>>懸念 「素手トイレ掃除は、「公共の精神」や「自己犠牲」といったナショナリズム的な思想とつながる・・・・」
掃除で、美しい日本人の心を育てる ー。そんな価値観を持った先生を通して、"トイレ掃除運動"を採り入れる学校が増えている。
埼玉,奈良、兵庫、石川、茨城など全国各地の高校や中学校でも、「素手トイレ掃除」が行われている。宮城県の中学校では、PTAも巻き込んで素手でトイレ掃除が行われている。横浜市は2010年度から、中田宏前市長の肝いりで市内の全小中学校計500校で、用務員の仕事であるトイレ掃除を生徒が行うことが奨励されている。
掃除で、美しい日本人の心を育てる ー。そんな価値観を持った先生を通して、"トイレ掃除運動"を採り入れる学校が増えている。
埼玉,奈良、兵庫、石川、茨城など全国各地の高校や中学校で、「素手トイレ掃除」が行われている。宮城県の中学校では、PTAも巻き込んで素手でトイレ掃除が行われている。横浜市は2010年度から、中田宏前市長の肝いりで市内の全小中学校計500校で、用務員の仕事であるトイレ掃除を生徒が行うことが奨励されている。
便教会は、「教師の教師による教師のためのトイレ掃除に学ぶ会」である。二〇〇一年、愛知県立碧南高校(碧南市)の元教諭、高野修滋さんが立ち上げた。二〇一七年には一一〇都府県に広がり、全国でトイレ掃除を励行する先生を育てている。高野さんによると、便教会の目的は掃除指導法の普及ではなく、「生き方を伝えていくこと」だという。
トイレ掃除の提唱者・鍵山氏は、車用品販売会社「イエローハット」の創業者である。創業時から清掃に力を入れ、素手によるトイレ掃除を実践してきた。掃除による社員教育で社風を変え、会社を成長させた経験を広げようと、一九九三年、トイレ掃除を実践している企業人らと一緒に、「全国掃除に学ぶ会」を岐阜県で開催。その後、トイレや街頭を清掃する「掃除に学ぶ会」が全国に広がった。同会のホームページによると、二〇〇〇年には第一回日本を美しくする会全国大会が開かれ、一二〇〇人が参加している。「日本を美しくする会」は二〇〇七年、NPO法人になった。
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┗■ 便教会への懸念
朝日新聞記者の杉原里美氏は,便教会組織とその活動主旨に関して次のような懸念を示している。
便教会は、日本を美しくする会の支部のような位置づけで、日本を美しくする会は、教師が掃除を学ぶ「鍵山教師塾」の主宰もしている。鍵山教師塾の開催場所は毎年、靖国神社や伊勢神宮といった有名神社だ。鍵山氏は、憲法改正を目指す運動団体「日本会議」が主導する「美しい日本の憲法をつくる国民の会」の代表発起人でもあり、素手トイレ掃除は、「公共の精神」や「自己犠牲」といったナショナリズム的な思想とつながっているようにも見える。
★☆★☆★☆★☆★ 「バックナンバー」 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
・ 掃除で心は磨けるのか-その是非を考える-その2 2019-05-26 00:05:31 |
・ 掃除で心は磨けるのか-その是非を論じる-その1 2019-05-23 01:26:58 |
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日本会議の実態に迫る本ー,『ドキュメント 日本会議』-------
今,憲法改正運動で,重要な役割を果たしているとされる「日本会議」が注目を集めている。日本会議は今年で結成20年を迎え,その勢力を拡大している。
1997年に結成の日本会議は全都道府県に250の地方支部を持ち,会員数は約4万人といわれる。憲法改正をめざし活動しているが,政治団体としての届けをしていないこともあって,その実態は不明な点が多い。
新刊,『ドキュメント 日本会議』(藤生 明著)は,どのように誕生し,今日に至ったのか,日本会議の実態を綿密に調査分析している
ドキュメント 日本会議 (ちくま新書1253) | |
藤生 明 | |
筑摩書房 |
著者: 藤生 明(ふじう・あきら)
1967年,埼玉県生まれ。91年,朝日新聞社入社。長崎支局,筑豊支局などをへて,AERA編集部へ。10年余り在籍し,記者・デスクとして石原都政,右派言論のほか,創価学会などの宗教分野を重点的に取材。大阪社会部で「橋下現象」を取材した後,2014年からは東京社会部で専門記者として「右派全般」を担当。現在,編集委員を務める。