ヤマエ久野 -新型コロナの感染拡大への対応-
新型コロナの感染拡大は,食品・日用品卸の事業環境を一変させている。外出自粛,営業自粛で外食,ホテル・旅館,土産物店,レジャー施設などが危機的状況に陥っているのは周知の通り。これに伴い業務用食品卸も壊滅的打撃を被り,全国各地で中小問屋の倒産・廃業が続出している。九州では,4月に宮崎のくまもと商店(宮崎)が経営破綻し,民事再生法の適用を申請している。業務用卸最大手のトーホーは,21年1月期第1四半期(2~4月)は前期の黒字から一気に大幅な赤字に転落した。
◆ 業態別売上高 (出所:2020年3月期決算および中期経営計画説明会)https://www.yamaehisano.co.jp/ir/pdf/yamae_202006b.pdf
経営順調なヤマエ久野にとって悩ましいのが新型コロナウイルスの影響である。ヤマエ久野の事業の中で特に影響が大きいのが業務用と住関連。中でも業務用は外食店の営業自粛を受け,六月上旬時点でも「売り上げが全く戻っていない」状況にある。
新型コロナウイルス感染禍の影響で,同社の食品関連事業は,外食産業向け販売が減少したが,スーパー・ドラッグストア等小売店向け販売が増加している。
新型コロナウイルス感染拡大への対応策としては,
・生産者・メーカー等と連携し必要な在庫水準を確保
・小売店等からの発注に適時対応可能な体制を維持
・物流ヨストの削減を徹底
を掲げている。
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宮崎県初の「新型コロナウイルス」関連倒産~くまもと商店(宮崎)
業務用食料品卸の(有)くまもと商店(宮崎市)は,「新型コロナウイルス」感染拡大に伴い,取引先が臨時休業するなどして受注が大幅に減少。
4月30日,宮崎地裁へ民事再生法の適用を申請し同日,保全・監督命令を受けた。負債総額は債権者約25名に対して約2億5000万円。
業務用食料品を南九州のホテルや旅館,結婚式場,ゴルフ場,土産店に卸していた。1990年代後半には,5億円を超える年間売上高を計上していたが,他社との競合に加え,配送担当の従業員確保に苦慮するなど販売体制が整わず,2019年6月期の売上高は3億1700万円まで減少していた。
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