7月,中国浙江省で起こった高速鉄道事故は,私たちを慄然とさせた。高架からぶら下がった車両の映像は世界中を駆け巡り,当局が行った慌ただしい車両隠しやその再発掘作業は,中国の殺伐とした陰の部分を暴露するものでもあった。
日本は大丈夫であろうか。日本原子力学会は,「政府、関係諸機関及び東京電力株式会社が、福島第一原子力発電所事故に関する国民への情報開示が遅れ、かつ不十分であったことに対し、強く遺憾の意を表明し、早急な改善を求める」と,7月4日,改善要請に関する声明(http://www.aesj.or.jp/info/pressrelease/pr20110704.pdf)を出している。
マスコミに対して,福島原発事故では,ひたすら政府、原子力保安院、東京電力の発信する 「データ隠しデータ」 を鵜呑みにしていると,その報道姿勢への疑問は根強いものがある。「隠蔽」そして「情報開示」に関しては,隣国と五十歩百歩の感がある。
このような状況の中で,1985年の日鉱機墜落事故に関して,国土交通省運輸安全委員会が事故原因の「調査報告書」を平易に説明し直した「日本航空123便の御巣鷹山墜落事故に係る航空事故調査報告書」を作成,ホームページで公開したことに,「日本は捨てたものではない」との一筋の光明をみる思いがある。
▼新たな報告書が作成された背景
今回,新たな報告書が作成された背景には,運輸事故や消費者事故の調査で,これまで置き去りにされてきた「被害者の視点」を取り入れようという動きがあった,という。
ノンフィクション作家の柳田邦夫氏は,「今回の解説書は開かれた事故調査への扉を大きく開き,報告書を分かりやすくする仕組みのモデルになる」と評価している。
・日本航空123便の御巣鷹山墜落事故に係る航空事故調査報告書
http://www.mlit.go.jp/jtsb/kaisetsu/nikkou123-kaisetsu.pdf
・柳田邦男さん所感
http://www.mlit.go.jp/jtsb/kaisetsu/nikkou123-kikou.pdf
**次回のブログで引き続き,今回の報告書を事例に,「分かりやすいマニュアル」の書き方を考察します。**
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1985年8月12日、日航123便ジャ ンボ機が32分間の迷走の果てに墜落し、急峻な山中に520名の生命が失われた。いったい何が、なぜ、と問う暇もなく、遺族をはじめとする人々は空前ので きごとに否応無く翻弄されていく…。国内最大の航空機事故を細密に追い、ジャンボに象徴される現代の巨大システムの本質にまで迫る、渾身のノンフィクショ ン。講談社ノンフィクション賞受賞。 | 1985年8月12日、日航123便は群馬県御巣鷹山中に墜落し、520名の犠牲 者を出した。発表された事故原因は圧力隔壁破壊。だが、その結論には多くの専門家が首をかしげた。何が隠されたのか。元日航機長の著者は、各種の資料を収 集し、事故原因を追究する。そして、ついに内部告発者があらわれ、隠されていた証言が事故の真相と隠蔽の構図を浮き彫りにした。迫真のノンフィクション。 | ||||||||||||
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あの夏の大惨事から20年…。なにが「真相解明」をはばんだのか?未 曽有の事故の原因は…現場確定が遅れた理由とは…疑惑を呼ぶ自衛隊の行動…なぜ米軍は救助を中止したのか…事故調査委員会が結論を急いだわけは…?特別付 録JL123ボイスレコーダー+CG映像DVD。ついにすべてが明らかになる。事故機コックピット内・緊迫のやりとり。 | 「お父さんは男です。お母さんは?」という問いに、「お母さんは大好きです」と答えた子ども―。こうした、みずみずしく柔軟な感性に触れることが、自由な発想を失い、日々辛さを感じながら生きている大人の心を刺激する。人生を見直したい人に向けた一冊。 | ||||||||||||
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