九州主体に西日本が地盤の食品卸のヤマエ久野(本社福岡市・福岡証券取引所上場)https://www.yamaehisano.co.jp/index_h.html は,当企業グループはマエ久野と,子会社29社で構成され,食品を柱に,糖粉・飼料畜産関連,住宅・不動産関連を取り扱う総合卸である。食品は強みとする加工食品,酒から農産,畜産,水産,惣菜の生鮮品まで幅広く扱っており,九州での存在感は同業社を圧する。
同社は,2019年度連結売上高5000億円,経常利益75億円の中計大目標を掲げている。前期は積極的なM&A政策もあり,売上高は4183億円 (前期比12・9%増)と,4000億円の大台を初めて突破した。今年の6月22日付けで,社長だった綱田(おうだ)日出人氏が会長CEOに,副社長だった大森礼仁氏が社長COOに就任する新体制を発足させ,網田会長が経営とM&A,大森社長が本業の執行を務める二頭体制に移行している。
ヤマエ久野グループは,2017年4月にスタートした新中期経営計画「GRADE70」(平成29年度~平成31年度 )では,人口減の中で生き残っていくには大都市での事業展開が不可欠とし,九州外でのシェアアップを掲げている。そして“首都圏エリアの販売シェアの更なる拡大”を基本戦略の一つの柱とし,事業展開に取り組んでいる。首都圏エリアでは,埼玉県戸田市の三温度帯の新センターが稼働し,取引の拡大に貢献。今期も順調に伸ばしており,関東だけで売り上げ1000億円を見込んでいるという。対して関西は売上が伸び悩んでいる。
M&Aでは,前期は昨年9月に業務用酒卸のみのりHD(東京)を,12月には同じく業務用酒卸の春日や(千葉)をグループに加えた。年明けの1月に建設業の日装建(熊本),2月にはレストラン専門の食材とワインの卸会社,TATSUMIを買収した。みのりHDは,河内屋及びジェノスグループを含む7つの事業会社を傘下とし,首都圏エリアを中心に料飲店・レストラン・高級ホテル等,約10000軒の顧客を有する業務用酒類卸売業のリーディングカンパニーである。
これら買収した企業には二つの共通点がある。
その1)はヤマエ久野の事業領域の周辺事業の範疇にあること。
その2)は利益率の高さである。みのりHDは業務用酒販卸として全国2位の規模,経常利益率は1.07%と,1%未満がほとんどの大手総合食品卸を上回る。
◆ヤマエ久野の企業概要
商号 | ヤマエ久野株式会社 |
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本社 | 〒812-8548 福岡市博多区博多駅東2丁目13番34号エコービル |
設立年月日 | 1950年(昭和25年)4月27日 |
代表取締役 | 会長CEO 網田 日出人(おうだ ひでと) 社長COO 大森 礼仁(おおもり ひろと) |
資本金 | 1,025,960,600円 |
従業員数 (2018年3月31日現在) |
1,054名(単体) 3,067名(連結) |
事業所数 | 26カ所 |
主な事業内容 | 当企業グループは、当社、子会社29社で構成され、主に一般加工食品・冷凍食品・小麦粉・酒類等を仕入れ並びに農産物の加工・弁当惣菜の製造を行い、コンビニエンスストア・量販店等に販売するとともに同商品の共同配送作業と住宅資材・木材加工及び製品を建材・木材店に販売する卸売業であります。 |
上場取引所 | 福岡証券取引所 |
出所:https://www.yamaehisano.co.jp/index_h.html
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