象に調査。オミクロン株に対する抗体の反応は、ベータ変異株やデルタ変異株への場合と比べると低い、あるいはほとんどなかったが、T細胞の反応はおおむね変わらなかったという。
ケープタウン大学の感染症分子医学研究所は新型コロナ感染から回復した人、およびファイザー・ビオンテック製あるいはジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)製のワクチンを接種した人を対象に調査を行った。
同大学で研究報告書の執筆に参加したウェンディ・バージェンズ氏は、免疫による防御には複数の階層があると自身のツイッターアカウントで説明。抗体が感染をブロックするのに対し、T細胞は感染した細胞を破壊してウイルスの広がりと重症化を防ぐと解説。「T細胞は感染を防ぐことはできないが、その後のダメージを最小限に抑えることができる」と指摘した。
ブルームバーグ

40代で一気に「顔の老化」が進む人が毎朝食べているもの

2022-01-03 08:30:00 | 日記
下記の記事はプレジデントオンライン様のホームページからお借りして紹介します。(コピー)です。

生活習慣病改善のエキスパートとして知られる池谷敏郎医師が、「老い」を止めるための独自のメソッドをまとめた『老いは止められる』(エクスナレッジ)を上梓した。最新作から、「見た目」までみるみる若返り、モテだすという「血管アンチエイジング」の極意を紹介する──。(第1回/全2回)
※本稿は、池谷敏郎『老いは止められる』(エクスナレッジ)の一部を再編集したものです。
広告

「血管メンテナンス」で老い知らず
東京・あきる野市に池谷医院を開院してから25年間、数多くの方々の血管の検査・治療を行ってきました。開院当初からずっと通い続ける患者さんもたくさんおられます。
血管のメンテナンスをずっと担当させていただいた成果は、患者さんたちの姿を見れば、一目瞭然です。みなさん、実年齢よりもずっと見た目に若々しく、元気で、生き生きとしているからです。
「老いを止められた」患者さんたちへ、私が一体何をしたのか? まして、美容やアンチエイジングの専門家でもない、内科・循環器を専門とする医師である私が「なぜ若さを保つ方法を教えられるのか?」、そう疑問に思う方もいるかもしれません。


外見も中身も、「若さ」=「血管年齢」
その答えは、人間の「見た目の若さ」も「中身の若々しさ」も、イコール「血管の若さ」だからです。あまり知られていませんが、「血管年齢が若ければ見た目も中身も若く、血管年齢が老けていれば見た目も中身も老けている」という科学的事実があります。
写真=iStock.com/miya227
※写真はイメージです
全ての画像を見る(3枚)
見た目年齢を大きく左右する肌の状態ひとつとっても、皮膚の細胞を維持する栄養や水分や酸素を届けているのは、血管であり、その中を流れる血液です。血管の機能や活動が衰えれば、当然ながら肌へ必要なものを届ける働きも衰えて、肌が老いる……というわけです。
見た目に若々しく、無駄な脂肪がついてないスリムな体で、どこにも痛みや不調がない。
めざすのは、こうした健康を基盤とする若々しさです。この状態になると、気持ちも行動も大きく変わります。「若返ったね!」と人から褒められるようになるので、うれしくなってどんどん体によい選択、行動をするようになります。毎日が楽しくなって、気持ちが上向きます。
「もともとの美醜」より「見た目の若々しさ」が大事
私自身、20年前まで、不摂生とストレスから今よりも15kgも太っていたうえ、実際の年齢よりもずっと老けて見られていました。現在58歳ですが、身長173cm、体重は64kg、体脂肪率10%、血管年齢は28歳です。今のほうが見た目も血管年齢も気持ちも、自分ではずっと若々しいと自負しています。
広告

みなさんも、もしかしたらお気づきかもしれませんが──年齢を重ねるほど、「もともとの美醜」よりも「見た目の若々しさ」を保つことの価値が上がってきます。
「その年齢にぜんぜん見えない! 若いですね」と言われることが、最上の褒め言葉になるのです。
50代になって心から実感するのは、実年齢が増すほど、見た目の若さを保つことで気持ちも若く、ポジティブでいられる、ということです。毎日ががぜん楽しくなるので、「また太って老け込んだ自分に戻りたくない!」と、若さを保つための努力が苦にならなくなります。


「老け顔」の原因も血管の老化かもしれない
20代、30代、40代と年を重ね、ふと鏡に映った自分の顔を見て、しわやたるみなどの老化の“しるし”に気づいたとき──いくつであっても、思わず「老けたなあ……」とため息をつき、落ち込んでしまいますよね。
実は、人の第一印象を決め、見た目年齢に最も影響する「顔の老化」は、体内の血管が老化することから始まります。
私の病院の患者さんでも、血管年齢が高い人ほど、顔にはしみ、しわ、たるみが目立ち、実年齢よりも老けて見えることがほとんどです。
それを医学的に明らかにしたデータもあります。抗加齢皮膚ドックを受診した273人の血管年齢と実年齢の関係を調べたところ、血管が若いほど見た目も若く、血管が老化しているほど見た目にも老化していることが確かめられたのです(愛媛大学医学部附属病院調べ)。
血管は肌へ“美容液”を届けている
血管と見た目の老化がリンクするのは、前述の通り、血管が全身の皮膚に必要な栄養や酸素、水分を運び、同時に老廃物を回収する働きを行っているからです。
広告

血管には、「動脈」「静脈」「毛細血管」の3種類がありますが、血管全体の99%を占めているのは毛細血管です。動脈と静脈の間をつなぎ、動脈からは栄養素や酸素、水分を受け取り、静脈へ細胞から回収した老廃物や二酸化炭素を受け渡しています。一人の人間の血管の長さを合わせると、地球2周半にもなるといわれています。
皮膚の下には毛細血管が隙間なく張り巡らされ、皮膚の機能と働きと生まれ変わりをサポートしています。そして血管年齢が若いほど、血管がしなやかに広がるため、血流もよくなって血液がより多く、皮膚のすみずみまで届くため、肌の状態も当然ながらよくなります。
つまり、血管は、体の内側から肌を美しく保つための「美容液」を届ける役目を担っているのです。
ところが加齢とともに、全身へ血液を運ぶ動脈の壁は厚くなり、硬化してしなやかさを失っていきます。これが血管の老化、すなわち動脈硬化です。動脈硬化が進行すると、血流が悪くなり、肌への美容液の供給が滞るようになります。すると、水をもらえない植物のように肌はしおれ、みるみる老化する──というわけです。
写真=iStock.com/Giang Nguyen
※写真はイメージです


40代から激減する毛細血管が「老い」を進ませる
さらに、動脈の末端につながる毛細血管も、加齢とともに減少していくことが分かっています。20代をピークに、40代から徐々に減少し始め、60代になると20代と比べ40%もの毛細血管が失われるといわれています。
つまり、単純に考えても、20代の頃よりも皮膚へ血管が届ける「美容液」が半減してしまう、ということです。
見えない血管が硬くなったり、その数を減らしたりしていることで顔が老けていく。「じゃあ自分ではどうしようもない……」とがっかりしてしまうかもしれませんが、大丈夫、安心してください。
何歳になっても血管をしなやかにしたり、毛細血管を増やしたりすることはできます。
甘いコーヒー、朝の菓子パンを好む人の「糖化」「酸化」リスク
血管を若返らせるためには、血管を劣化させるような習慣をまずは改める必要があります。それを大前提にすることで初めて、血管の数としなやかさを保つための施策が効果を現します。
血管にダメージを与えて老化させる大きな要因は2つあり、1つは「糖化」、もう1つは「酸化」です。それぞれについて、説明していきましょう。
「老いる人の習慣」としてよくあるのが、次の3つです。
1.「コーヒー、紅茶には砂糖を欠かさない」
2.「購入するペットボトルは甘い清涼飲料水」
3.「朝食は、頭の働きをよくするために甘い菓子パンを食べる」
なぜこれで老いるのかというと、この行動はすべて、血糖値を急激に上げて血管を「酸化」させてしまうからです。

血管をボロボロにする「血糖値スパイク」と「活性酸素」
砂糖や清涼飲料水、菓子パンには多くの糖質が含まれていることは、みなさんすでにご存じかと思います。
血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖の量を示すものです。食事で摂取された糖質が消化・分解されるとブドウ糖となって血管内に送り込まれるため、血糖値が上がります。すると、すい臓から「インスリン」という血糖値を下げる働きをするホルモンが分泌されます。
このとき、多量の糖質を一気に摂ることで、血糖値の上がり方も急激になります。すると分泌されるインスリンの量も増えるため、今度は一気に血糖値が下がりやすくなります。
このように、短時間のうちに血糖値の乱高下が起こることを「血糖値スパイク」といいます。
この血糖値スパイクが繰り返されることで、血管内の細胞には大量の「活性酸素」が発生することが分かっています。活性酸素は細胞を強力に酸化させ、ボロボロに傷つけ、劣化させてしまうことで知られていますね。
血管が傷つく、傷ついた血管が修復される……この繰り返しで、血管内の壁は徐々に分厚さを増し、動脈硬化の原因となっていくのです。
最強の老化物質「AGEs」が体を破壊する
また、血糖値が異常に高い状態を「高血糖」といいますが、この状態を繰り返すことで、血管の老化が進行します。
血管の主要な材料は、たんぱく質です。血液中に多量のブドウ糖があふれている高血糖状態が繰り返されると、このブドウ糖と血管壁のたんぱく質が結びつき、「糖化」という現象を起こします。血管壁に糖化が起こると、酸化ストレスによって血管の働きが阻害されたり、組織に変性が起こったりすることから、動脈硬化が進行してしまうのです。
糖化反応で変性したたんぱく質は、「AGEs:エイジーイーズ(終末糖化産物)」と呼ばれます。
AGEsは血管だけでなく、体のあちこちで発生、蓄積され、酸化ストレスによって体内をどんどん老化させるやっかいものです。さらに、AGEsは血管壁の内部にも侵入し、そこに炎症を引き起こすことによって、動脈硬化の進行に拍車をかけることも分かっています。

「甘いもの好きほど、見た目が老ける」
AGEsが肌に発生すれば、肌のコラーゲンに変性を起こして弾力を失わせ、しわ、たるみがどんどんできる……という、ゾッとするようなことが起こります。血管の動脈硬化との相乗効果で激しく老化を加速させるのが、酸化と糖化。
池谷敏郎『老いは止められる』(エクスナレッジ)
「甘いもの好きほど、見た目が老ける」と心に刻んでおきたいものです。
また、AEGsの蓄積によってがんや認知症のリスクが上がるともいわれています。糖尿病のリスクを上げることについては、言わずもがなです。
血糖値スパイクや高血糖を起こさないためには、日常的に糖質が控えめな食事を心がける必要があります。何をどう食べると血糖値が上がりにくくなって、何が血糖値スパイクを起こすのか? それを頭に入れておくことは「老いを止める」ことに役立ちます。
具体的な食事法については拙著『老いは止められる』(エクスナレッジ)で紹介していますので、ぜひこちらも参考にしながら、脱・老化生活を始めてください。

  • 池谷 敏郎(いけたに・としろう)
  • 池谷医院院長、医学博士
  • 1962年、東京都生まれ。東京医科大学医学部卒業後、同大学病院第二内科に入局。97年、医療法人社団池谷医院理事長兼院長に就任。専門は内科、循環器科。現在も臨床現場に立つ。生活習慣病、血管・心臓などの循環器系のエキスパートとしてメディアにも多数出演している