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ワクチン陰謀論を煽って金に換えたい人々の思惑

2022-01-04 15:30:00 | 日記
下記の記事は東洋経済様のホームページからお借りして紹介します。(コピー)です。 記事は少し古いですがこんなこともあるとご参考までに。

7月17日、福島県相馬市がコロナワクチンの集団接種を終了した。ご縁があり、私も相馬市が立ち上げた「新型コロナウイルスワクチン接種メディカルセンター」の顧問として、接種を手伝っている。このため、私のもとには、相馬市からワクチン接種の進行状況について、定期的に報告が届く。
相馬市によれば、65歳以上9285人、16~64歳以下1万3894人がワクチンを打ち、この年代の希望者の95.0%、94.1%に相当する。この年代の人口に直せば、それぞれ89.5%、81.4%だ。相馬市では16歳以上の人口の84.4%がワクチンを打ったことになる。相馬市の人口は3万4041人(相馬市ホームページより、今年6月現在)だから、全市民の68%が接種を終了しており、集団免疫を確保したと言っていい。
相馬市は中学生を対象に接種も
相馬市で興味深いのは、中学生を対象とした接種を進めていることだ。相馬市は、市が準備する会場での集団接種、市内の公立病院での個別接種、接種を希望しないという3つの選択肢を準備し、保護者に文書で意向を確認した。この結果、61.1%が集団接種、13.9%が個別接種、13.6%が接種しないと回答し、11.5%は回答しなかった。相馬市は、このような形で、それぞれの意志を尊重し、75%の希望者に対しては、夏休みの間に接種する方向で調整を進めている。
世界中でコロナワクチン接種の対象者は拡充されている。日本でも、ファイザー製ワクチンの接種対象年齢が、5月に12歳以上に引き下げられているし、モデルナ製ワクチンについても、7月19日に厚労省の専門家部会が、12歳以上への引き下げを承認した。
このような動きが続くのは、変異株の登場とともに若年者の感染が増えているからだ。6月4日には、アメリカ疾病対策センター(CDC)が、今年3~4月の流行で、12~17歳の入院が人口10万人当たり、それ以前の0.6人から1.3人に増加していること、および1~3月の小児入院患者の204人の病歴を調査したところ、31.4%が集中治療室に入院、5%が人工呼吸管理が必要だったと発表した。
この頃から、小児は感染しにくく、万が一、感染してもほぼ軽症で済むという楽観論は消え去り、小児に対するワクチン接種が議論されるようになった。
さらに、最近は後遺症も議論されるようになった。6月23日、ノルウェーの研究グループがイギリス・『ネイチャー・メディスン』に発表した研究では、16歳から30歳の若年者の52%で、感染後に、味覚障害や嗅覚障害、息切れ、さらに集中力や記憶力の低下などの症状が続いていた。
ところが、この状況でもワクチン接種を進めることは難しい。それはアンチワクチン運動が盛り上がるからだ。一部の人々が、ワクチンの危険性や陰謀論を声高に叫び、多くの国民が不安になる。いったん、アンチワクチン運動が盛り上がると、政府や専門家がいくら説明しても無駄だ。2013年のヒトパピローマウイルス(HPV)の副反応騒動など典型例だ。厚労省は積極的接種勧奨を止め、70%を超えた定期接種率は1%を下回った。
日本は「世界で最もワクチンが信頼されていない国」
日本には、このようなアンチワクチン運動が盛り上がりやすい土壌がある。このことは世界的にも有名で、イギリス・ロンドン大学の研究チームが世界149カ国から30万人を対象に、ワクチンの信頼度を調査した研究成果をイギリスの医学誌『ランセット』に発表したが、日本は「世界で最もワクチンが信頼されていない国」と評された。
なぜ、日本でワクチンの信頼度が低いのか。それは、国家の信頼度が低いからだ。詳細は省くが、われわれは、国家の信頼度とワクチンの信頼度が相関することを、『ランセット』2020年1月5日号に発表した。国家の信頼度が低い国の多くが第2次世界大戦で、国土が戦場あるいは占領されていたことは示唆に富む。北欧諸国の国家への信頼度は高いが、バルト三国の信頼度は低いことなど、このような視点から考えれば納得がいく。
ワクチン接種は国家の公衆衛生事業だ。政府の信頼度が影響してもおかしくはない。日本のワクチン接種が難航するのは、日本の近代史が関係している。このような背景を知れば、コロナワクチン接種も一筋縄ではいかないと考えねばならない。よほどうまくやらない限り、アンチワクチン運動が盛り上がり、接種は停滞する。
アンチワクチン運動が広がるのは日本だけではない。コロナ流行以前から重大な問題だった。世界保健機関(WHO)は、2019年の世界の公衆衛生学的問題の10大リスクの1つにアンチワクチン運動を挙げている。
世界はなりふり構わない。アンチワクチン運動が盛り上がるまでにワクチンを打ちきろうとしている。その筆頭がアメリカだ。6月2日、バイデン大統領は「国を挙げて行動する月」を宣言し、ワクチン接種を受けた人に抽選で100万ドルが当たる「ワクチンくじ」を実施することを発表した。それ以外にも、飲食産業がワクチン接種証明を提示した客には無料券を提供したり、野球のメジャーリーグも、球場周辺にワクチン接種会場を設け、接種を済ませた人は無料で観戦できるようにしたりして、官民を挙げてワクチン接種を進めた。
インセンティブでワクチン接種を進めるのは、政治家や実業界だけではない。アメリカ疾病対策センター(CDC)によれば、ワクチン接種を完了した人は、病院や交通機関などを除きマスクを装着したり、ソーシャルディスタンスを維持したりする必要がないと表明しているが、これは形を変えたインセンティブだ。
景品を用いてもワクチン接種は加速しなかった
では、その効果は、どの程度だろうか。これについても、実証研究が行われている。7月2日、『米国医師会雑誌(JAMA)』は、オハイオ州で、景品とワクチン接種率の関係を調べ、景品を用いてもワクチン接種は加速しなかったと報告している。
最近、アメリカはやり方をかえている。それはいわば「脅迫」に近い。7月5日、アメリカ国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長が、NBCの番組「ミートザプレス」に出演して、「先月の死亡者のうち99.2%がワクチンを接種していなかった」と発言したことが、日本国内でも広く報じられた。ファウチ氏の正確な意図はわからないが、彼が、この時期に発言したのは興味深い。
なぜ、ここまでアメリカがワクチン接種を急ぐのか。繰り返すが、それは、アンチワクチン運動が盛り上がる前に、ワクチン接種を進め、集団免疫を獲得したいからだ。日本の医学界では、アンチワクチン運動について、あまり議論されることはないが、世界は違う。
昨年10月、イギリスの『ランセット・デジタルヘルス』は、この問題について総説を掲載し、その背景を解説している。この論考について、日本の雑誌では『選択』が、今年7月号に「日本のサンクチュアリ ワクチン『忌避者』 集団免疫を妨げる『反対運動』」という記事の中で解説している。
『ランセット・デジタルヘルス』の論考で興味深いのは、アンチワクチン運動の関係者を、ワクチンへの不信感を高めようとする活動家、起業家(ビジネスマン)、陰謀論者、SNSのコミュニティーに分類していることだ。ナチュラリストなど、信念をもってワクチンに反対する人はごく一部で、活動家・ビジネスマン・陰謀論者などが「道具」として活用し、それがSNSなどを通じて拡大していく。
この構造は日本も同じだ。「ワクチン」「コロナ」「危険」「政治家」でグーグル検索すれば、1180万件がヒットする(2021年07月25日時点)。その中には「ワクチンは殺人兵器」と主張する福井県議をはじめ、さまざまな主張が紹介されている。
政治活動に結び付ける動きも
アンチワクチンを政治活動に結び付けて選挙に出るような動きもある。「コロナワクチンにはマイクロチップが入っていて、5G電波で操られる。打てば5年で死ぬ」などと発信している政治家もいる。
アンチワクチン活動が、知名度をあげ、カネになるのは政治家だけでない。医師の中にも、ワクチンに反対する人がいる。その人たちにはさまざまな営利企業が接触する。
ボストン在住の内科医で、現在、日本に帰国して集団接種に従事している大西睦子医師は、「知人の編集者から、ワクチンの危険性を紹介する本を書きませんか。いま出せば、必ず売れる」とオファーされたそうだ。大西医師は多数の著書があり、世間から信頼が厚い医師だ。彼女がコロナワクチンの危険性を訴えれば、影響力は大きい。大西医師は、この提案を断ったが、著名な医師の中には、ワクチンの危険性を強調する人もいる。
実際に商業出版がなされているある書籍では、アマゾンに掲載された説明の冒頭に、さまざまなワクチンのリスクが具体的に延々と書かれている。ただ、いずれも医学的には正しいが、その頻度を考えれば、あまりにバランスを書いた記載だ。どこまでが医師の意向で、どこからが本を売るための編集者の意向かはわからないが、こんな文章を読まされて、不安になるなというほうが難しい。
では、どうすればいいのか。世界では、こんなことにまで実証研究が進んでいる。5月24日、『米国医師会雑誌(JAMA)』は「信頼とワクチン接種、アメリカにおける10月14日から3月29日の経験」という論文を掲載した。興味深いのは、この論文の著者が、アイルランドとイギリスの医師たちであることだ。世界中がアメリカのアンチワクチン運動に注目していることがわかる。
論文の結論は至極真っ当
しかしながら、論文の結論は、至極真っ当なものだった。論文では、当局がワクチンを適切な手続きを経て承認し、接種を粛々と進めることで、ワクチンへの信頼が醸成されたと結論づけている。
画像をクリックすると、長期戦の様相を呈してきたコロナ禍の今を追う記事一覧にジャンプします
実は、これこそ、冒頭でご紹介した相馬市がやったことだ。アンチワクチン勢力からの反発を恐れず、科学的なエビデンスに基づき、行政が、接種希望者に対して、淡々とワクチン接種を進めた。相馬市在住の友人は「子どもにワクチンを打つことは不安でしたが、自分自身が接種して、大きな問題が起こらなかったし、何よりも安心できたので、子どもにも勧めました」という。
コロナ対策に王道はない。粛々とやるしかない。アメリカや相馬市の経験は参考になる。
上 昌広 : 医療ガバナンス研究所理事長

ネット炎上参加者「実は高年収」という仰天実態

2022-01-04 13:30:00 | 日記
下記の記事は東洋経済様のホームページからお借りして紹介します。(コピー)です。

ネットを見ていると、「極端な人」に高頻度で出会う。「コイツ頭おかしいだろ」「○○は人間の最下層だ」――。このような罵詈雑言は、わざわざ探そうと思わなくても、否応なしに目に入ってくることがある。
ネット上に誹謗中傷や批判あふれる現象―ネット炎上―は、年間1200件程度発生している(デジタル・クライシス総合研究所調べ)。1年は365日しかないので、1日あたり3回以上、どこかで誰かが「燃えている」のが現実といえる。
最近世間をにぎわせている新型コロナウイルスも、この不寛容さを加速させる。ひとたび感染が報じられれば、あたかも感染者が罪人かのようにバッシングされる。SNSや掲示板では、感染者やその家族の個人情報を拡散され、熾烈な誹謗中傷攻撃が始まる。4月の炎上件数は、前年同月比でなんと3.4倍に増加した。
「自粛警察」という言葉を聞いたことのある人も多いだろう。自粛警察とは、緊急事態宣言の下で外出や営業の自粛要請に応じない個人や企業に対し、通報する・中傷ビラを貼る・電話をする・ネットで攻撃するなどで、私的に取り締まりを行う人たちのことだ。
こうしてみると、「極端な人」が、時にSNS上の誹謗中傷投稿者として、時に自粛警察として、時にネット炎上に加担する人として、その力をふるっているように見える。
その影響は甚大だ。進学・結婚が取り消しになった人、活動自粛せざるをえなくなった芸能人、倒産してしまった企業……中には、誹謗中傷を苦に亡くなってしまうような例もある。
拙著『正義を振りかざす「極端な人」の正体』では、このように社会に大きな影響を与える「極端な人」がどういった人でどれくらいいるのか、なぜ極端な態度になるのか。その正体に、事例分析とデータ分析から迫っている。
「極端な人」は低学歴の引きこもり?
「極端な人」というのは、どういう人たちなのだろうか。年がら年中ネットをしている、低学歴のひきこもりの人だろうか。あるいは、比較的時間があってネットにも精通している若い学生だろうか。
その「正体」を追うのに、いくつか適した事例がある。例えば、「弁護士懲戒請求問題」では、被害にあった弁護士が「極端な人」の正体に触れている。
弁護士懲戒請求問題は、東京弁護士会が「朝鮮学校への適正な補助金交付を求める会長声明」を出したことを快く思わなかった人々が、特定の弁護士に約1000通の懲戒請求を送った事例である(ちなみに、被害にあった弁護士は声明と関係がなかった)。
この弁護士は、損害賠償請求訴訟を提起することになるわけだが、その結果明らかになったのが、懲戒請求を送ったのは若い人どころか、なんと高齢者がほとんどということであった。これについては、被害者となった弁護士も意外だったようで、「驚くことに」と表現している。
ほかに、お笑い芸人のスマイリーキクチさんがある凶悪事件の犯人というデマをもとに、長年にわたり心無い誹謗中傷を受け続けた事件でも、「極端な人」の素顔がわかっている。この事件では19人が書類送検されたが、彼らは年齢も性別も職業もバラバラであり、サラリーマンから妊娠中の主婦まで、多種多様な属性であったらしい。
新型コロナウイルス関連でもある。ネット掲示板に大阪府知事への殺害予告を書いた男性が、脅迫容疑で大阪府警に逮捕された事件では、年齢は35歳、飲食店経営というプロフィールがわかっている。動機としては、休業要請に応じないパチンコ店の店名を、知事が公表したことへの不満とみられている。
炎上参加者は「年収が高い」
誰が「極端な人」なのか。私が2014年と2016年に実施した、それぞれ2万人と4万人のデータを使ったネット炎上に関する実証研究も、「極端な人」の驚くべき実態を示している。
なんと、「男性」「年収が高い」「主任・係長クラス以上」といった属性であると、炎上に参加する(書き込む)傾向にあるという結果になったのだ。事例だけでなく、データ分析結果からも、旧来言われていたような「極端な人」の属性が、的外れだったことが示されたといえる。
まず、「男性が多い」という点について見てみると、炎上参加者の7割は男性であった。社会においても、この調査においても男女比はほとんど半々であることを考えると、この偏りは大きい。
次に、年収を見てみよう。世帯年収を比較すると、炎上参加者の世帯年収は平均して670万円であったのに対し、炎上に参加していない人は平均して590万円であった。つまり、炎上参加者のほうが、世帯年収が80万円も高かったのである(図1)。

最後に、炎上参加者の肩書の内訳を見ると、図2のようになる。これを見ると、肩書が非常にばらけていることがわかるだろう。主任・係長クラス以上が31%、一般社員が30%、個人事業主・店主が9%、無職・主婦・バイト・学生が30%だ。

しかしこれを、炎上に参加していない人の肩書と比較するとその傾向が見えてくる。なんと、炎上に参加していない人の中では、主任・係長クラス以上の役職の人は18%しかいなかったのである。
自分の中の正義で他人を裁く
データ分析から「極端な人」の正体が明らかになってきた。しかし気になる点が1つある。それは、なぜこのような人たちが「極端な人」となって過剰な批判や誹謗中傷を書いてしまうのかという点だ。
私がその「動機」について研究したところによると、どのような炎上事例でも、書き込んでいる人の60~70%の人が「許せなかったから」や「失望したから」といったような、正義感から書き込んでいることがわかった。
「他人を誹謗中傷したり、極端な言説で罵倒したりすることが正義なのか!」と思う人もいるかもしれない。しかしここで注意しなければいけないのは、これは社会的正義ではなく、あくまで個人個人が持っている軸・価値観での正義感であるということである。
正義感とは、人によってバラバラである。ある物事を許せる人もいれば、まったく気にしない人もいる。ある物事を不快に感じたときに、それがたとえ第三者のまったく関係のない人であったとしても批判したり誹謗中傷したりするのが正しいと思う人もいれば、第三者に対してそのようなことをしない人もいる。
結局、「極端な人」というのは、己の中の正義に従って他者に攻撃を加えている、不寛容な人なのである。実際、先述のスマイリーキクチさんの事件でも、デマを信じて「正義感からやった」と供述している人がほとんどだったようだ。
中には、毎朝決まった時間に必ず投稿するような人もいたようである。その人は普通のサラリーマンだったという。そのような行為をしていた理由は、凶悪犯人についてネット上で言及することで社会に貢献できると考えていたかららしい。
正義による快楽の連鎖
ここまで明らかになった炎上参加者の属性や書き込んでいる動機から、炎上の1つの姿が見えてくる。このような人々は、それなりに知識があり、情報に触れる機会も多い。分析では、ラジオ聴取時間が長いといったような特徴も出ていた。
そのように知識がある中で、政治やジェンダーなど、関心のある問題に対して確固たる信念や、ロジックを抱くようになる。○○は正しい、△△は間違っている……。
そして、そのような自分の考えと異なる発言を見たときに、批判をする。批判をするだけならばよいが、一部の「極端な人」は、そこから感情的に人格攻撃までしてしまうというわけだ。
そしてもう1つ、企業の不正行為や、一般人の悪ふざけ、芸能人の不祥事などに対しては、「悪いことをしている人(企業)を叱りつけている」ということがある。「こんな人・企業には制裁を加えなきゃいけない」「こういうことをする人は教育しなきゃいけない」。こういう気持ちで、心無い言葉を大量に書き込んでいくのである。
「正義中毒」という言葉がある。脳科学者の中野信子氏は、人間は正義感をもとに他人に制裁を科すと、快楽物質「ドーパミン」が分泌されることを指摘している。この快楽に溺れてしまうと、やがて極端に不寛容になり、他人を許さずに正義感から裁くことで快楽を得ようとし続けてしまう、正義中毒になるというわけである。
しかも、この正義感から裁く快楽は、ネットは現実社会よりも強いものとなる。なぜならば、ネットには自分と同じようにその人・企業を「許せない」と思い、同じように正義感から攻撃を仕掛けている人が少なからず存在するためだ。仲間と共に悪に対して正義の裁きを下している図式になるわけである。
思い思いの正義感から寄ってたかってバッシングを加える――。これは私刑(リンチ)と変わらない。
満たされていない「極端な人」たち
先述の調査結果で判明した属性を聞くと、なぜそのような人が「極端な人」になるのか、と疑問に思う人もいるかもしれない。
しかし、そのような属性と、その人が満たされているかは実はそれほど関係がない。家庭内で不和を抱えているかもしれない。若いときは目標をもっていろいろ取り組んでいたが、今はただ日々の降ってくる業務に追われているだけかもしれない。

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実は、近年の研究では、年収や健康といった環境が幸福感に与える影響は限定的であることがわかっている。より重要なのは、自分で何かをなそうとするなどの自分を主体とした変化や、人間関係のようだ。特に重要なのは家族など親密な人たちとの関係であり、端的にいえば幸福には愛が必要なのである。
つまり、人間関係がうまくいっていなかったり、能動的に物事に取り組んでいなかったりする人は、たとえ外面上は人からうらやましがられるような立場でも、内面では満たされているとは言いがたい状態なのだ。
常磐道あおり運転事件で逮捕された容疑者からも、そのような傾向が見られる。当該事件の容疑者は会社経営者であり、親族が所有するマンションを受け継いで不動産の管理や賃貸業をしていた。さらに、高級外国車を乗り回し、インスタグラムには高級な飲食店の写真を載せ、ぜいたくな暮らしをしていたらしい。
その人が、あおり運転をした揚げ句、被害者男性に対して数発殴打を繰り返すような「極端な人」だったのである。
以前、私が企業のエグゼクティブ向けに講演をしたときに、その聴衆の1人から興味深い話を聞くことがあった。曰く、その人の知り合いの他社のエグゼクティブが、まさにネット炎上に積極的に参加しており、かつ、それを自慢げに「正してやった」と言ってくるらしい。
その理由についてその方は、「ある程度成功を収める一方で、定年も見えてくるなか、自分の限界が見えてきて不満を感じているのではないか」と考察していた。「極端な人」とは、一見すると幸せそうに見えても、実はまったく満たされていない人たちなのである。
山口 真一 : 国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授


健康は質のよい睡眠から!ぐっすり眠るコツ7選

2022-01-04 12:00:00 | 日記
下記の記事はハルメクWeb様のホームページからお借りして紹介します。(コピー)です。

健康を維持するには、やっぱり寝ることが一番。ハルメクWEBの人気コーナー「素朴な疑問」から、ぐっすり眠るためのコツを集めました。気持ちよく眠れば、元気に1日のスタートが切れますね。

目次
  1. ぐっすり眠る、快眠のための5つの方法とは?
  2. 22時~2時が睡眠のゴールデンタイムって本当?
  3. 睡眠時の理想的な姿勢とは?
  4. 寝る前に飲むといい飲み物って何?
  5. 寝ているとき足がつるのはどうして? 対処法は?
  6. オルゴールの音に睡眠効果があるって本当?
  7. 冷え性だから「靴下を履いて寝る」は間違い?
ぐっすり眠る、快眠のための5つの方法とは?

快眠を得るために知っておきたいポイントをご紹介します。
  1. 朝の光を浴びることで、睡眠を促すホルモン「メラトニン」の分泌が止まり、体内時計がリセットされます。また、朝食を食べることで、体内時計が整い、結果的に夜眠りやすくなります。
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  3. 寝る2~3時間前には食事を済ませて、内臓をしっかり休めることが大切です。寝る直前に食べると胃腸が休まらず、睡眠が浅くなってしまいます。また、寝る前にカフェインを取るのは控えましょう。
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  5. 寝る前に体温を上げておくと、体温が下がったときに睡眠に入りやすくなります。シャワーで済ませるのではなく、就寝する1~1時間半前に40℃程度のぬるめのお湯に20分ほど漬かりましょう。入浴剤やボディークリームなどでお気に入りの香りを楽しむのもいいですね。
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  7. ストレッチで体を伸ばします。家にいる時間が多いと、どうしても体がこわばってしまいます。しっかりストレッチしておくと、よく眠れるだけでなく、疲労回復効果も期待できます。
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  9. 寝る2時間ほど前から、PCやスマホを見るのは控えましょう。PCやスマホが発するブルーライトは、眠気を誘うホルモンである「メラトニン」の分泌を抑えてしまいます。
 
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22時~2時が睡眠のゴールデンタイムって本当?

睡眠のスペシャリストとして知られる国立精神・神経医療研究センターの三島和夫さんによると、成長ホルモン分泌のカギを握っているのはゴールデンタイムではなく「メジャースリープ」。メジャースリープは「ノンレム睡眠とレム睡眠の構造」のことを指す専門用語です。
健康な睡眠では、「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」という二つの睡眠状態を90分おきに交互に繰り返しているといわれています。「ノンレム睡眠」は、脳も体も休んでいる状態。「レム睡眠は」、体は休んでいるけれど脳は起きている浅い眠り。睡眠の始めの方に特に脳をしっかり休める深い睡眠(ノンレム睡眠)が出て、後半になるにつれて眠りは浅くなっていきます。このような睡眠の一連の構造が「メジャースリープ」と呼ばれています。この「メジャースリープ」の維持が大切なのです。
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睡眠時の理想的な姿勢とは?

睡眠の質をアップさせて快眠できる姿勢はというと、やはり横向き。横向きに寝ると気道が楽になり呼吸しやすくなるので、いびきや無呼吸症候群の予防になります。腰にも負担がかかりません。
特に横向きでも右を下にして眠ると、胃腸の動きがスムーズになるため、消化吸収がよくなって熟睡できるんだとか。また内臓の中でも重量のある肝臓が下にくるので他の臓器を圧迫せず、心臓が上にくるので全体の血流がよくなるそうです。
睡眠の質を高める理想的な睡眠姿勢と考えると、「横向きで右を下にする」といえそう。下になった右手を枕に添えて、左手は少し下に置き、足は重ならないようにずらすと体を圧迫しないので血流アップにも効果的です。
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寝る前に飲むといい飲み物って何?

寝る前にいい飲み物は、カフェインやアルコールで脳が興奮しないよう、ノンカフェイン、ノンアルコールを条件にして選びましょう。
ハーブティーが好きな方には、カモミールティーがおすすめです。飲み応えがほしいなら、香ばしいゴボウ茶なんていかがでしょう? 酵素が豊富なルイボスティーやビタミンたっぷりのローズヒップティーは、アンチエイジング効果が期待できます。
お茶よりコーヒーが好きな方には、たんぽぽコーヒーや玄米コーヒーがおすすめです。コーヒーではありませんが、コーヒーのような風味が味わえるノンカフェインの飲み物です。妊婦さんや授乳中の女性向けに市販されているノンカフェインコーヒーもありますので、試してみるのもいいですね。
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寝ているとき足がつるのはどうして? 対処法は?
 

こむら返りの原因はまだはっきりとは解明されていませんが、冷え・ミネラル不足・筋肉疲労・運動不足が主な原因として挙げられています。また、足のむくみにも関係があるとされ、妊娠中の女性はこむら返りが起こりやすいそうです。
こむら返りになってしまったときには、ふくらはぎを伸ばすことが重要です。足を伸ばして座り、かかとを前に突き出して爪先を手前に引っ張るストレッチをしましょう。爪先を手でつかむのがつらい人は、タオルを足に引っ掛けて引っぱってもオーケーです。
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オルゴールの音に睡眠効果があるって本当?

自然界には人間の耳では聞き取れない非常に高い周波数や、非常に低い周波数の音が存在しているそうです。ワタシたちがそれらを聞くと、「脳幹」の血流が活発になるそう。
脳幹は呼吸器系、神経系、ホルモン系など諸器官の働きをつかさどっている重要な器官です。音の効果で脳幹が刺激され、血流が活発になることで、自律神経のバランスが整ったり、ホルモンの分泌がよくなったりします。また、副交感神経が優位になり、リラックスしやすい状態になるのです。その結果、質のよい睡眠が取れるということが化学的に証明されているそうです。
そうした耳では聞き取ることができない高周波や低周波を発しているのはどこかというと、森や川、海など自然の多い場所。「疲れたな」「リラックスしたいな」と思ったとき、自然に触れたくなるのはそのせいかもしれませんね。とはいえ、都会で忙しく暮らしていると、なかなか自然と触れ合えない場合があります。そこで、注目されたのがオルゴールです。
人間の耳が聞き取れる周波数は20〜2万Hz(ヘルツ)の音といわれていますが、オルゴールの音色にはなんと3.75〜10万2000Hzという非常に幅広い周波数が含まれているそうです。その音色を聞くことで脳幹が刺激を受け、知らず知らずのうちに自律神経を整えてくれたり、心身をリラックスした状態に導いてくれるのです。これがオルゴールの音を聞くと眠くなる理由です。
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冷え性だから「靴下を履いて寝る」は間違い?

人は寝ている間に、およそコップ1杯ほどの汗をかくといわれています。靴下を履いたまま寝ると、汗が持つ体温調節の機能により体温が下がり、足が冷えてしまうのだそうです。靴下で足を温めるはずが、逆効果になるのですね。
また、人の脳は、体内の体温が下がることにより眠気を感じますが、靴下を履いて寝ると、体の熱を放射するはずの手足に熱がこもります。そのせいで、体内の熱が下がらず眠気を感じる機能の働きを妨げ、不眠や熟睡できない原因になるのだそう。このような理由から、靴下を履いたまま寝るのはよくないとする説もあります。
足の冷えを防ぐために靴下を履いて寝たいときは、シルク素材の靴下がいいそうです。シルクは、吸湿性と放湿性がよいため、寝ている間にかいた汗をうまく逃してくれます。熱がこもることがないので、汗で足が冷えるようなことがありません。また、足首を締め付けないようゆったりサイズの靴下を選ぶことも大事です。

ネット上で盛り上がる「愛子天皇待望論」 女性天皇はこれまで8人 波瀾万丈の人生を専門家はどう見ているか

2022-01-04 11:00:00 | 日記
下記の記事はデイリー新潮オンライン様のホームページからお借りして紹介します。(コピー)です。


愛子さま(他の写真を見る)

予想された通り、ネット上では異論や反論が相次いだ。「安定的な皇位継承の在り方を検討する政府の有識者会議」(座長=清家篤・元慶応義塾長)は12月22日、最終報告を決定した。
***
【写真】涙を誘う――愛おしいまなざしで愛子さまを見つめられる雅子さま
最終報告書では「【1】女性皇族が結婚後も皇室にとどまる」「【2】旧宮家の男系男子が養子として皇籍復帰する」の2案を軸とした。担当記者が言う。
「有識者会議は女性・女系天皇の問題は態度を明らかにせず、議論を先送りとしました。そのため一部の全国紙や野党の国会議員などから、『先送りにする余裕はないはずだ』といった批判が出ました」
更にネット上では、以前から「愛子天皇待望論」が盛り上がっている。これも最終報告書の不評につながったようだ。
「愛子さま(20)が即位された場合、『女性天皇』が誕生することになります。世論調査を見ると、『女性』と『女系』の区別が理解できていない人も、かなりの数にのぼるようです。『愛子天皇待望論』は、小室眞子さん(30)と圭さん(30)の結婚に反対する世論とも密接な関係があるでしょう。SNSなどでは依然として秋篠宮家に対する批判が根強く、悠仁さま(15)ではなく愛子さまに期待するという“ネット世論”の活発化につながっています」(同・記者)
女性天皇と女系天皇
とはいえ率直に言えば、やや近視眼的な思考から「愛子天皇待望論」が生み出されている可能性は否定できない。
「皇室の長い歴史を振り返ると、実在が確認されている女性天皇は8人になります。そのうち2人が、退位後に再び即位する『重祚(ちょうそ)』を行いました。そのため女性天皇は8人10代と数えられています。8人のうち6人は、6世紀末から8世紀後半、いわゆる飛鳥時代(592~710年)と奈良時代(710~794年)に集中しています。残る2人は江戸時代(1603~1868年)で、3代将軍の徳川家光(1604~1651)と10代将軍の家治(1737~1786)の治世に即位しました」(同・記者)
現在まで「男系天皇」が維持されてきた。もし女性天皇が一般の男性と結婚し、生まれた子供が即位したとすれば、「女系天皇」が誕生することになる。
「しかし『女系天皇』は1度も誕生したことがありません。そもそも国民の大多数が、8人の女性天皇に関して、ほとんど知らないように思います」(同・記者)
ならば8人の女性天皇が、どのような経緯で即位したかを振り返ってみよう。
初の女性天皇は、第33代の推古天皇(554~628)だ。
「父は第29代の欽明天皇(509?~571)で、聖徳太子として知られる厩戸皇子(574~622)から見ると、推古天皇は叔母にあたります。異母兄である第30代の敏達天皇(538?~585)と18歳で結婚しました。2男5女をもうけますが、夫である敏達天皇が585年に崩御してしまいます」(同・記者)
敏達天皇の次に即位した第31代・用明天皇(?~587)は在位2年で崩御。当時の皇室は権力闘争が激しく、続く第32代・崇峻天皇(553?~592)は暗殺されてしまう。
「蘇我馬子(551?~626)らが要請し、593年に推古天皇が第33代の天皇に即位しました。日本書紀には、女性皇族が摂政に就いたり、ごく一時的に即位したりといった記述もありますが、現在、明らかになっている歴史的事実としては、推古天皇が史上初の女性天皇です。聖徳太子を後押しし、冠位十二階、十七条憲法、遣隋使の派遣、法隆寺の建立など、まさに日本史に残る重要な施策を行いました」(同・記者)
皇極天皇と中大兄皇子
2人目の女性天皇である第35代の皇極天皇と37代の斉明天皇(594~661)は同一人物だ。もともとは第34代の舒明天皇(593~641)の皇后だった。
「夫だった舒明天皇が崩御しても、後継者が決まりませんでした。そこで皇后が皇極天皇として、642年に即位したのです。中大兄皇子──第38代・天智天皇(626~672)──の母親でもありました。彼が大化の改新を行うと、645年に第36代の孝徳天皇(596~654)に皇位を譲りました。これが史上初の天皇の譲位(退位)です。ところが孝徳天皇が崩御したため、655年に再び即位して斉明天皇となりました。こちらは史上初の重祚と言われています」(同・記者)
3人目の女性天皇は、第41代の持統天皇(645~703)だ。第40代の天武天皇(?~686)の皇后だった。
「685年頃から天武天皇は病気がちになり、『政治のことは皇后と皇太子に報告せよ』と命じましたが、689年に皇太子だった草壁皇子(662~689)が病死。後に第42代の天皇となる文武天皇(683~707)を後継と決めますが、当時はまだ7歳。天武天皇が697年に崩御すると、皇后が持統天皇として第41代の天皇に即位しました」(同・記者)
独身で即位した女性天皇
病死した草壁皇子の妻であり第42代・文武天皇の母が、4人目の女性天皇となった第43代の元明天皇(661~721)だ。
「707年に25歳で崩御した文武天皇の後継は、第45代の聖武天皇(701~756)と決まっていましたが、まだ6歳と幼かったことから、母である元明天皇が即位しました。藤原不比等(659~720)を重用し、和同開珎の鋳造や平城京への遷都など、歴史的な施策を進めました」(同・記者)
715年、元明天皇は退位する。だが、聖武天皇はまだ10代半ばだった。依然として時期尚早と、元正天皇(680~748)が第44代の天皇に即位する。
5人目の女性天皇である元正天皇は、父が草壁皇子で母が第43代の元明天皇。結婚経験がなく、独身で即位した初めての女性天皇だった。
「母が第43代の元明天皇、娘が第44代の元正天皇と、母から娘に皇位が継承されたのは皇室史上唯一の例です。在位中の723年に、開墾地の私有を認める三世一身法が制定されました。律令制が制度疲労を起こしてきた時期に即位した女性天皇となります」(同・記者)
孝謙天皇と道鏡
第46代の孝謙天皇と重祚による第48代の称徳天皇(718~770)が、6人目の女性天皇だ。父は第45代の聖武天皇になる。孝謙天皇から、道鏡(700?~772)を思い出した人もいるだろう。
「聖武天皇は男子に恵まれなかったため、史上唯一の女性皇太子でもありました。聖武天皇から譲位され、749年に孝謙天皇として即位しました。758年に第47代の淳仁天皇(733~765)に譲位し、孝謙上皇となります。この時代、病に伏せった上皇が、僧侶の道鏡の看病を受けたエピソードは有名です。これをきっかけに、孝謙上皇は道鏡を寵愛するようになりました」(同・記者)
764年、孝謙上皇に反旗を翻す藤原仲麻呂(706~764)の乱が勃発する。しかし、上皇は事前に計画を察知し、藤原仲麻呂は制圧され殺される。淳仁天皇は廃位となり、流刑となった。
「孝謙上皇は天皇に復位し、称徳天皇となりました。道鏡の寵愛は変わりませんでしたが、770年に病臥すると、崩御するまで道鏡と会うことはありませんでした。道鏡の権威は失墜して失脚。下野国(現在の栃木県)に左遷されました」(同・記者)
悲劇の明正天皇
これから約850年の間、女性天皇が即位することはなかった。
7人目の女性天皇は、1629年に即位した第109代の明正天皇(1624~1696)。父は先代である第108代・後水尾天皇(1596~1680)、母は第2代将軍・徳川秀忠の五女・徳川和子(1607~1678)。徳川将軍家を外戚とした唯一の天皇だ。
「女性天皇が久しぶりに誕生した直接的な背景は、後水尾天皇に男子が恵まれなかったからです。しかし、真の原因は、この頃、徳川幕府と朝廷が対立関係にあったためです。幕府は朝廷への統制を強めており、その象徴が1615年に制定された禁中並公家諸法度でした。後水尾天皇は半ば嫌がらせのような形で、幕府には一切伝えずに退位し、娘を即位させて明正天皇が誕生したのです」(同・記者)
その時、明正天皇は何と数えで7歳、満年齢だと5歳だったという。この年齢では天皇としての職責が果たせるはずもなく、後水尾天皇が院政を敷いていたと考えられている。
「その後、幕府と朝廷は和解し、1642年、明正天皇は21歳で譲位します。ところが、第3代将軍の徳川家光(1604~1651)から、かなり厳しい外出や面会の制限を課され、監禁に近い状態に置かれました」(同・記者)
激動の時代に直面
8人目の女性天皇は、第117代の後桜町天皇(1740~1813)。現在のところ最後の女性天皇ということになる。
「1762年に第116代の桃園天皇(1741~1762)が崩御します。2人は母親は異なるものの弟と姉という間柄でした。第118代の後桃園天皇(1758~1779)が即位することは決まっていましたが、まだ5歳と幼く、宮廷内で対立もありました。そこで近衛家や一条家といった、いわゆる五摂家が秘かに対策を練り、桃園天皇の遺言という口実で、後桜町天皇の即位が決まるのです」(同・記者)
歴史学者で皇學館大学文学部教授の松浦光修氏は、こう語る。
「総じていえば、皇位継承を巡って何らかのトラブルが発生し、『とにかく次代に皇統を正しく繋ぐ』ことを要請されて、女性天皇は即位されました。ある意味では、歴史の激動期に向かい合うことを余儀なくされ、皇統の男系継承の伝統を守るため、重責を担った女性たちとも言えるのではないでしょうか」
8人の女性天皇で、即位してから子供をもうけた例はない。もしそのようなことが起これば、更に皇位継承の問題が複雑化することを熟知していたからだろう。
後桜町天皇の和歌
これを現代の観点から「恋愛や結婚、出産の自由を阻害されていた」と指摘することも可能ではある。
「実際、女性天皇は、宮中でも様々な困難に直面していたと考えられます。一例を挙げれば、宮中祭祀です。神道では伝統的に『月の御障り』を忌みます。大相撲の土俵に女性が上がれない問題は、常に議論されています。天皇が自ら行う宮中祭祀のうち、その観念から女性天皇は祭祀を遠慮されていたのでしょう。江戸時代の女性天皇である明正天皇も、後桜町天皇も、宮中祭祀を遠慮されています。恐らく次代の男性天皇の即位までは、天皇が自ら行う祀(まつり)を中止されていた、ということではないでしょうか」(同・松浦教授)
何としても次代の天皇に“繋ぐ”ため、できる範囲で天皇としての職務を全うする──日常の仕事にも困難を感じていた女性天皇の姿が浮かんでくる。
最後の女性天皇である後桜町天皇は、和歌に秀でていたことでも知られる。約1600首とも言われる作品の中に、次のようなものがある。
「まもれなお 伊勢の内外(うちと)の 宮ばしら 天津日嗣(あまつひつぎ)の 末永き世を」
「この御製は、皇位継承が正しく続くよう、伊勢神宮の神に祈りを捧げられた和歌です。正しい皇位継承がどれほど難しいか、誰よりも実感したのは女性天皇かもしれません。ただし1点、注意が必要です。現代人が今日的な観点から、『女性天皇は政治的に利用されていた』とか、『大きな歴史の流れに翻弄された』と論評することは可能です。しかしながら、8方の女性天皇は、天皇であることの負担は感じていらっしゃったでしょうが、それよりも、悠久の皇統を守るという御自身の使命のほうをより強く感じ、その重責を誇りをもって遂行されていらっしゃったのではないでしょうか」(同・松浦教授)
道鏡の“隠し子”
皇族には、皇位継承の重要性が骨の髄までしみ込んでいる。そのため、歴代の女性天皇は即位にあたり、苦渋の決断や悲壮感という感覚は存在しなかったのではないか、と松浦教授は指摘する。
「ある意味、それをご自身の運命として受け止められ、ごく自然な気持ちで即位された可能性もあると思うのです。今の言葉を借りれば、皇位継承という“公”のほうが、“私”よりも重要だと考えていらっしゃったはずです。正しい皇位継承のため、できることなら何でもする、それは皇族としては当たり前のことである、という意識は、当然お持ちになっていらっしゃったのではないでしょうか」
女性天皇の歴史を辿ると、男系天皇を継続させようという天皇家の“強い意思”が浮かび上がってくるという。
「埼玉県行田市から出土した『稲荷山古墳出土鉄剣』の銘文を見ると、系図に記されている先祖の名前は全て男性です。古墳時代から男系継承の意識があったことが分かります。興味深いのは孝謙(称徳)天皇でしょう。寵愛されていた道鏡と男女の関係があったという推測は絶えませんが、2人の間に子供は生まれていません。他国の王室なら、子供が生まれて、その子供を巡る騒動が勃発していたでしょう。ですから孝謙(称徳)天皇にも、皇統の保持者は男系しかありえないという意識がおありだったのでしょう。やはり“公”と“私”は、きちんと区別されていたわけです。」(同・松浦教授)
デイリー新潮編集部

65歳以上では6人に1人!認知症をブロックする筋肉の「すごい力」

2022-01-04 08:30:00 | 日記
下記の記事はダイアモンドオンライン様のホームページからお借りして紹介します。(コピー)です。

「運動は健康によい」と言われる。その鍵を握っているのが、筋肉だ。筋肉は脳の指令を一方的に受け取るだけでなく、脳に大きな影響を及ぼすこともわかってきた。その脳と筋肉の間を取り持つのが、マイオカインという物質だ。果たして、どんなものなのだろうか。(マガジンハウス『ターザン』2021年6月10日号特集「運動は、なぜ脳に効くのか?」より転載)
筋肉が分泌する物質が
認知症をブロックする
メンタルの在り処は、突き詰めると脳。運動は、その脳にもさまざまな刺激を与えてくれる。その鍵を握っているのも、筋肉だ。
「筋肉は、脳の指令を一方的に受けるだけだと思われていましたが、筋肉も脳に大きな影響を及ぼすことがわかってきたのです」(筑波大学人間総合科学学術院の久野譜也教授)
脳と筋肉の間を取り持つのが、マイオカインという物質。筋肉を作る筋細胞が分泌するもので、筋トレなどの運動で増えてくる。
なかでも、イリシンというマイオカインは、脳の神経細胞を活性化。脳の活動性を高め、認知症の予防につながることが示唆される。現在、65歳以上の高齢者の認知症の有病率は16.7%。6人に1人に上るから、運動で認知症が抑制できるなら、何ともありがたい話である。
さらに大切なのは、運動を介して仲間を作り、会話を楽しむこと。
「人とのふれあいは脳を活性化する。8000人以上を対象とした私たちの調査では、コロナ前と比べて60歳以上の約27%に認知機能の低下が見受けられました。外出自粛で運動量が落ち、人との会話も減ったことが関係していると考えられます」
運動すると脳内でも
メンタルを整える物質が出る
運動とメンタルの関わりを解き明かすうえでは、脳を作る神経細胞が分泌する神経伝達物質にもスポットを当てるべき。
「神経伝達物質は気分を左右します。なかでも重要なのが、セロトニンとドーパミンです」
セロトニンが不足すると、不安やうつに陥りやすく、うつ病患者ではセロトニンの分泌量が低下していることがわかっている。このセロトニンを増やすのに有効なのが、ウォーキングやジョギング、ダンスなどのリズミカルな有酸素運動である。
ドーパミンも、有酸素などの運動で分泌が増えてくる神経伝達物質。快楽や多幸感をもたらし、やる気や集中力を上げる作用が知られている。
セロトニンやドーパミンを増やすなら、辛すぎない負荷で運動するのがポイント。辛すぎる運動は長続きしないので、セロトニンやドーパミンを増やす効果も限定的だ。隣の人と笑顔で会話できるくらいの負荷を上限に、30分以上続けよう。
(取材・文/井上健二、イラストレーション/しりあがり寿、監修/久末伸一【千葉西総合病院】)