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九州の食品卸のヤマエ久野-着々と関東,関西市場を開拓-その1

2019-08-13 22:02:36 | 九州の流通業界(商業・サービス)

 九州を主体に西日本が地盤の食品卸のヤマエ久野(本社福岡市・福岡証券取引所上場)https://www.yamaehisano.co.jp/index_h.html は,マエ久野と,子会社29社で構成され,食品を柱に,砂糖や粉類を扱う糖粉・飼料畜産関連,住宅・不動産関連を取り扱う総合卸である。食品は強みとする加工食品,酒から農産,畜産,水産,惣菜の生鮮品まで幅広く扱っており,九州での存在感は同業社を圧する。

 ヤマエ久野の2018年度の連結業績は,売上高が前年比14.1%増の4887億400万円,経常利益が同9.7%増の38億9900万円と,増収増益で着地。売り上げの4分の3を占める食品関連事業が,売上高で15.2%,セグメント利益で21.3%と,それぞれ二桁伸長したことが業績の拡大につながった。同社は,2019年度連結売上高5200億円,経常利益50億円の目標を掲げている。昨年11月には,次世代問屋機能の構築に向けたAIプロジエクトを発足。庫内レイアウトの変更による物流の効率化,IT活用による事務作業の削減などの取り組みを進めている。
 
 ヤマエ久野グループは,2017年4月にスタートした新中期経営計画「GRADE70」(平成29年度~平成31年度 )では,人口減の中で生き残っていくには大都市での事業展開が不可欠とし,九州外でのシェアアップを掲げ,2019年度はs州以外の売り上げを4割まで拡大する方針を打ち出している。

 これに基づき,2017年度は業務用酒卸のみのりホールディングス (HD・東京)や春日や (千葉),レストラン向け食材・ワイン卸のTATSUMI (東京)など,関東の事業者を相次いで買収。みのりHDは,河内屋及びジェノスグループを含む7つの事業会社を傘下とし,首都圏エリアを中心に料飲店・レストラン・高級ホテル等,約10000軒の顧客を有する業務用酒類卸売業のリーディングカンパニーである。

 昨年度はこれらの企業が業績向上に寄与して関東エリアの売り上げが伸長した。連結での関東地区の売り上げは1159億円で大幅増収を達成。九州以外の売上高比率も33%まで拡大した。さらに,2018年4月には名古屋に営業所を開設,東海地区の開拓にも乗り出している。

 

 ヤマエ久野の企業概要

商号 ヤマエ久野株式会社
本社 〒812-8548
福岡市博多区博多駅東2丁目13番34号エコービル
設立年月日 1950年(昭和25年)4月27日
代表取締役 会長CEO 網田 日出人(おうだ ひでと)
社長COO 大森 礼仁(おおもり ひろと)
資本金 1,025,960,600円
従業員数
(2018年3月31日現在)
1,054名(単体)
3,067名(連結)
事業所数 26カ所
主な事業内容 当企業グループは、当社、子会社29社で構成され、主に一般加工食品・冷凍食品・小麦粉・酒類等を仕入れ並びに農産物の加工・弁当惣菜の製造を行い、コンビニエンスストア・量販店等に販売するとともに同商品の共同配送作業と住宅資材・木材加工及び製品を建材・木材店に販売する卸売業であります。
上場取引所 福岡証券取引所

  出所:https://www.yamaehisano.co.jp/index_h.html

 

   月刊激流2019年09月号 (食品卸 小売業発の激震でシェア混沌/各社トップインタビュー)

特集
食品卸「小売業発の激震でシェア混沌」
(急がれる新事業、新機能の開発)

■イオン、三菱決裂で巻き起こるサバイバル競争の新局面

●三菱食品
・踊り場の今期に培う持続的成長への基盤作り
●日本アクセス
・物流機能をフルに生かし顧客の囲い込みと稼働率アップを狙う
●国分グループ本社
・全国低温網の構築が完了しビジネス拡大に本腰を入れる
●加藤産業
・営業マンの育成強化で強みの提案型営業に磨きをかける
●三井食品
・商品提案の基礎力を高め不透明な消費環境に備える
●トモシアホールディングス
・新規事業を拡大しパラダイムシフトの対応を急ぐ
●伊藤忠食品
・新技術を積極的に導入し新分野の拡大に邁進
●日本酒類販売
・ヒト、モノ、コトを育て酒類専業卸の機能を磨く
●ヤマエ久野
・九州発の産品と鮮冷で関東、関西の都市部の市場を開拓
●トーホー
・M&Aとグループシナジー最大化で関東のシェアを高める
■大手8社の取扱分野別売上構成比
■食品卸各社の商社、小売業との関係図
■各社トップインタビュー

■流通トピックス
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  国際商業出版発行 980円




 

 


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