りとるぱいんわーるど

ミュージカル人形劇団“リトルパイン”の脚本の数々です。

“ダスティン” ―全4場― 3 

2011年11月21日 12時42分51秒 | 未発表脚本


         3人、下手へ去る。
         ケビン、呆然と3人の後ろ姿を見送る。
         音楽流れ、ケビン、スポットに浮かび上がり歌う。
         下手より客席前へ。上手より舞台へ。
         (ケビン、そのまま上手後方の椅子へ腰を下ろし、
         眠りに入る。)

         “これは夢か・・・幻か・・・
         今見たことは物語のできごと
         それとも真実・・・?
         あれは過去に過ぎたこと・・・
         でも今 通り縋る本当
         夢なら夢で・・・それでいい・・・
         痛む心が拒否する・・・
         遥か彼方に
         過ぎ去る真に・・・”

   ――――― 第 3 場 ――――― 

         遠くから、ケビンの名を呼ぶダスティンの声が
         聞こえる。
         舞台明るくなる。と、クリストファーの屋敷(居間)。
         1場の風景。
         椅子の上でケビン、眠り込んでいる。
         横に、ケビンを起こすようにダスティン、立っている。

  ダスティン「おい!ケビン!!ケビン!!全く、なんでそんな
         ぐっすり眠り込んでるんだよ!!」
  ケビン「う・・・ん・・・、煩いなぁ・・・」
  ダスティン「寝るんなら自分の部屋で寝ろよ!!こんなとこで
         迷惑だろ!?」
  ケビン「・・・分かったよ・・・(目が覚め、ダスティンの顔を見、驚
       いたように大声を上げる。)わああっ!!バンパイア!
       !(思わず立ち上がる。と、膝の上の本が落ちる。)」
  ダスティン「誰がバンパイアだ・・・アホ・・・」
  ケビン「バン・・・バン・・・バンパイア・・・」
  ダスティン「馬鹿!!今の世の中に、そんなものが本当に存在
         する訳ないだろ!?中世のヨーロッパじゃ、あるまい
         し・・・。」
  ケビン「(目を擦って。)・・・先・・・輩・・・?」
  ダスティン「・・・でなきゃ、俺は誰なんだよ!」
  ケビン「(ホッとしたように。)・・・なんだ・・・よかった・・・!!」
  ダスティン「何、夢見たこと言ってんだよ!」
  ケビン「・・・夢・・・夢か・・・。そうだよね・・・夢ですよね・・・!!
       なんか、とんでもない夢、見ちゃったな・・・。(笑う。)
       でも、嫌に生生しくて・・・。」
  ダスティン「・・・へぇ・・・」
  ケビン「(本を拾いながら。)先輩が、もの凄く悪い奴で、バンパ
       イアなんですよね・・・。それで、クリストファーと、妹の
       マーガレットを仲間にしちゃうんだ・・・。(開いた本を見な
       がら。)あれ・・・?さっきは気付かなかったけど、これっ
       て日付が入ってるんだ・・・。なんか日記みたいだなぁ・・・
       。」
  ダスティン「おまえ、何読んでんだよ・・・。」
  ケビン「それが、部屋で童話の原作を見つけて、クリストファー
       が書いたにしてはえらく超大作で、面白そうだから先輩
       と読もうと思って、持って来たんだ・・・。そしたら読んで
       るうちに眠っちゃったみたいで・・・。夢の中で、すっかり
       読み切ったみたいだな。(笑う。)」
  ダスティン「(ケビンから本を取り、パラパラと捲って見る。)童話
         ・・・ねぇ・・・」
  ケビン「いや・・・日記かも知れないな・・・。でも、そうすると一体
       誰がこんな長い年月・・・」
  ダスティン「誰が書いたか知らないが・・・早いとこ書いた本人に
         見つかんないうちに、元のとこに戻してこい!嵐が
         治まるまで、ここに置いてもらわなきゃならないんだ
         。余計な詮索はしないに限る・・・。(本を差し出す。)」
  ケビン「う・・・うん・・・。(本を受け取る。)」

         ケビン、上手方へ行こうとすると、上手より
         クリストファー登場。ケビン、思わず本を自分
         の背後に隠す。

  ケビン「あ・・・」
  クリストファー「お2人共、ここにいらっしゃったんですか・・・。
           そろそろお茶にしようと思って、フランクが部屋へ
           呼びに行ったんですよ・・・。」
  ダスティン「すみません・・・。」

         ケビン、何か気不味い様子で、モゾモゾしている。

  クリストファー「(ケビンの様子に何か気付いたように。)どうか
           されましたか・・・?」
  ケビン「いや・・・別に・・・」

         ケビン、背を隠すようにゆっくり上手方へ。
         その時、上手よりマーガレット登場。

  マーガレット「お兄様!!」
  
         ケビン、その声に驚いて、後ろに隠していた本を
         落とす。

  ケビン「わっ!!」
  マーガレット「(ケビンが落とした本を拾う。)落としたわよ・・・。
          (本を見て。)これ・・・お兄様の日記・・・。」
  ケビン「え・・・?本当に日記・・・?ごめんなさい!!俺、日記
       だと思わなくて!!面白そうな童話だから、退屈凌ぎ
       に読ませてもらおうと思って・・・。」
  クリストファー「(微笑んで。)いいんですよ・・・。日記は日記で
           も、実話じゃあありませんから・・・。」
  ダスティン「・・・と、言うことは・・・?」
  クリストファー「空想日記みたいなものです・・・。」
  ケビン「なんだ・・・。」
  ダスティン「全部あなたが・・・?」
  クリストファー「ええ・・・まぁ・・・。」
  ダスティン「随分、沢山書かれてるようですね・・・。最初の日付
         は可なり昔・・・百年以上前だったようだが・・・。それ
         も、あなたの思いつき・・・?」
  クリストファー「・・・ええ・・・。何か不審に思うことでも・・・?」
  ダスティン「いや、別に・・・」
  クリストファー「(中央に置かれたソファーを勧めるように。)どう
           ぞ・・・。」

         ダスティン、ゆっくりソファーの方へ。
         クリストファー、続く。

  ケビン「君・・・マーガレット・・・。」
  マーガレット「ええ!初めまして!」
  ケビン「いや・・・初めまして・・・と言うか・・・」
  マーガレット「・・・どうかしたの?」
  クリストファー「(ダスティンとケビンに紹介するように。)妹の、
           マーガレットです。」
  マーガレット「(ケビンに。)あなた・・・血の巡りがよさそう。(クス
          ッと笑う。)」
  ケビン「えっ・・・!?」
  クリストファー「マーガレット!!」
  マーガレット「・・・ごめんなさい・・・。」
  クリストファー「・・・全く・・・言葉の知らない娘で申し訳ありませ
           ん・・・。マーガレット、そう言うのを健康そう・・・
           って言うんだよ。どうぞ。(ケビンにソファーを勧め
           る。)」

         ケビン、怪訝そうな面持ちで、2人を見ながら
         ソファーへ。ダスティンの横へ腰を下ろす。
         マーガレット、ダスティンの顔を見ると、一瞬
         強張ったように立ち止まる。

  ダスティン「・・・こんにちは・・・。」
  マーガレット「・・・いらっしゃいませ・・・。私・・・あなたのこと・・・
          知ってるわ・・・。」
  ダスティン「俺を・・・?」
  マーガレット「・・・ええ・・・。」
  クリストファー「マーガレット、そんな筈はないよ。確かに、昔に
           僕達が知った人に、似てはいるけれど・・・。」
  ケビン「昔・・・知った人って・・・バン・・・」
  クリストファー「知ったと言っても、ほんの数言、言葉を交わした
           ことがある・・・と言うだけですよ・・・。」
  ダスティン「・・・へぇ・・・」
  
         その時、上手よりティーセットを持ったフランク
         登場。

  フランク「お茶の用意ができました。」

         ケビン、フランクを見て、思わず立ち上がる。

  ダスティン「ケビン!」
  ケビン「・・・あ・・・何でもありません・・・。」
  
         フランク、テーブルでお茶の用意を始める。

  フランク「外は、まだまだ激しい雨風が吹き荒れております・・・。
       この分だと、今日はここでお泊まり頂くしかありませんな
       ・・・。(お茶を其々の前へ差し出して。)どうぞ・・・。」
  マーガレット「フランクの入れるお茶は、とっても美味しいの!」
  ダスティン「いただきます・・・。(一口、口に含む。)」
  マーガレット「(ダスティンが飲むのを、嬉しそうに見ていて。)
          ね?美味しいでしょ?」
  ダスティン「・・・ええ・・・確かに・・・。」

         その言葉を聞いて、ケビン一口飲む。

  マーガレット「甘い血の味がするわ!」
  ケビン「(驚いて、思わずカップを覗き込む。)血!?」
  クリストファー「冗談はよしなさい!すみません。」
  ケビン「冗談・・・?冗・・・談・・・ね・・・(その時、カップで指を切っ
       たように。)いっ・・・!」
  ダスティン「どうした?」
  ケビン「(作り笑いして。)は・・・はは・・・指、切っちゃったみたい
       ・・・。」
  ダスティン「馬鹿だな。舐めときゃ治るよ!」
  クリストファー「カップが欠けていたのですね。申し訳ありません。
           フランク、お客様の傷の手当てを・・・。」
  フランク「はい。」
  ケビン「大丈夫です・・・。」
  マーガレット「私に見せて!!(ケビンの手を取り、指を見詰め
          思わず口に含む。)」
  ケビン「あ・・・」
  マーガレット「美味しい・・・」
  クリストファー「マーガレット!!」
  マーガレット「(手を離して。)・・・ごめんなさい・・・」
  ケビン「(恐々、自分の指とマーガレットの顔を、交互に見比べ
       る。)」
  フランク「(傷テープを取り出して。)どうぞ、お手を・・・。」
  ケビン「あ・・・大丈夫・・・本当に大丈夫です!!こんな切り傷
       ・・・!!唾付けときゃ、直ぐ治りますから・・・!!はは
       は・・・」
  クリストファー「(ケビンを見て。)・・・こちらの方は、お加減がお
           悪いのでしょうか?何か震えていらっしゃるよう
           ですが・・・。」
  ケビン「(下を向いたまま。)お・・・可笑しいよ・・・こ・・・この人達
       ・・・。可笑しいよ、先輩!!(思わず立ち上がる。)丸で
      バンパイア・・・」
  ダスティン「(ケビンの言葉を遮るように。)馬鹿ケビン!!何、
         血迷ったこと言ってんだよ!!」
  ケビン「あ・・・」
  ダスティン「さっきから言ってるだろ?この現代社会、物語の中
         のドラキュラ伯爵や、フランケンシュタインが本当に
         存在する訳がないんだ。ビクビクしてるから、何でも
         かんでも可笑しいと思えるんだよ!」
  ケビン「でも・・・」
  ダスティン「ほら、その証拠に・・・(自分の首に掛けていた、十字
         架の首飾りを外し、クリストファーの方へ差し出す。)
         今夜のお礼にこれを・・・」
  マーガレット「・・・十字架・・・」
  
         クリストファー、マーガレット、フランク、その
         十字架に一瞬、顔を強張らせる。

  クリストファー「そんな・・・お礼なんて・・・。僕達は何も・・・」
  ダスティン「生憎、俺達は他に金目のものを持ち合わせていな
         いのです。遠慮せずに受け取って下さい。亡くなった
         母から貰った、純金の首飾りです。売れば可なりの
         値が付く筈ですよ。」          
  クリストファー「そんな大切なものなら尚更、僕達が頂く訳には
           ・・・。」
  ダスティン「そんなに堅苦しく考えなくても、俺が持ってても、金
         に代わるのがほんの少し早いか遅いか・・・ってだけ
         ですよ・・・。(笑う。)それとも・・・他に、何か受け取
         れない理由でも・・・?」
  マーガレット「お兄様・・・。」
  クリストファー「(微笑んで。)・・・いえ・・・。それではお言葉に甘
           えて・・・。(手を差し出す。)」
  フランク「クリストファー様・・・!」

         ダスティン、ゆっくりクリストファーの手に、
         十字架を乗せる。

  クリストファー「・・・ありがとうございます・・・。」
  ケビン「(ホッとしたように微笑んで。)・・・受け取った・・・。」
  フランク「・・・クリストファー様・・・。さ・・・さぁ、もっとお茶を召し上
        がって下さい!」
  ダスティン「・・・ええ・・・」
  ケビン「(欠伸をして。)何か・・・安心したら、急に眠くなってき
       ちゃったな・・・」
  ダスティン「ああ・・・」
  ケビン「どうしたんだろ・・・駄目だ・・・目が勝手に・・・ちょっと・・・
       失礼・・・」

         突然、ダスティン、ケビン、ソファーに沈み込む
         ように眠る。

  マーガレット「どうしちゃったのかしら・・・。(ダスティン、ケビンに
          近寄り覗き込む。)急に眠っちゃったわ・・・。でも・・・
          ほら、今のうちよ!!」
  クリストファー「マーガレット!(フランクを見る。)」
  フランク「(その視線に気付いて。)お2人のお茶に、睡眠薬を入
        れたのは・・・私です・・・。」
  マーガレット「睡眠薬・・・?」
  フランク「・・・この者達を見ていると・・・何故か、いやな予感がす
        るのです・・・。」
  クリストファー「いやな予感・・・?」
  フランク「はい・・・。何か・・・我々のことを見透かしたような、この
        人間の目を見ていると・・・。」
  マーガレット「どうしちゃったの?フランクが、そんな風に怯えた
          顔をするなんて。(笑う。)」
  
       







     ――――― “ダスティン” 4へつづく ―――――  








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“光の妖精ティンクルの輝く冒険” ―全6場―

2011年11月20日 22時40分22秒 | 新作(人形劇用)


  
    〈 主な登場人物 〉

   ティンクル  ・・・  光の妖精。

   ピコ  ・・・  村の少年。

   大王様  ・・・  ウインターランドの大王。  

   ルコ  ・・・  ピコの妹。

   氷の女王

   その他




 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪


            幕が開く。

   ――――― 第 1 場 ――――― A

         紗幕前。
         下手より、誰かを捜しているように、回りを
         見回しまがら、大王登場。

  大王「ティンクルー!!ティンクルー!!一体どこを遊び回って
      いると言うのだ、ティンクルは!!我々ウインターランドの
      妖精達が、一年で一番忙しい日を迎えていると言うのに
      !ティンクルー!!今夜中に、クリスマスの準備をする為
      に、妖精達はみんな走り回っている中、一人だけ、ティン
      クルは・・・。光担当のティンクルがいないと、いくら雪が積
      もって、大きなツリーやプレゼントが山積みにされていて
      も、クリスマスの朝を、無事に迎えにることは出来ないの
      だぞ!!ティンクルー!!ティンクルー!!」

         大王、上手へ去る。
         音楽流れ、紗幕開く。

   ――――― 第 1 場 ――――― B

         中央、一人の妖精(ティンクル)、
         歌う。

         “キラキラ輝く美しい街並み
         星の輝きにも似て 
         街中光溢れるわ
         美しい輝きに心が躍る
         なんて綺麗 目に見える限りのパラダイス
         誰もがワクワクする筈よ
         こんな煌めき見たことない
         さぁ もう直ぐ私の出番だわ
         さぁ みんなが待つのよ
         一年で一番素敵なこの時を”

  ティンクル「もう、大王様ったら、ホント口煩いんだから・・・。いく
         ら明日がクリスマスだからって、少しくらい遊ぶ時間
         だって欲しいわ!(舞台縁より、下を見るように。)
         それにしても綺麗ねぇ・・・。雪が積もって、辺り一面
         真っ白・・・。ここに私の魔法で、光のキラキラが加わ
         れば・・・(“フフフ・・・”と笑って。)想像しただけで、
         ものすごく綺麗だって分かるわ!」

  大王の声「ティンクルー!!ティンクルー!!」

  ティンクル「(溜め息を吐いて。)はーい!!私はここよ、大王様
         !!」

  大王の声「おまえはこの一番忙しい、光の妖精の働き時に、ま
         たそんな所でサボって、一体何をしておるのじゃ!」
  
  ティンクル「ごめんなさーい!!だって、あまりにも下界の様子
         が綺麗だったから・・・」

  大王の声「その綺麗な下界へ下りて、さっさとみんなの家の
         ツリーに、光を灯してくるのじゃ!!分かったな!!」

  ティンクル「はーい!!・・・仕方ないなぁ・・・そろそろ働かなく
         ちゃ・・・。でも、明日のクリスマスは、きっと綺麗だろ
         うなぁ・・・。」

         紗幕閉まる。

   ――――― 第 2 場 ――――― A

         紗幕前、一人の少年(ピコ。)、下手より登場。
         歌う。

         “飾りがなくても・・・
         綺麗なツリーだ
         キラキラ輝く夜露に
         ライトが照らされて
         僕にはどんな飾りよりも
         素敵な輝きに見える・・・
         だからいいんだ・・・
         ただの木だけが立つ
         ツリーでも・・・”

   ――――― 第 2 場 ――――― B

         紗幕開く。と、ピコの家の中。中央、飾りのない
         ツリーが一本立っている。

  ピコ「大きい木だなぁ・・・。父さんが森の中で拾って来てくれた
     この木・・・。きっと友達の中で一番大きいに決まってる・・・。
     みんなの家みたいに、キラキラ光る飾りなんかなくたって
     平気だ・・・。」

         そこへ下手より、一人の少女ルコ(ピコの妹)
         登場。

  ルコ「お兄ちゃん・・・」
  ピコ「あ、ルコ・・・、おはよう。目が覚めたのかい?」
  ルコ「うん。お兄ちゃん・・・やっぱりうちのクリスマスツリーには、
     飾りがないわね・・・。」
  ピコ「え?」
  ルコ「今日は、クリスマスイブでしょ?だからルコ・・・、きっと目
     が覚めたら、サンタさんがうちのツリーにも、飾りを、いーっ
     ぱい付けてくれるんだ・・・って思ってたの・・・。」
  ピコ「ルコ・・・」
  ルコ「サンタさん、来なかったのね・・・(淋しそうに。)」
  ピコ「今日はイブだから、サンタさんは明日の朝に来るんだよ。」
  ルコ「本当?お兄ちゃん!」
  ピコ「うん・・・本当さ・・・」
  ルコ「じゃあ、明日の朝、目が覚めたらきっとこのツリーにも、
     沢山の飾りが付いているわね!」
  ピコ「・・・そうだね・・・」
  ルコ「わぁー・・・楽しみだなぁ・・・。私、顔洗ってくる!!」
  ピコ「うん・・・」

         ルコ、上手へ走り去る。

  ピコ「(ルコが去るのを見て。)ごめん、ルコ・・・。僕は嘘吐きだ
     ・・・。」

         その時、窓ガラスを“トントン”叩く音がする。

  ピコ「え・・・?」

         再び“トントン”と叩く音。

  ピコ「(窓の方へゆっくりと近付く。)・・・誰かいるの・・・?」

  ティンクルの声「開けて!!ここを開けて頂戴!!」

  ピコ「え・・・(そっと窓を開ける。)」

         その時、窓の外からティンクル、顔を出す。

  ピコ「わあっ!!」
  ティンクル「ごめんなさい!」
  ピコ「・・・誰・・・?」
  ティンクル「入っていい?」
  ピコ「え・・・?う・・・うん・・・」
  ティンクル「(窓から部屋の中へ入る。)よいしょ・・・っと・・・。ふう
         ・・・一軒一軒、家を回るって大変ねぇ・・・。」
  ピコ「君・・・誰?」
  ティンクル「私は光の妖精ティンクル!!みんなの家を回って、
         明日のクリスマスの準備をしてるの!」
  ピコ「光の・・・妖精・・・?」
  ティンクル「そう!次はあなたの家のツリーに、光を灯す順番な
         のよ!!えっと・・・ツリー・・・ツリー・・・あ、あったわ!
         」
  ピコ「あ・・・」

         ティンクル、ツリーの側へ。

  ティンクル「あら・・・飾りは・・・?」
  ピコ「え・・・?」
  ティンクル「まだツリーに飾り付けしてないの?」
  ピコ「う・・・うん・・・ううん・・・違うんだ・・・。」
  ティンクル「違う・・・?まだ出してないんじゃないなら、どうして
         あなたの家のクリスマスツリーには、キラキラ輝く
         ライトや、飾り物が一つもないの・・・?」
  ピコ「それは・・・僕の家は貧乏で・・・飾りを買うお金がないから
     なんだ・・・。」
  ティンクル「貧乏・・・?」
  ピコ「このツリーの木だって・・・父さんが仕事の帰りに、森の中
     に捨てられていたのを、持って帰ってくれたんだ・・・。」
  ティンクル「でも、いくら木があっても、飾りがなけりゃ雰囲気出
         ないじゃない。」
  ピコ「・・・いいんだ・・・。僕は、この木を眺めてるだけで、幸せな
     気持ちになれるから・・・。」
  ティンクル「ふうん・・・そうなの・・・。じゃあ仕方ないわね・・・。私
         は次の家へ行くわ。早くこの町中の家を回って、クリ
         スマスツリーに灯りを点けて回らなけりゃならないの
         !じゃあね!よいクリスマスを!」
  ピコ「・・・さよなら・・・」

         ティンクル、上手へ去る。

  ピコ「(ティンクル出て行くのを見計らって。)・・・僕だって・・・僕
     だってツリーに飾りがあればいいって・・・ルコに飾りの一杯
     付いたツリーを見せてあげることが出来たらって・・・そう思
     ってるよ・・・そう思って・・・そうだ・・・、町へ行けば、どこか
     に一つくらい飾りになりそうなもの、あるかも知れないな・・・
     。よし!行ってみよう!」

         紗幕閉まる。

   ――――― 第 3 場 ――――― A

         上手下手より、其々男の人登場。
         中央、お互いで通れないように。

  男の人1「何だ、おまえは・・・」
  男の人2「そっちこそ何だ・・・」
  男の人1「どけ、邪魔だ。」
  男の人2「おまえの方こそ邪魔だ。」
  男の人1「何だと・・・!?」
  男の人2「何を!?」
  男の人1「・・・ふん・・・つまらない・・・。喧嘩なんてごめんだ・・・。
        (振り返って上手へ去る。)」
  男の人2「ふん・・・余計な時間を使ってしまった・・・。(振り返っ
        て下手へ去る。)」

         紗幕開く。

   ――――― 第 3 場 ――――― B

         音楽流れる。
         上手よりティンクル登場。歌う。

         “綺麗な輝き見て欲しいわみんなに
         私が魔法でみんなの心にも
         灯りを灯すわ
         どう!誰もがハッと息を飲む
         素敵な素敵なクリスマス!”

  ティンクル「ああ・・・疲れた・・・。沢山、灯りを灯して来て、大分
         クリスマスらしくなってきたわ・・・。(後方のショーウ
         インドーの中に、小さなツリーを見つける。)あ!あそ
         こにも・・・」

         ショーウインドーの方に駆け寄り、杖を振る。
         と、ショーウインドーの中のツリーに、小さな
         可愛い灯りが灯る。

  ティンクル「(“えへっ”と笑って。)やった!綺麗ねぇ・・・(見惚れ
         るように。)」

         そこへ下手より、下を向いて何かを探すように
         俯き加減のピコ登場。上手から登場の人に
         ぶつかる。
 
  ピコ「あ・・・ごめんなさい・・・。僕、何かツリーに飾る飾りを探して
     ・・・」
  人「(ピコの言葉には関心ないように。)ないね。」
  ピコ「そうですか・・・」
  人「ないよ。」
  ピコ「僕まだ、何も言って・・・(溜め息を吐き、また下を向いて、
     探すように。)どこかに・・・」
  人「あんたの家のツリーなんて、知ったこっちゃないんだよ。さっ
    さとお帰り。(下手へ去る。)」
  
         ピコ、去る人の後ろ姿を見ているが、再び
         下を向いて何かを探すように歩き出し、
         ティンクルにぶつかる。

  ティンクル「いたっ!」
  ピコ「(下を向いたまま。)ごめんなさい!」
  ティンクル「あら・・・あなた・・・」
  ピコ「え・・・?」
  ティンクル「見て見て!(ショーウインドーの方を指差す。)これ
         私が点けたのよ!キラキラ光って綺麗でしょう?」
  ピコ「(チラッとショーウインドーに目を遣るが、直ぐまた下を向い
     て探すように。)」
  ティンクル「・・・どうしたの・・?下ばっかり向いちゃって。」
  ピコ「僕のことはほっといて・・・」
  ティンクル「冷たいのね。ねぇ・・・それよりここの人達・・・どうし
         ちゃったの・・・?いくら私が光の魔法で、灯りを灯し
         て、キラキラ輝く美しいツリーにしても・・・誰も感動し
         てくれないのよ・・・。それどころか、丸で無関心・・・。
         どうしてみんな、あんなに無表情なのかしら・・・。」
  ピコ「無表情・・・?」
  ティンクル「ええ。心がないみたいだわ。」
  ピコ「心が・・・。そうだ・・・そう言えば君の言う通りかも知れない
     ・・・。」
  ティンクル「(ピコを見る。)」
  ピコ「僕にもよく分からないけれど・・・少し前まではみんな活気
     があって、とても賑やかで明るい村だったのに・・・秋の訪
     れと同時に、丸でみんなの心も冷たくなって行くように・・・
     今ではみんな元気がなくなってしまったんだ・・・。笑い声
     も・・・楽しそうな話し声も全く聞こえない・・・。喧嘩さえ起き
     ないんだ。」
  ティンクル「・・・変ね・・・」
  ピコ「え・・・?」
  ティンクル「変ねって言ったの!!」
  ピコ「・・・変・・・?」
  ティンクル「だって、夏までは村の人達みんな、明るく元気だった
         んでしょ?」
  ピコ「・・・うん・・・」
  ティンクル「何か心当たりは?」
  ピコ「心当たり・・・?」
  ティンクル「そう!夏の終わりに、何か事件があったとか!」
  ピコ「事件!?」
  ティンクル「例えばよ!!」
  ピコ「あ・・・そうか・・・。ううん・・・別に・・・」                
  ティンクル「そう・・・。」
  ぴこ「あ・・・でも・・・そう言えば、秋の収穫祭の前の日に、綺麗
     な女の人がやって来て・・・村長さんの家に泊まって行った
     んだ・・・。その次の日の収穫祭が、突然中止になって・・・
     今考えると、その収穫祭辺りから、みんな何にも無関心に
     なったような気がする・・・。毎年楽しみにしている収穫祭が、
     中止になったと言われても、誰一人からも、残念がる声は
     聞かれなかったんだ・・・。」










   ――――― “光の妖精ティンクルの輝く冒険”
                           2へつづく ―――――









 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪


     (どら余談^^;)

     目茶苦茶状態の下書きから書き移すのは、思いの外・・・
     ・・・難しいです~・・・(^_^;)















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“ダスティン” ―全4場― 2

2011年11月17日 17時47分54秒 | 未発表脚本


  マーガレット「どうして?とんでもないことって?可笑しなこと言
          うのね。(笑う。)」
  ダスティン「俺が誰か知らないから、そんな呑気に笑っていられ
         るんだ・・・。」
  マーガレット「ただの旅の方ではないの?・・・何かとっても有名
          な人?ね?何をする人なの?どうしてこの村に、
          立ち寄ったの?」
  ダスティン「そんなことを聞いて、おまえは命が惜しくないのか
         ・・・。」
  マーガレット「何故?(クスッと笑って。)まさか悪魔とか・・・?」
  ダスティン「・・・悪魔・・・か・・・。そうだな・・・悪魔よりもっと質が
         悪いかもな・・・。おまえのような小娘・・・俺にかかれ
         ば一捻り・・・」
  
         音楽流れ、ダスティン歌う。

         “気をつけろ・・・
         命が惜しくば触らぬように
         自分が可愛きゃ見て見ぬ振り
         脅しじゃないぜ 忠告だ・・・
         この俺が親切で言ってやる
         さっさと俺の前から消え失せろ!!”

  マーガレット「よく分からないわ、あなたの言うこと・・・。私には
          あなたが、悪魔にも死神にも見えないもの。」
  ダスティン「・・・じゃあ、いいものをやろう・・・。(ポケットから、
         何かを取り出し、マーガレットの方へ差し出す。)」
  マーガレット「何?(受け取る。)キャンディ?綺麗な赤い色・・・。
          いちご味かしら?」
  ダスティン「俺のことを、いい人間だと思うなら、それを食べる
         がいい・・・。」
  マーガレット「ありがとう!(手に持っていたものを口へ放り込む
          。)いちご・・・じゃないみたい・・・何の味かしら・・・」
  ダスティン「教えてやろうか・・・」
  マーガレット「ええ!」
  ダスティン「その赤は、人間の血の色さ!!(笑う。)」
  マーガレット「・・・そんな冗談・・・」

         マーガレット、突然倒れ込む。

  ダスティン「それは俺の食事用だ・・・。美味いだろう?普通の
         人間が食べると、死んでしまうがな・・・」

         ダスティン、マーガレットを見詰める。
         その時、ケビン下手より登場。

  ケビン「(回りを見回して。)・・・ここ・・・どこだろ・・・。俺・・・確か
       あの屋敷の居間で、童話を読んでて・・・(倒れている
       マーガレットを認め、驚いて駆け寄る。)どうしたの!?
       君!!確りして!!君!!」
  ダスティン「・・・馬鹿な奴だ・・・。(フッと笑う。)だからあれ程言っ
         たのに・・・。俺に近寄ると、碌なことがないと・・・。」
  ケビン「一体どうし・・・(ダスティンの顔を見て、驚いたように。)
       ・・・せ・・・先輩・・・?先輩じゃないですか!?先輩、どう
       してこんなとこに・・・(ダスティンの格好を見て。)いやに
       古臭い服・・・。まぁ、いいや。それよりここはどこなんです
       ?この子、どうして!?」
  ダスティン「(ケビンのことは見えていないように、冷たい視線で
         倒れているマーガレットを見詰めてる。)ふん・・・。」
  ケビン「先輩!!先輩ったら!!・・・俺のこと・・・見えないの・・・
       ?(自分で自分のその様子に、驚いたように、自分の体
       を見回したり、そこにいる者達の様子を見たりする。)
       どうして・・・?」

         その時、上手よりクリストファー登場。

  クリストファー「マーガレット?どこにいるんだい、マーガレット?
           もう直ぐ、夕食の・・・(マーガレットを認め、その驚
           きに体を強張らせる。)マーガレット・・・?どうした
           の!?マーガレット・・・(マーガレットに駆け寄り、
           抱き起こす。)マーガレット!!」
  ケビン「・・・クリストファー・・・(呆然と、その様子を見詰めながら
       。)」

         ダスティン、声を上げて笑う。

  クリストファー「何が可笑しいんだ!!マーガレット!!マーガ
           レット、確りして!!」
  ダスティン「・・・そいつは死の実を食べたんだ・・・。」
  クリストファー「・・・え・・・?」
  ダスティン「後、数分もしないうちに、その実の毒が体中に回っ
         て、そいつの息も止まる・・・。」
  クリストファー「・・・死の実・・・?死の実って一体・・・!?」
  ダスティン「おまえにもやろうか・・・?」
  クリストファー「・・・じゃあ・・・おまえが妹をこんな目に・・・!?
           」
  ダスティン「ああ・・・。そいつが煩く俺の回りを、ウロチョロして
         余計な詮索をするから、ちょっとばかり静かにして
         おいてもらおうと思ってな・・・。」
  クリストファー「どうしてそんな酷いこと!!マーガレット!!
           マーガレット!!」
  ケビン「先輩・・・酷いよ・・・。」
  クリストファー「助ける方法は・・・?(マーガレットを下に下ろし、
           立ち上がる。)あるんでしょ・・・?知ってるんで
           しょ!?僕に教えろよ!!」
  ダスティン「・・・そうだなぁ・・・。解毒剤が・・・あるにはあるが・・・
         。」
  クリストファー「それを僕に頂戴!!」
  ダスティン「・・・やってもいいが・・・ただと言う訳には・・・」
  クリストファー「もとはと言えば、おまえがマーガレットをこんな目
           に遭わせたんじゃないか!!」
  ダスティン「違う!!そいつが煩くするからだ!!」
  クリストファー「・・・頼むよ・・・。マーガレットは、僕にとって掛け
           替えのない妹なんだ・・・。マーガレットがいなくな
           れば僕も生きていけない・・・」
  ダスティン「へぇ・・・」
  クリストファー「あなたにも兄弟がいるなら分かるだろ!?」
  ダスティン「・・・そんなことは忘れたな・・・。」
  クリストファー「お願いだ・・・。」
  ダスティン「生きていけないのなら、一緒に死ねばいいのさ!!
         (笑う。)」
  クリストファー「・・・なんて奴なんだ・・・!!」
  ダスティン「(ポケットから、小さな袋を取り出し、クリストファーの
         足元へ投げる。)その中に入っている液体・・・」
  クリストファー「解毒剤!?(思わず袋を拾い、中から小さな小
           瓶を取り出す。)」
  ダスティン「そんなに欲しけりゃ、おまえにやろう・・・。」
  クリストファー「本当!?」
  ダスティン「但し・・・それは・・・不老不死の薬だ・・・」
  クリストファー「・・・不老不死・・・?」
  ダスティン「ああ・・・。今、助かるかわり・・・一生・・・永遠にそい
         つは、死ぬことの出来ない体になる・・・。」
  クリストファー「・・・どう・・・言うこと・・・?」
  ダスティン「しかも・・・人間として生きていくのではなく・・・人の
         世からはこれからこの先・・・ずっと隠れて生きていく
         しかない・・・バンパイアとして生まれ変わるのだ!!
         」
  クリストファー「・・・バンパイア・・・バンパイア・・・って・・・」
  ダスティン「人の生き血を啜ってしか生きることの出来ない・・・
         不老不死の吸血鬼としてな!!(声を上げて笑う。)
         」
  ケビン「・・・吸血鬼・・・!?」
  クリストファー「・・・そんな・・・そんな!!マーガレットをそんな
           化け物に出来ないよ!!」
  ダスティン「・・・化け物・・・?ああ・・・そうかもな・・・。じゃあ大人
         しく、死のお迎えを待つがいいさ・・・。俺には関係な
         い・・・。そいつが死ぬも生きるも・・・おまえ次第さ・・・。
         (フッと鼻で笑う。)」

         ダスティン、ゆっくり下手へ去る。

  クリストファー「あ・・・!!待って!!・・・畜生・・・どうすればい
           いんだ・・・。これを飲めば、マーガレットは助かる
           ・・・。だが・・・これから一生・・・罪の十字架を背負
           って・・・生きて行くことになるんだ・・・。飲まなけれ
           ば・・・マーガレットは確実に死ぬ・・・。そんな・・・
           僕に決められる筈ないじゃないか・・・!!」

         音楽流れ、クリストファー静かに噛み締めるように
         歌う。

         “どうしたらいい・・・
         こんな選択・・・
         自分が生きるか死ぬかなら
         なんの躊躇いも迷いもない筈・・・
         どうすればいい・・・
         非情な選択・・・”

  クリストファー「そうだ・・・僕も一緒に・・・生まれ変わればいいん
           だ・・・。何も・・・マーガレット一人で辛い思いをさ
           せなくても・・・僕も一緒に・・・マーガレットと行けば
           いい・・・」

         クリストファー、マーガレットを抱き起こし、薬を
         飲ませる。そして自分もその薬を、恐る恐る飲む。
         マーガレットをゆっくり下ろし、自分の変化を確認
         するように、自分を見る。

  クリストファー「何かが・・・変わったのか・・・?もう・・・さっきまで
           の僕とは・・・違うのか・・・。(一本の指を見詰め。)
           あ・・・指の怪我が・・・治っている・・・。では・・・もう
           ・・・」
    
         その時、上手より若い姿のフランク、登場する。

  フランク「クリストファー様、捜しましたよ。(マーガレットに気付き
        。)マーガレット様!?どうされたのです!?(驚いて
        駆け寄る。)」
  クリストファー「大丈夫・・・直ぐ、気が付くよ・・・。それより・・・フラ
           ンク・・・」
  ケビン「・・・フランク・・・?あの若いのが・・・?」
  クリストファー「お別れだ・・・」
  フランク「え・・・?」
  クリストファー「・・・僕達は、これから2人で生きていかなければ
           ならないんだ・・・。父様・・・母様のことを・・・よろ
           しく頼むよ・・・。」
  フランク「(笑って。)何を仰るのです・・・。さあ、お家に戻りましょ
        う・・・。もう間もなく夕食の時間です。」
  クリストファー「・・・駄目なんだ・・・」
  フランク「どうしてそんな我が儘を・・・。」
  クリストファー「これから話すこと・・・誰にも言わないで、自分の
           胸の中だけに仕舞っておいてくれる・・・?」
  フランク「それは聞いてみないことには分かりませんね・・・。」
  クリストファー「・・・うん・・・。けど、誰かに話しても、決して・・・誰
           も信じてくれはしないだろうから・・・。」
  フランク「・・・どんな・・・話しですか・・・?」
  クリストファー「・・・僕達は・・・(黙る。)」
  フランク「・・・クリストファー様・・・?」
  クリストファー「・・・僕達は・・・もう人間じゃないんだ・・・。」
  フランク「・・・人間ではない・・・?言っている意味が分かりませ
        んが・・・。一体どう言う・・・」
  クリストファー「・・・もうパンも食べない・・・スープも飲まない・・・
           それでも死ぬことの出来ない体・・・そんな体に
           なってしまったんだ・・・。」
  フランク「一体何を可笑しなことを言っているのです・・・?」
  クリストファー「・・・僕達は・・・吸血鬼になってしまったんだ・・・。
           」
  フランク「(笑って。)また、そんな作り話しを・・・。」
  クリストファー「・・・いいんだ、信じてくれなくて・・・。だから、これ
           から僕達は、永遠に人の世からは身を隠して、
           ひっそりと生きていかなければならないんだ・・・」
  マーガレット「(目覚め、ゆっくり起き上がる。)・・・お兄様・・・」
  クリストファー「マーガレット!!もう・・・大丈夫かい?」
  マーガレット「ええ・・・。私、どうしていたのかしら・・・。」
  クリストファー「よかった・・・。これからは、何があっても2人きり
           だ・・・。」
  マーガレット「・・・2人きり・・・?」
  フランク「クリストファー様・・・」
  クリストファー「心配はいらないよ・・・。僕がいるからね・・・。」
  マーガレット「分からないわ、お兄様の言ってること・・・。」
  クリストファー「うん、そうだね・・・。でも・・・行こう、マーガレット
           ・・・。さようなら・・・フランク・・・。」
  フランク「クリストファー様!!」
  クリストファー「(マーガレットに。)歩けるかい?」
  マーガレット「・・・ええ、お兄様・・・平気よ・・・。どこへ行くの・・・
          ?」
  クリストファー「いい所さ・・・」
  マーガレット「お母様達が心配するわ・・・。」
  クリストファー「・・・うん、そうだね。でも、父様や母様の為にも、
           こうするのが一番なんだ・・・。」
  マーガレット「・・・そうなの・・・。分かったわ。私、お兄様と行く
          ・・・。」

         クリストファー、マーガレット、ゆっくり下手方へ
         行きかける。

  フランク「クリストファー様!!・・・お待ち下さい!!お2人を黙
        って行かせる訳にはいきません!!(2人の前へ、立
        ち塞がる。)」

         2人、フランクを避けて歩き続ける。

  フランク「クリストファー様!!」
  クリストファー「僕達を止めることは出来ないんだ・・・。」
  フランク「クリストファー様!!・・・分かりました!!・・・分かりま
        した・・・。」

         2人、立ち止まり、振り返る。

  フランク「・・・クリストファー様の言うことを、信用しましょう・・・。
        そのかわり・・・まだ学校も卒業していないようなお2人
        を、2人っきりで行かせる訳には参りません・・・。私も
        お供します・・・。宜しいですね?」
  クリストファー「フランク・・・。でも、僕達は歳をとらないんだ・・・。
           死なないんだよ・・・?」
  フランク「私ばかりが歳を取り・・・やがて土に帰るその時まで・・・
        お2人にお仕えするのが、小さい時から、お2人の教
        育係としてお側にいた、私の役目です・・・。共に参りま
        しょう・・・地獄の果てまでも・・・」
  クリストファー「・・・フランク・・・(嬉しそうに微笑む。)・・・うん・・・
           。」
                
           







      ――――― “ダスティン”2へつづく ―――――







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“パピ” ―全6場― 完結編

2011年11月17日 16時12分14秒 | 新作(人形劇用)



  大王「あの子どもが見えるか。(指差す。)あの少年は、風が吹
      いてきたと喜び、父親に買ってもらった凧を、飛ばしに丘
      の上へ行き、風にあおられて怪我をしたのだ。こっちの
      夫婦が分かるか。(違う方を指差す。)この夫婦は突風で
      家が飛ばされてしまったのだ。家がなくなった、この夫婦
      は、これからどこで暮らせばよいと思うのだね。怪我をし
      た少年は、しばらく学校へは行けまい・・・。」
  パピ「私・・・何てことをしたの・・・。私、何も考えないで、ただ風
     を起こすことだけに夢中で・・・。」
  大王「反省しているか。」
  パピ「はい・・・勿論です、大王様!!」
  大王「エンゼル・・・」
  エンゼル「はい・・・」
  大王「今回のことは、元はと言えば全ておまえの責任であるぞ
      。生まれたばかりの妖精を一人にしたらどうなるか・・・
      エンゼルもよく分かっておるであろう。この町の様子を
      見れば、一目瞭然・・・。本来は我々の仲間である、町の
      人間達を苦しめたこの罪は大きいぞ。分かっておるな。」
  エンゼル「はい・・・」
  大王「それではエンゼル・・・、おまえは今日より地界へ行き、天
      界の天使ではなく、地界の堕天使として生きることを命
      ずる!!」
  エンゼル「堕天使・・・」
  パピ「そんな・・・お願いです、大王様!!エンゼル先生を地界
     へなんかやらないで・・・!!お願い・・・」

         音楽流れ、パピ歌う。

         “お願い私の
         ひとつの願いを
         どうか聞いてくれたならば
         私も約束する
         これからいい子に
         必ず守るわ
         だからどうぞお願いです
         聞き届けて下さい”

         大王歌う。

         “おまえがそんなに言うなら
         その心に免じ
         願い聞き届けてやろう
         エンゼルは天使のままに”

         パピ歌う。

         “ありがとう本当に
         心の底から
         この思いが届いたこと
         私きっといい子に”

         エンゼル歌う。

         “ありがとう             コーラス“優しい
         パピの心”                   思い遣り”

  大王「おまえのその反省した、清らかな心に免じて・・・エンゼル
      を地界へ送ることはやめるとしよう・・・。但し、エンゼルは
      たった今から、妖精の教育係と言う、天使の役目を解き、
      天界で私の側に仕え、もう一度、天使といての勉強を、し
      直すのだ。」
  エンゼル「天界の天使として・・・」
  パピ「大王様・・・でも!!私はまだエンゼル先生に、何も教えて
     もらってないんです・・・!!だから・・・だからエンゼル先生
     を、連れて行かないで・・・。お願いです・・・。私はまだ妖精
     としては半人前だから・・・」
  大王「おまえの教育には、違う天使をよこすことにする、よいな
      ・・・」
  パピ「でも・・・」
  大王「時の妖精よ!!私の元へ!!」

         時の妖精、現れ、大王の側へ。

  時の妖精「はい・・・大王様・・・」
  大王「私の命により、時の魔法を使い、パピが風を玩ぶ前の時
      間まで戻すのだ!!」
  時の妖精「はい・・・分かりました・・・」
  パピ「風を起こす前・・・」
  大王「今回の騒ぎ、全てなかったことに!!」

         (魔法の音。)

  パピ「私はまた・・・卵の中の時のように、独りぼっちなのね・・・」
  エンゼル「パピ・・・」
  
         音楽流れ、エンゼル歌う。

         “心から          コーラス“妖精の
         大切に                幸せになる”
         思ってる
         いつも側に”

         パピ歌う。

         “いつまでも
         側にいて
         一人なんて
         心細い”

  エンゼル「立派な・・・世界を創造する妖精に、なっておくれ・・・。
        私は天界から、パピの成長を見守っているよ。」
  パピ「エンゼル先生・・・」
  エンゼル「それに、パピはもう一人じゃない・・・。ほら、見てごら
         ん・・・」
  パピ「(振り返る。)レミ・・・」

         (レミ登場。)

  エンゼル「私からの、誕生日プレゼントだよ・・・。もう一度、友達
        になるところから始めればいい。」
  パピ「エンゼル先生!!」
  レミ「(パピの側へ。)初めまして・・・」
  
  エンゼルの声(エコー)「さようなら、パピ・・・(消える。)」

  パピ「・・・先生・・・?エンゼル先生・・・?先生ー!!」

         パピ、歌う。

         “いつまでも
         側にいて
         感じてるわ
         温もり”

  パピ「さよなら、エンゼル先生・・・」

         紗幕閉まる。
         音楽流れる。

  少女の母の声(エコー)「もし・・・あなたの回りで、温かい空気
                 を感じることがあったなら、世界を創造
                 する、可愛い妖精達が頑張って、私達
                 の為に働いてくれているのよ・・・。だか
                 ら感謝する心を忘れないで・・・。」
  少女の声(エコー)「うん!!分かったわ、ママ!!」
      
         (エンディング。)

         音楽流れ、紗幕開く。と、全ての
         登場人物。歌う。

      パピ“優しい笑顔と
         温かい気持ち
         少しの思い遣り
         たとえどんな人にも
         あなたの回りを
         見回してみれば
         温もり溢れてる
         きっと誰にも分かる”

      レミ“出会えた喜び
         今日の奇跡が
         初めて感じた
         温かい風”

         大王、エンゼル歌う。

         “私たちもまた
         空から見ている
         全ての幸せが
         みんなの願いだから”

         全員歌う。

         “優しい笑顔と
         温かい気持ち
         それだけあったなら
         みんな幸せになる”    コーラス“幸せに”

  パピ「みんな!!」
  全員「ばいばーい!!」







          ――――― 幕 ―――――










 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪


      (どら余談^^;)

     いつもは、笑う・・・は「(笑う。)」と書くのですが、この作品
    では、ある大好きな映画にものすごく影響されて、「あはは
    はは・・・」と書いています^^;(・・・多分・・・何の映画か、
    分かりますよね・・・^_^;)
 
    私、映画や舞台は、結構一人で鑑賞が多いのですが、お気
    に入りのこの映画・・・3回程通いました・・・♥
    これは、丁度その頃に書いた作品です(^^)v



      (どら余談^^;2)

     昨日、来年作品の新作の本書きが終わり、曲のつなげを
    編集合間にして頂いたら・・・なんと・・・曲だけで46分もあり、
    これに台詞だけの場面を加えると、50分強の作品になりそ
    です・・・(>_<)思いの外大作で、自分でもビックリです^^;
    
    ・・・と、これは余談で・・・書き終わった・・・と言うことで、頭
    が自由になり、加えて今日は少し自由な時間があったので、
    次回このページで紹介しようかな・・・と思っていた作品を、
    書きだしたら、仕上がってしまいました~・・・^^;

    次回、人形劇用での新作は、以前に何度か書いています、
    “妖精ティンクルちゃん”シリーズと、間もなく私の大好きな
    “クリスマス”・・・と言うことで、この時期らしい、クリスマスの
    可愛いお話しを組み合わせた作品を、掲載したいと思い
    ます★
    
    書き上がったばかり・・・と言うことで、前に見て頂いた、目茶
    苦茶な下書き状態から、ここに書き移す形になるので、
    上手くページを探しながら書けるかどうか、不安な所では
    ございますが・・・^^;

    次回、“光の妖精ティンクルの輝く冒険”お楽しみに♥








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“パピ” ―全6場― 2

2011年11月14日 22時19分58秒 | 新作(人形劇用)


  レミ「あれ・・・?君の天使先生は・・・?」
  パピ「天使先生・・・?そんなの知らないわ!ねぇ、それより、あ
     なたの持ってるその棒・・・さっきの子達も大切そうに持って
     たけど、それは何?」
  レミ「え・・・?あ・・・これは妖精の杖だよ・・・。僕は昨日、天使
     先生から独り立ちをした所なんだ。だから天使先生に一人
     前の証の、この杖を授かったんだよ。」
  パピ「一人前の証・・・?」
  レミ「うん、そうだよ。だからさっきから、一人でこの世界の風を
     作ってたんだ。僕は風を作る仕事を与えられたんだ・・・。
     だけど、中々上手くいかなくて・・・。」
  パピ「ふうん・・・」
  レミ「(杖を振ってみる。)ね・・・!いくらこの杖を・・・」
  パピ「貸して!(レミの杖を取り上げる。)」
  レミ「あ・・・!!」
  パピ「私にもやらせて!!」
  レミ「だ・・・駄目だよ!!まだ一人前じゃない君が、杖を振った
     って・・・」
  
         パピが杖を振ると、強い風が吹き抜ける。
         音楽流れる。(風の音“ビューン”)

  レミ「わぁ・・・す・・・すごいや!!」

         パピ、歌う。

         “簡単よ こんなこと
         一振りすれば直ぐに     レミ“本当に?”
         何でもできそうだわ
         私もあなたに付いて行くわ
         屹度たやすいことね     レミ“誰かに
                              見つかれば・・・
         あなたの代わりに杖        僕と一緒に?”
         振りかざし創造するわ
         この世界の中を”       レミ“君が僕の
                              代わり・・・?”

  パピ「面白いのねぇ・・・この杖!私に、この杖を貸してね!!」
  レミ「でも・・・天の国の大王様に、叱られないかなぁ・・・」
  パピ「大丈夫よ!!見つかりっこないわ!!」

         レミ歌う。

         “本当?大丈夫?”

         パピ歌う。

         “この私があなたの代わりに
         この世界創造するわ
         夢にまで見た外の世界で
         楽しいことが始まるのよ!”

  パピ「さぁ、行きましょう!!」

         音楽フェード・アウト。(紗幕閉まる。)

    ――――― 第 4 場 ―――――

         音楽流れ、上手よりエンゼル登場。歌う。

  エンゼル「ああ・・・大変だ・・・」

         “なんだか胸騒ぎがする何故
         嵐がきたようなこの風”

  エンゼル「なんだか嫌な感じだ・・・。この春うららかな季節に
        ・・・」

         (風が吹き抜ける。)

         “何故だか不吉なことが
         おこりそう
         嫌な予感が当たりそうだぞ”

     コーラス“こんなことは初めて
           今まで平和な村
           明るい話題で一杯
           綺麗な村
           自慢の村だったのに
 
           なのに なのに なのに なのに”

         “なんだか胸騒ぎがする何故
         嵐がきたようなこの風”

  エンゼル「早く、パピを捜さないと・・・」

         エンゼル、下手へ去る。
         紗幕開く。

    ――――― 第 5 場 ―――――

         村の様子。
         パピとレミ、杖の練習をしている。
         音楽流れる。歌う。

  パピ「難しいのねぇ・・・この杖の使い方・・・。」

     パピ“こんな杖 見たことないのよ
        初めてのわくわくとドキドキ   
        一振りで嵐のようだわ
        人間がみんな慌ててるのよ”

     レミ“だけどそれはよくないことだよ
        みんなが困ることだよ
        いけないことなんだよ
        分かるパピ?”

  パピ「えいっ!!(“ビューン”大風の音。)はっ!!(“ビューン”
     大風の音。)」
  レミ「わあーっ!!」 

     パピ“楽しいわ なんて素敵なの
        おもしろい こんなおもちゃ初めて
        素敵だわ 私にも欲しいの
        どうすれば手に入れられるのかしら”

     レミ“だけど君はまだ半人前
        使い方を知らなくて
        やたらと振り回すと大変だ”

  パピ「えいっ!!(“ゴォーッ”強風の音。)」
  レミ「わあーっ!!パ・・・パピ・・・危ないよ・・・」
  パピ「すごーい・・・」
   
     パピ“卵から生まれて初めて
        色々と知ることがあるのよ
        楽しいの憧れた世界が
        今までは経験したこともない”

     レミ“だけどやっぱりよくないことだ
        みんな危ない目にあう
        風は怖いんだ
        大王様はもっと・・・”

  レミ「ねぇ・・・ねぇ、パピ!そんな風にやたらと、大風をおこした
     んじゃ、人間界が大変なことになるよ・・・」

         (パピ、レミ、後ろ向きに。)
         前方、ロン下手より、走り登場。

  ロン「わぁーっ!!父さん!!父さーん!!風が吹いてきたよ
     ー!!早く丘へ上がって、凧を飛ばそう!!わぁーい!!
     父さん!!丘へ行って来まーす!!」

         ロン上手へ、走り去る。
         入れ代ってロンの父、下手より登場。

  ロンの父「ロン?風が強くなってきたから危ないぞ!家の中へ
        入るんだ!ロン・・・ロン?」

         風が吹き抜け、人々慌てた様子で、往来している。

  人々口々に「わあーっ!!」
          「キャーッ!!」
          「竜巻だわ!!」
          「大変だ!!」
          「逃げろ!!」
          「早く安全な場所へ!!」

  女の子「(走り登場。)私の大切なぬいぐるみがー!!ママに
       買ってもらった大切な宝物なの!!待ってーっ!!
       あーん・・・あーん・・・待ってーっ!!風さん!!私の
       宝物を返してーっ!!あーん・・・(泣きながら去る。)」

         人々去り、パピ、レミ前方へ。

  パピ「あはははは・・・」
  レミ「(杖を取り上げる。)パピ!!いたずらはよくないよ!!」
  パピ「レミ・・・」
  レミ「見てごらん、町の様子・・・。ハリケーンの後みたいだ・・・。
     妖精は人間の友達なんだよ。怖がらせちゃいけない。
     迷惑もかけちゃいけない・・・。人間に僕達は決して見えな
     いけれど・・・心で仲良くしたいと願えば、人間達は温かい
     思いを感じ取ってくれるんだ。」
  パピ「レミ・・・」
  レミ「森に戻って、君は天使先生に色々と、一つ一つ習うべき
     だよ。」
  パピ「・・・いやよ・・・」
  レミ「屹度、パピの天使先生は、君がいなくなって、捜し回って
     いると思うよ・・・。」
  パピ「嘘よ・・・」
  レミ「それに天使先生が、先生としての役目を果たせなかった
     ら、大王様にどんなお仕置きをされるか・・・」
  パピ「お仕置き・・・?」
  レミ「うん。僕も自分の力で、経験を重ねながら、風を創造する
     力を学んでいく。だからパピも・・・パピの先生のところへ
     お帰り・・・。」
  パピ「レミ・・・」

         音楽流れ、パピ、レミ歌う。

     レミ“いつでも側にいて       コーラス“感じる
        見ている君を                温もり
        頑張って努力している          思いだけ”
        その姿”

     パピ“私も頑張るわ         レミ“君のことを
        あなたのように           見ているよ
        一人前の妖精に          近くで”
        なる為”
                           コーラス“側で”

  大王の声(エコー)「こら!!エンゼル!!パピがこの世界を
              目茶苦茶にした責任は、全ておまえにある
              のだぞ!!」
  エンゼルの声(エコー)「大王様・・・」

     パピ“考えもしないで
        決まりを守らず
        心赴くまま
        自由にしたため”

     レミ“君のしたことを         コーラス“したこと”
        償う為に
        天使先生のところへ”

     パピ“私帰るわ
        謝る為              コーラス“今
        私のしたことを               したこと
        許して欲しい”               心から”

  パピ「また会える・・・?」
  レミ「うん!勿論さ!!君がちゃんと勉強して、本当の妖精に
     なれたら、2人で一緒に世界を創造していこう!」
  パピ「ええ・・・分かったわ!!屹度よ!!(上手へ走り去る。)
      」
  レミ「また会おうね!!(大きく手を振る。)君は独りぼっちだっ
     た僕に、仲良く声を掛けてくれた・・・初めてできた友達だ
     ったんだよ・・・。」

    ――――― 第 6 場 ―――――

         場面変わり、天界。
         音楽流れる。

     コーラス“天の国の裁判だ
           大王の判決
           受ける場所だぞ
           天の国の裁判だ
           大王の判決
           受ける場所だぞ”

  大王「それではただ今より、天界裁判を行う。掟を破り、妖精の
      好き放題にさせ、町を目茶苦茶にしたエンゼル・・・前へ
      ・・・。」
  エンゼル「はい・・・」

         上手よりパピ、走り登場。大王の前へ。

  パピ「待って、大王様!!エンゼル先生は何も悪くないわ!!」
  大王「そなたは・・・」
  パピ「私はパピ!!レミの杖を使って、町を目茶苦茶にした悪
     い妖精です!!」
  エンゼル「パピ・・・」
  パピ「・・・あなたが・・・私の先生・・・?」
  エンゼル「(頷く。)心配したよ。」
  パピ「エンゼル先生、ごめんなさい!!」
  大王「おまえは自分がしたことを、本当に分かっているのか・・・
      ?見てみるのだ、パピ、この町の様子を・・・」
  パピ「え・・・」
  大王「おまえが、好き放題に風を起こして、町を目茶苦茶にして
      しまったのだぞ。」
  パピ「私・・・」








         ――――― “パピ”3へつづく ―――――










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      (どら余談^^;)

      このお話しに出て来る、“大王様”と“エンゼル”さん、
     来年の記念公演作品の中で、重要な役所として登場
     します(^^)2人のこと・・・覚えておいてくださいね♥
     
     勿論、記念公演作品の方を、先に書き上げているので、
     この作品の中での出来事は・・・後付けです^^;











        http://www.geocities.jp/littlepine2005/ 

      http://blogs.yahoo.co.jp/dorapontaaponta
 
         http://blog.goo.ne.jp/axizgoo7227