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現実を視よ | |
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反日デモでは,上海店の中国人の従業員がショーウィンドーに「支持持釣魚島是中国固有領土」とプリントした紙を貼り出したとかで、物議をよび,「QNlULO(=国売ろ)」なんて偽ロゴまで作られたユニクロ。その創業者が、今の時期に本を出すこと自体、まず勇気がいるのに、その内容がまさにシゲキ的です。
▼著書『現実を視よ』-柳井氏の主張・訴え
日本は停滞ではなくまぎれもなく後退している-。この現実を直視せず,ゆで蛙のごとく,世界で取り残されている日本。日本人の頭がいいというのは過去の話で,誇れるのは職人技だけ。生活レベルは中の下、政治家や官僚は四流、社会主義に染まった日本の政治は資本主義の精神を忘れて現実を直視していないと、辛辣に警告する。 既に日本という存在に何の優位性もないという現実を自覚し,「いい加減に目を覚ませと」と。 そして成長しなければゆで蛙となり頓死(とんし)するだけだと柳井氏は断じる。つまり、一人ひとりが最大の幸福を追求してこそ,国家全体も繁栄できると主張する。
こうした中で、世界に誇れる日本を取り戻すには個人は何をすべきなのか問題を提起。政治家に対しての評論ばかりで自分で考え行動することがなければ,国民(自分自身)の未来は何も変わらないとも警鐘を鳴らす。
ファーストリリングの通年採用、英語公用語化、グローバル化など経営手法は賛否両論がある。だが、ユニクロが外資系企業の真似ではない独自のSP型の衣料品小売業として日本初の売上高一兆円に迫る成長を続けるのは紛れもない事実である。こうした実績に裏付けられた創業者でもある柳井氏の考えには説得力があり共感を覚える。
一経営者の立場でありながら政治家や官僚、そしてマスメディアを表立って弾劾することは、なかなできることではない。まずは、その気概に敬服。
ユニクロはなぜ世界を目指すのか、そしてなぜグローバル化の尖兵となったのか。そして日本はどこへ向かうべきなのか。明確に語られています。
▼『現実を視よ』--内容紹介より--
この本を書くことは、一経営者としては正しい判断ではないかもしれない。だが、書かずにはいられない」。
いまだにほとんどの日本人は「この国は豊か」と思っているだろう。それがいかに「現実」とかけ離れた思い違いか、本書を読めばわかるはずだ。
勃興するアジア経済から目を背け、「未来からの借金」で身の丈の2倍の生活をする日本人。借金を返すどころか「増税」という愚策しか打ち出せない日本政治。
なぜ国民も、政治家も、「稼ぐ」ことを忘れて「貰う」ばかりになったのか。松下幸之助や本田宗一郎が体現した「資本主義の精神」はどこへいったのか。
「グローバル化の尖兵」を自負するファーストリテイリングの経営トップが見詰める世界と日本の「現実」とは。「成功法則」のない時代に企業と個人がもつべき「視点」とは。
「あなたが変われば、未来も変わる」。本書はこの国を愛する企業家が身を賭して著した警醒の書であり、希望の書である。
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