(⌒▽⌒)アハハ! トラウマなどという、大それたものではないけれど…。
心の友とも言うべき大の仲良しさんが亡くなって、今年で、もう、13回忌が過ぎた。
彼女が上京して、一緒に、最後の夜を過ごしたのが、新宿南口にある、小田急センチュリーホテルだ。
サザンタワーの上にある。
すぐ下にはJRが、何本も走っていて、新宿御苑や代々木公園も見える。
左にはスカイツリーと右には東京タワー。
子供ならずとも、時間を忘れて見惚れる景色だ。
彼女は東京生まれの東京育ち。
縁あって、北陸の金沢に嫁いだ。
北陸は、食べ物もおいしいし、文化度も高いし、良いところだ。
ただし、天気に関しては、冬の東京の澄み渡った青空には負けるようで、寒い季節になると、上京してきた。
なんでも、彼女の唯一のわがままで、冬の上京は、結婚時の約束事のようだった。
もう、実家もない彼女にとっては、東京でのホテル暮らしは、贅沢ではあるが、何よりの心の支えだったのだろう…。
彼女の上京に便乗して、何回かは、私も一緒にホテル暮らしを堪能した。
渋谷、銀座、新宿…と、平凡な主婦にとっては、心躍る、夢のようなひと時だった。
12年前の3月。
町田にある「武相荘」を見学し、センチュリーホテルに戻ってきた。
思えば、町田にいる頃から、体調が悪そうだった。
ホテルに戻ってきてからも、口数少なく、ベッドに横になってることが多かった。
翌日は、親族のお墓参りに行くから…と、東京駅まで見送った。
それから、1週間。
朝早く、ご主人様からの電話で、彼女の訃報を知った。
亡くなる前日の、優しい、彼女らしいメールが、私のかけがえのない宝物だ。
「今、るいさんと東吾様(「御宿かわせみ」)のTVドラマを見終わったところよ。
外は、雪がちらほら降ってきた…。
ひどくならないうちに、買い物に行ってくるわ…」
もともと、内田先生の光彦さんがご縁で仲良くなった二人。
好みの役者さんも一緒で、初めての海外旅行も、アンの島にしたほど、何もかも、ぴったり合っていた人だった。
そのころ、私は、足を悪くしていたから、一人旅は危なかったのだが、すぐに、金沢へ。
まだ、北陸新幹線がないときだった。
異郷から嫁いだ彼女だったが、持ち前のお世話好きで明るい性格からだろう…。
数えきれないほどの友人に囲まれての旅立ちとなった。
「私、やっと、加賀の女になったんよ…」と、はにかんで言ってた彼女の笑顔が浮かんでくる。
そんな彼女との最後のホテルの入ってるサザンタワー。
友人達との会合に始終利用してた場所だった。
が、なんとなく、足を向けることに戸惑いがあったのだが…。
いつも、そんな考えを吹っ切らせてくれる友がいる。
いつまでも、うじうじと、過去のことにとらわれず、前を向かなくては…。
忘れてなんか、いないからね! いつも、心の中にいるからね