コスモス薬品 関東の一都六県に打って出る
コスモス薬品 (本社 福岡市博多区)の関東進出が本格化している。11月末現在の店舗数は茨城4店,栃木2店,千葉と埼玉に各1店。これらは全て郊外型である。加えて小型の都市型店を東京で6店,神奈川で1店展開している。
コスモス薬品は新たなエリア進出時には,店の認知度を上げ,競合から顧客を奪うべく,価格攻勢をかけている。龍ヶ崎店,さくらの森店(茨城県),野田さくらの里店(千葉県),北本本宿店(埼玉県)は,NBの売価はいずれも近隣のドラッグストアを下回る価格設定されている。
破竹の勢いのコスモスにとっての唯一の懸念材料は,キャッシュレス対応されてないことである。対策として,各店舗では「キャッシュレス決済がない分,価格を安くしています」と書かれたPOPが据え付けられている。
コスモス薬品は都市型ではキャッシュレス対応しているが,郊外型では現金のみ。「キャッシュレスの手数料が低くなり,日本全国でキャッシュレスがスタンダードになったときには導入したい」とする。
なお,来年5月までに関東では20店を出す計画で,うち15店は郊外型である。11月開業の栃木の新山店はクスリのアオキの隣。来年5月開業予定の埼玉の東岩槻店は西友跡地に出店した生鮮フルラインのDSダイレックスの近隣。来期6月開業予定の印西西の原店は車で5分の商圏内にスーパーのロピアが出店している。デスカウント決戦となりそうな様相である。
業績・会社概要
コスモス薬品の2020年5月期業績は,売上高6844億円 (前期比12.0%増),経常利益316億円(15.6%増)といずれも過去最高を記録した。
昨年10月の増税時には価格を据え置くことで安さを打ち出し,売上を伸ばした。現在のコロナ禍にあっては,郊外型店舗で食品,日用品がワンストップで買える利便性で売上を伸ばしている。
勢いをかって今期は前期より5店多い新店85出店を計画。うち65店を関西,中部,関東が占める。残りが九州,中国,四国。閉店は4店舗。
今期の見通しは売上高7230億円(前期比5.6%増),営業利益は291億円とほぼ横ばいを見込んでいる。
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