老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

漠然とした不安の中で

2011-06-02 15:10:25 | 原発
福島第一原発というパンドラの箱は開けられ、爆発によってもたらされた事故のために未だに放射能物質をたれ流し、大気と海を汚染し続けています。

そんな中で首都圏のある地域がホットスポットと呼ばれる汚染度の高い地域であるという情報がネットによって拡散されました。その中のある自治体は、さっそく自らの地域の放射能の数値を測定し、確かに測定値も高い値が出ました。

そしてそのあたりから、その地域に住む子どもと大人の体調不良の情報が、ネットに多数寄せられるようになりました。鼻血がでた。下痢をした。喉が痛く咳が止まらない。集団で食中毒のような症状を出した子ども達がいる。等々。

放射能は目にも見えず、匂いもなく、気配さえも感じることが出来ません。ある「福島原発事故を考える」というブログには、我が子の汚染を心配する母の悲痛な声が載っていました。

「直ちに健康に影響はない」「大丈夫です」「安全です」。こんな政府発表は、少しもこの地域に住む人々を含めた国民を安心させてはいないのです。

政府は、子ども達に関する放射能の限度数値を上げ、東京電力も政府も情報を隠蔽しようとしました。大事な情報が酷く遅く発表されるか、発表された時は既に終わった後だったりしました。そして人々は疑心暗鬼になり、政府や東京電力のどんな情報も信じられなくなりました。

「人々を不安にさせない方法は出来るだけ早く事実を公表する事だ」と誰かの言葉で聞いたことがあります。私達も「事実を公表したら、国民がパニックになるから…」などと変にものわかりのいいこと言っていてはいけません。

疑心暗鬼というのは恐ろしい幻影を作り出します。ネットでは「耳のないウサギが生まれた」「顔の真ん中に穴が空いたハムスターの赤ちゃんが生まれた」という情報が画像付きで飛び交っています。真偽のほどは分かりません。

そんな中で、ホットスポットと言われる地域で、こうなったら自分達の身は自分で守るしかないとグループを立ち上げた若い親御さん達もいます。先ずは自分達の足元から、どのくらいの汚染状況が広がっているかを知り、少しでも怪しいものは除去していこう、そのためには市に働きかけようと、真剣に考えている人達もいます。

私達は漠然としたした不安の中で、冷静に用心し、「汚染」されたものには近づかず、国や行政に必要な支援や対応を働きかけていく事が必要なのです。

一度開けられてしまったパンドラの箱はもう閉じることはできません。それは汚染された国に生きて行く私達にとって、年単位の長い闘いになると思います。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
パンドラ
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