老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

利権政治・利権行政からの決別 竹中平蔵氏らを水面下に押し込めておく方策

2021-05-11 20:05:44 | 社会問題
流水さんの投稿を読んで私はこんな風に考えてみました。

例えばパソナ色に染まってしまっている社会を、どうしたらその色を意識しないでいられる社会に出来るか、に興味があります。

こんな経験があります。知人が国の支援をうけた新規事業を以前に始めました。経産省主導の育成支援で、6年ほど前支援先選定で選ばれ、インキュベーションの3年間、研究費と人件費を国が面倒みるというものであったようです。

ひょんなことから私の持つ余剰の資材・器材を彼に譲ることができ、直接取引と思っていた所、間にパソナが入るという指示があり、あれと思った次第です。

これがパソナの存在を身近に感じた最初の出来事でした。国主導の新規事業育成の構図中にパソナがなんでチョコンと食い込んでいるのか、正にパソナと経産省の利権行政の実例の尻尾をつかんだ瞬間であったと思います。

想像するに、霞が関役人と企業との間で練り上げられる政策立案作業中に、現代版口入屋稼業のパソナ(電通もそうだろう)も絡んでいるという構図があるのでしょう。

“オリンピックの構図”も、“道路の端に自転車用のマークを付けつつある構図”も、“信号機に視覚障害者用のスマホ連携システム機能をつけようとする構図”も、"英国様タクシーに模様替えさせることでトヨタに数百億円の支援を行っている構図”も典型でしょう。

我々市民が、選挙だけが手段ではないだろうが、最低限の努力目標である選挙を通じてコントロールするということさえ怠っていたがために、放任していたがために、気がつけば社会がパソナ色・電通色になっていたということでしょう。

ではどうしたら良いか。皆が選挙に行けばはたしてそれだけで解決するのか?

相手は権力を持っている。世論をコントロールする術を持っている。如何にも世間受けするような見せかけ上手の施策を作る小賢しさを持っている。協力部隊(公安・警察の調査力やマスコミの情報操作力など)の力技で誤誘導することもお手のもの。

こんな強面の相手にどうやったら。やはり地道ではあるが味方となるファンをいかに増やすかが重要と考えております。

それには
○市民にしか発想できない、市民にしかできない仕事を考えて提案していき、役人をも巻き込み利用していくことが必要でしょう。
○上の活動により対立軸が明確化し、よって真に協調できる政党が明らかになって行く。

如何でしょうか。

私見を更に述べると、一つのプランとして国土お助け活動というものを考えてみました。

例えば豪雪で難渋する事態が今年もありました。また豪雨や台風で痛めつけられた地域の復旧作業も対象になるでしょう。基本は自助で乗り越えることが求められます。共助もかなり機能していると思います。が肝心の公助の不十分さは該当地域の住民アンケートでもよく公助を期待する指摘がされています。

この市民の公助に対する期待があるものの不十分である、という隙間(niche)を見つけることが大切と思っております。

小さな活動でもいい、その隙間を埋める作業が支援を期待している市民から歓迎され、ファンを増やし世の流れを良い方向に向ける力となるのでは、と考えております。

期待できる良い点を列挙しますと、
1. 非正規で常用雇用でない人を働き手として考えております。それらの人にスポット的ではあるが働く場を提供できる。
2. 多くの都会暮らしの人に、都会とは違った環境の実体験をする機会を与えられる。
3. 少なくとも援助を受けた地域の人と支援活動に参加した人がファンになってくれる。
4. 支援活動に参加した都会の人が非都会に活動の場を移す契機となるかもしれない。

反対に問題点と課題は資金になるでしょう。少なくとも数億円が毎年用意できるか、が課題と考えております。

先のない年寄りから幼稚園児・小学生・中学生にむけた“年寄りから最後に伝えたいこと”といった本を出せれば良いな、その販売資金がもしも手に入るなら、また何か他のことを考えてみたいな。と言ったことありますが、そこに繋がるアイデアです。

以前老人党でアイデア合戦なるものを展開したことがあります。この場でもそんなことが出来れば良いな~、と思ったりしております。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
yo-chan
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外交に無能な政治家が軍事を語るな!

2021-05-11 16:24:49 | 自民党政治
ウイルス禍の憲法記念日を過ごして思った。自民党には日本国憲法(平和憲法)の成り立ちや意義を理解している国会議員など、いないだろうなぁと。政治家なんだから、思っていても発言しなかったらアウト!と判断する。

改憲派やネトウヨに「憲法、憲法とお題目ばかり」などと言われようが、戦後の立ち位置を変えないことが重要で、最期の一人になっても護憲の旗竿を持ち続けることを説いた老人党の主宰者「なだいなだ」さん。その流れから湧きい出た「護憲+」がネット上で”平和憲法”を堅持する意義は大きい。

5月連休中、米国に住む旧知の友とzoomで話をした。一番の話題は、世界各国のコロナウイルス対応についてだった。彼の住む州ではほとんどの年配者がワクチン接種を済ませ、すでに政府からの生活支援金は3回配付されたという。そして、配付金を回収するような結果にならないように、税金の一部が免除されるとのこと。家族を抱える彼は目下、生活支援につながる情報をネット検索するのが仕事だと笑っていた。

私が菅義偉(以下、ガースー)政権のワクチン失政について嘆くと、彼は日本(人)はおとなしくて不思議だという。
「菅さんはアメリカへ何しに来たの?国際的にワクチン確保はビジネスだよ。ファイザー社に電話して商談したわけじゃない。ファイザーは口約束など通用しない、ビジネスだから。政治的に考えれば、バイデンに『ワクチンをもっと都合して』とアピールしなければ」

まったく、その通り。ガースーは官房長官時代の記者会見で東京新聞・望月記者と向き合わずテキトーに逃げ切った実績と、相手の顔色うかがいの狡猾で小手先の発想しかないので、責任を持った主体的な交渉ができない。「日本の総理大臣が来て、ひと声かけたんだから、うまく取り計らってくれるだろう」「(具体的なことは官僚が)空気読んで動けよ」という感覚か。筋を通さずワガママ通すから、日本学術会議の任命拒否問題や我が子の不祥事対応のような呆れたコトをやってのける。

2度も政権を投げ出した安倍晋三も愚の骨頂で、みそぎが終わり国民も忘れたと勝手に思って自民党の改憲派トップに返り咲こうとしている。これが日本のトップを務めた政治家だから呆れる。責任を取らないヤツが責任ある役職に立つなっ!憲法の趣旨すら理解していないこの男には、日本国憲法の書写でもさせたほうがいい。

物事の趣旨と言葉を大切にしない政治家は、国を亡ぼす。格言やことわざを知らない政治家も。ガースーは「笛吹けど、踊らず」と苦々しくワクチン接種の不手際に腹を立てているだろうが、段取りも整えず上手に誘いもせず、現場を考えない独断専行・上意下達では成功するわけがない。

馬の耳ならぬ、スガの耳に念仏。独りで勝手に念仏踊る前に、日本学術会議の不手際を詫びて解決しなければ、ダメです!その体質を直さなければ。今どき富国強兵か?学問・基礎研究を軍事に利用するとか考える前に、アンタが上手な外交の学問を研究しなさい!

「護憲+コラム」より
猫家五六助
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菅自民党政権の危険性が増大している

2021-05-10 16:44:10 | 自民党政治
(1)憲法改悪へ加速しつつある状況(コロナ危機の逆用⇒火事場泥棒的行為)

5月6日、国民投票法改正案が衆院憲法審査会で採択され、成立した。自民党は、立憲民主党が提示した付帯決議案を呑んで成立を急いだ。

この国民投票法改正案(自民党案)は、憲法改正の発議が国会で成立した後、国民投票にかける前、メディアを通じてのCMなどに規制がかけられていない。要するに、メディアを通じて徹底的にプロパガンダが可能、というのが自民党案。つまり、国民をプロパガンダで洗脳し、憲法改悪をしてしまえば、何でも可能という腹積もりなのだろう。

これに対し、立憲民主党は、CM規制などについて、「改正後3年を目途に、必要な法制上の措置その他の措置を講じる」という文言を付則に明記するように要求。自民党が丸呑みして、法案が採択された。

立憲民主党の腰砕けも、党内事情と国民民主党との野党協力を巡っての駆け引きなど、種々の事情があるようだが、かっての民主党時代の党内事情と同じく、相変わらずである。憲法改悪阻止の国民運動は、常に野党の監視を怠ってはならない。

(2)コロナ危機に応じて、「緊急事態条項」を憲法改悪の目玉にしようという論理

🔸【無恥・無知】の人たちが、国民に対しては、【鞭】の人になるための憲法。

自民党など与党内の右派(神道政治連盟や日本会議系列など)の連中は、安倍・菅政権のコロナ対策の失敗の要因を、日本国憲法に【緊急事態時要項】がない点に求め、このような危機に対応するために、【緊急事態条項】を盛り込んだ憲法改悪の機運を盛り上げようとしている。

コロナ危機対策の失敗は、その大半は、安倍・菅など右派連中の統治能力の欠如に由来している。この問題については、この掲示板でも折に触れて書いた。

彼らの特徴は、己の識見の無さ、知識の無さ、言語能力の欠如、能力の無さ、弱者にたいする想像力の無さ、恥を知らない、自らの言葉や行為に対する反省の無さなど、数えきれないほどの「無いない尽くし」のくせに、絶対に反省しない点にある。一言で言えば、【無恥・無知】の人でありながら、国民に対しては、【鞭】の人なのである。

◎右派(歴史修正主義者)の憲法改悪の真の狙い
(1)憲法9条(平和条項)をなくす。空洞化する。
(2)立憲主義(憲法が権力を縛る)・・・⇒国家が国民を縛り、命令し、監視する憲法に変える。
(3)日本国憲法が紡ぎだした戦後日本の理念(社会通念になっている)を空洞化し、強者が正義の弱肉強食の社会を創出。

上記の狙いの突破口が、【緊急事態条項】の必要性の主張である。

【緊急事態条項】導入の狙いは、2013年7月29日に行われた東京都内のシンポジュームで麻生太郎の演説で明確に示されている。
※「ある日気づいたら、ワイマール憲法がナチス憲法に変わっていた。だれも気づかなかった。あの手口に学んだらどうか」

当時この発言は世界的にも問題になり、官邸は火消しに躍起になった。当たり前で、欧米(特に欧州)では、ナチス・ドイツ賛美とも受け取れる発言を政治家が行う事は、政治家としての自殺行為に等しい。麻生太郎が欧州の政治家だったら、間違いなく政治生命を絶たれたはずだ。

安倍晋三は二言目には「同じ価値観を持つ国々」とのたまわっていたが、その副総理がナチス・ドイツ賛美とも取れる発言をしたのである。彼らが民主主義のイロハすら理解していないのはこの発言一つで明確に理解できる。

🔸緊急事態条項の危険性

日本の中学・高校で学ぶ歴史ではあまり教えられないが、ナチス・ドイツの権力掌握過程は、きわめて重要で示唆に富んでいる。日本の右派(歴史修正主義者)たちの間では、真剣に学んでいるようだ。

彼らは権力を握る事に最大の関心がある。そして、その権力を維持する事に全力を傾ける。その為には、何でも行う。その意味で彼らは超がつく【現実主義者】。彼らの最大の生き甲斐は、権力闘争の坩堝の中でどう生き抜くかにある。

彼らは、政治理念らしきものや、政策らしきものを語るが、そんなものに興味はない。それらは全て権力闘争を勝ち抜くための方便に過ぎない。権力を勝ち取ったら、過去に語った政治理念や政策などは、屑籠に投げ捨てても何の悔いもない。彼らの脳裏にあるのは、只今現在の権力闘争をどう勝ち抜くかしかない。

彼らに国家的危機管理能力はない。理由は単純明快。国家的危機を本当に乗り切ろうと考えるなら、まず自分自身の運命や行く末など全て捨てなければならない。自らに与えられた権力は、全て国家・国民のために使わなければならない。断捨離ではないが、不必要なものを捨てて、捨てて、捨てきって初めて、その時その時に最も必要な対策が見えてくる。

わたしが「右派(歴史修正主義者)には、本当の意味での『危機管理能力』はない」、と断じるのは、権力に対する妄執ともいえる執念がありすぎる連中が多いから。だからこそ、反対者に対する異様な弾圧も行う。反対者に対する弾圧は、権力獲得が自らのレーゾンデートルの証なのだ。

こういう感性の持ち主は、自分自身の妄執や執念を捨てきる事が難しい。だから、人には「遵法精神」を強要するが、「自分は別だ」と思い込みやすい。

自らを捨て去る覚悟がない人間に、他者が自らの運命を預けるはずがない。だから、他者を従わせるためには、力による「圧政」以外方法がない。憲法改悪の真の狙いは、暴力的な力による「圧政」を正当化するための法整備ができるようにするための【憲法】改悪だと考えて間違いない。

これでは本当の意味での「危機管理」はできない。今や官邸内部や自民党内部では、責任の押し付け合いが始まっている。

この脈絡の中で、【緊急事態条項】を憲法の中に盛り込む重要性を語るとはどういうことか。一つは、「危機管理」の失敗を現行憲法の不備に押し付ける事で責任をチャラにしようという意図が丸見えである。

他の一つは、国民の正当な異議申し立てや反対意見などを力づくで押さえつけ、自らの失敗や無能さを糊塗したり、他に原因を押し付けて、自らの権力維持を正当化するためである。

緊急事態条項自体の危険性については、以前詳細に論じたので、以下の文章を読んでほしい。麻生太郎がなぜナチス・ドイツに学べと演説したのかが理解されると思う。
「緊急事態条項の危険性」2016-05-09 11:10:12 | 憲法
https://blog.goo.ne.jp/rojinto_goken/e/0a8463264ee6e859ca99b2ef9179bae6

(3)周回遅れの新自由主義的改悪の断行;(75歳以上の医療費2割負担を強行採決など)

小泉政権以降、特に安倍政権と菅政権の経済政策の中心人物は、竹中平蔵。一周遅れの新自由主義経済政策を主導。日本を後進国に落とし込んだ主犯。

多くの日本人は、いまだ日本を先進国だと錯覚している。(特に自民党政治家や自民党を支持している地方の有力者など。)しかし、現実の数値は、日本がもはや先進国から滑り落ち、後進国に転落していることを示している。

わたしも何度かOECDの数値を紹介したが、今日はさらに分かりやすい数値を紹介する。

元外務省の孫崎氏が世界最強の情報機関CIAの「world Factbook」から興味深い数値を紹介している。
※World - The World Factbook (cia.gov)

その中で1人当たりGDP(国内総生産)のランキングの紹介が以下のようになる。
●G7(先進7カ国)のランキングは次の通りだ
〇米国:15位 〇ドイツ:25位 〇カナダ:32位 〇フランス;37位 〇イタリア;42位
★日本;44位
●アジア諸国 
〇シンガポール;5位  〇韓国;41位

1人当たりのGDPを見ると、その国の住民がどれだけ豊かさを享受しているかが見れる。今や日本は、アジアでも韓国に抜かれている。「格差社会」の深刻さがこの数値をみても良く分かる。

【一人当たりGDPの国連統計での推移】
比較的変動の大きかった年を抜粋
1990年⇒14位(海部内閣)91年⇒9位(宮沢内閣)94年⇒6位(細川内閣・羽田内閣)
98年⇒12位(橋本内閣)
2002年⇒14位(森内閣) 04年⇒20位(小泉内閣) 06年⇒29位(安倍内閣) 
09年⇒26位(麻生内閣) 10年⇒21位(鳩山内閣)12年⇒20位(野田内閣) 
13年⇒31位(安倍内閣) 17年⇒33位(安倍内閣)

参考までに当時の内閣を書いてみた。民主党内閣が酷かったと言われているが、こうして統計数値を眺めてみると、20位以降に落ち込んだのが小泉内閣から。第一次安倍内閣や麻生内閣と比較すると、民主党内閣では、数値は持ち直している。民主党内閣以降の落ち込みの激しさが目立つ。

20位以降に落ち込んだのが小泉内閣。民主党内閣以降の激しい落ち込みの内閣が、安倍内閣。つまり、新自由主義的経済方針を内閣の方針として掲げた内閣。その結果として、日本の貧困化、窮乏化が激化している。その中心のブレーンが、竹中平蔵。彼こそ、日本の「貧困化」「窮乏化」の中心人物。竹中平蔵の罪は万死に値する、と思う。

菅首相と竹中平蔵の親密な関係は有名。そのため、菅政権の経済政策は、新自由主義的政策一辺倒とでもいうべきもので、なかでも竹中平蔵の影響は甚大だ。菅首相が次々と打ち出す政策のほとんどは、新自由主義的政策。デジタル省の設置とNTTをはじめとするデジタル産業との癒着は有名だ。

学術会議人選の話は、言論弾圧(リベラル・左派言論人の弾圧)の一環。前川喜平の反乱に懲りた政府は、子供省を設立し、文部省を解体し、教育を完全に政府の手に掌握しようというのが狙いだ。

その中で最も酷い政策が、ベッド数の不足が問題になっている病院のベッド数の削減。これがこれまで通り予算に組み込まれている。コロナ渦の中で問題になった過去の医療政策の問題点を何一つ反省していない厚労省の姿勢が良く見える。

現在、ベッド数が足りない、医療崩壊だと騒いでいる大阪府などは、早速それを行おうとしている。新自由主義者、維新の吉村知事の面目躍如。大阪府民や大阪市民などは、近視眼的にならずに冷静に事態を見てほしいものだ。

もう一つ、高齢者医療の改革(75歳以上)。現在、高齢者の窓口負担は1割。それを2割にするという法案が先日強行採決された。しかも、所得制限は実質なし。どういう制度設計にするかは、省令で決めるという。

わたしの妻の例でいえば、彼女の慢性疾患に効く薬はきわめて高価だった。当初は、月12万円を超えていた(月一度の検診)。もちろん、高額医療の制度で半分は返るのだが、それでも結構な額になった。

今回の改定は、この金額が倍になるという話である。つまり、月一度の検診で、毎回24万円を払わなければならない。年間300万近い医療費を払い続けねばならない、という話になる。高額医療の制度で半分返ったとしても、年間150万近い額になる。

これに加えて、健康保険料、介護保険料、住民税、電気代、上下水道代などの負担を考えると、公的料金に年金の全てをつぎ込んでも足りないという話になる。

病気は平等。貧富の差なく、万人に襲い掛かる。年齢が上がれば上がるほど、病気は多くなる。しかし、病院に行けば行くほど、費用がかさむ。それが一気に2倍になるのである。高齢者の多くは、病院に行くのを躊躇するであろう。1月に一度が3月に一度。そのうち、半年に一度になるだろう。そうしているうちに、病状が悪化。手遅れになる人が続出するに違いない。

今回の改悪は、それが狙いなのだろう。身もふたもなく言うと、厄介者は早く死ね。お前たちの長生きの為に国の金など使えるか、という話である。

コロナの恐怖に苛まれている最中に、こんな国民いじめの医療政策を平然と強行する政府や厚生労働省にコロナ対策など期待できるはずもない。

何度も書いて恐縮だが、政治を馬鹿にする国民は必ず政治にしっぺ返しを受ける。悪政というより、もはや【暴政】と言って良い現在の政治状況を変える事ができるのは、国民が選挙に出かけ、現在の政府与党(自民党・公明党・第二与党の維新)にNOの意志を突きつける以外ない。

「護憲+BBS」「政権ウォッチング」より
流水
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“控えめにお節介を焼く老人の会”のようなものがあっても良いのでは(4)

2021-05-10 13:06:09 | 社会問題
日本で貧困・孤立問題が注目されるようになったのは1990年代に増え始めた孤立死・餓死事件からである。その後事例が増えるにつれて社会的に問題化されていき、無縁社会なる言葉も誕生していくことになる。

2010年ころ民主党政権の時代に3人の専門家がかかる状況に対処すべくセーフティネット案を提案している。以下に紹介してみたい。

1.第一の提案:湯浅誠氏(当時、反貧困ネットワーク事務局長)
     パーソナルサポーター制(寄り添い型支援)案

○パーソナルサポーター制が必要になった背景
 血縁・地縁・会社縁が弱くなり、孤立して無縁になってしまう社会の変化に、それらに代わる“縁”が必要とし、それを“パーソナルサポーター制”とした。

○自己責任論との関係
貧困は自己責任と言う人がいる。
日本は例えば女性子育て世帯の失業率は約1%(オーストラリアは約9%)と低い一方、貧困率は約14%(オーストラリアは約11%)と逆に高い。働けど所得が低いワーキングプア状態で、自己責任で片付けるのは偏見であり、構造的な問題が残る社会が日本である。その問題に対処する必要があると考えたい。

○パーソナルサポーター制はどんな形態が望ましいか
湯浅氏は、かかる状況下生活困窮者の抱える問題全体を構造的に把握した上で当事者のニーズに合わせた制度横断的なオーダーメイドでの支援策の調整、開拓等のコーディネイトを行うパーソナルサポーターが必要とし、サポーターは当事者の状況変化に応じて継続的に伴走型で支援を行っていく形が望まれるとした。

○民間主体から官と共同化へ
湯浅氏は2010年に菅政権の内閣参与となり、政策作りに参画している。その結果紆余曲折しつつ現在各地方自治体に“パーソナルサポートセンター”が設置されており、一応は稼働中と思われる。

○ワンストップサービスデイと年越し派遣村
そもそも湯浅氏の活動が注目されたきっかけが、2008年11月から始まった金融危機に端を発する製造業で起こった大規模な派遣契約の打ち切りによる解雇・雇止めを受けての、それに対処するための実効ある年末年始の生活や居住場所の確保を狙った運動であった。

年末年始に住む場所すら確保が困難な多くの人が発生する事態に、ボランティアの動きは活発化する背景ではあったものの、実態は民間の温もり・気合いと国や役人のお座なり感・やってる感の温度差から不充分さが残る、後日の教訓になりうる点を抱えての官民一体の支援活動であったようである。

以下この経緯について興味深い点があるので要点を列挙したい。

1) 効果的な支援策として求職支援・居住支援を含む生活福祉支援・医療支援等の支援を一か所で対応可能なワンストップサービスが望ましいと考え、その常設化・実現化を目論むも常設化は断念。ワンストップサービスデイの実施を11月30日と12月21日に行う事で実現はした。
しかし広報活動を意識的に遅らせているのでは、と思えるようなことがあったり、求職支援活動に注力しているハローワークで生活保護の相談も出来るとなったら求職意欲を失うことになり、反対するという地方自治体の首長も出たりという有様であったようだ。

2) 国と地方自治体の関係を示す好例として、その後の動きがある。ワンストップサービスを国なりに形作ろうとして厚労省は“生活福祉・就労協議会の設置について”という文書を都道府県と中核都市にだして、各都道府県にある労働局単位で“生活福祉・就労支援協議会”組織を作るよう要請した。地方自治体を枠外においての施策化で旨く機能していくか疑問であるが現在も組織は一応は残っているようである。

3) 東京都の“公設派遣村”については官が入ることで「風すさぶテントでの寒さはしのげるといったハード面は確かに良くなったが、”年越し派遣村“で感じられた助け合い・支えあいといったような”温かみ“のような、ソフト面は悪くなった」と感じている。

4) 就労するためには住所が定まっている事が条件となり、その住居に入るためには現状では生活保護を申請するやり方が唯一の方策となっている。しかし住所がないことで良い仕事に就けない人を調査してみると、かなりの人が生活保護までは必要なく住居さえ支援してくれれば後は自分でやるという。
そんな要望からセーフティネットとして住宅手当制度が出来たのは良いけれど、残念ながら要件が煩雑で審査期間も長く給付条件も厳しいという現実的には使えない状況と言う。この点は今後も注視していくべきポイントと思う。

5) 貧困支援活動と自己責任論者との確執は今後も永く続く問題点だろう。

2.第二の提案:結城康博氏(当時、淑徳大学准教授)
     おせっかいの復権

  この提案は後で触れるとして第三の提案を紹介する。

3.第三の提案:河合克義(明治学院大学社会学部長)
     公的ヘルパー制

これは行政が主体となって、声を上げない人、助けてと言わない人にも接触していける権限を持たせた専門家によるサービスである。行政が所管することで個人情報を扱う事が出来、地域から孤立し関係を拒絶している人にアプローチできるシステムである。

この制度は提案者の河合氏が港区の政策創造研究所の所長に就任している利点を生かして特に港区で実績を上げてきている。

○“ふれあい相談員“によるアウトリーチ調査
港区では2011年度から一人暮らしの高齢者支援のため“ふれあい相談員“事業を始めていた。この制度は対象を介護保険や福祉サービスを全く利用していない一人暮らしの高齢者とし、その数は調査から3476人であった。また75歳以上の高齢者のみの世帯(1548世帯)も合わせて対象として調査した。

サービス内容は相談員が一軒一軒訪問して区の福祉サービスに繋げるなどの支援を行うものである。アポイントなしに行政側からアプローチしようとする新たな試みである。

2014年度の活動実績は次のようである。
面会できた人数は一人暮らしの世帯が3272人で訪問率は94.1%、75歳以上の高齢者のみの世帯が1509人で訪問率は97.5%といずれも高い割合で会えており、調査活動が円滑に出来ていることがわかる。

また繰り返し訪問の必要のある高齢者数が228名いる事が把握できたり、介護保険や区の高齢者サービス等に繋げる事が出来た人が1904名、家族・近隣住民・民生委員・関係機関等との相談まで行けた件数が6880件だったりと、孤立しがちな高齢者に寄り添う活動が可能な事が判明した。今回の調査活動から“高齢者買い物弱者支援事業”が政策化されたことも特筆されることであるだろう。

以上、湯浅氏のパーソナルサポーター制と河合氏の公的ヘルパー制について紹介してきたが、最後に表題に掲げた第2の結城氏の提案にも通じる“控えめにお節介を焼く老人の会”について触れたい。

実は背景は正に現在進行中のコロナワクチンの予防接種予約に関する話題です。予約通知葉書が届いたもののスマホやパソコン等のネット環境を持たないデジタルデバイトの高齢の方は、当然ながら家の固定電話を頼りに予約作業を試みることになる。が繋がらず困っているという話題が頻繁に聞こえており、例えばこんな当たりの手助けを考えた場合に表題のお節介を焼く人や組織があっても良いのではと思った事で思いついたネーミングです。

幸いと言うか同じ気持ちを持った人達が実際出てきているようで、今日のネット情報では、ある自治会はその地区のお年寄りの為に代行して予約作業をしてあげているとか、神戸市や福島市が大学生をお助け隊として募集し、その作業を手伝うという報道もあります。

こんな動きをする老人の会もあっても良いのでは、と考えたわけです。但しお節介も“過ぎたるは及ばざるがごとし”、ほどほどにで、ある程度の節度をもつことが大切との思いで“控えめに”を前に付けたわけです。特に時に外から見て問題ありげに見える場合でも、当人及び家族は問題ありません・余計なお世話です、になりかねない微妙な事柄に接することでしょうから。この点は充分に配慮をしていく必要があると考えます。

結城先生もほぼ同じ思いで“おせっかいの復権”と言ったのではと想像します。

やはり孤立して困惑している人々がいるのも事実です。自身途方に暮れるシングル子育て世帯、老齢世帯、不安定な非正規状態の世帯があるのも事実です。精神的にも追い詰められていく人々がいるのも事実です。死んでしまいたい、死んだ方が楽かな、とふと思う心の動きがある人がいるのも事実です。

いろんなヒトや組織が各々の考えで、一つ一つは小さいながらパッチワーク的にセーフティネット作りを目指して世話を焼きあう社会が今必要であり求められているのでは、と思います。官の既製服サイズの種類を増やす触媒になる事も期待できるでしょう。

基本は自助だとする国・政府の考え。一方、共助も公助も必要だと主張する民の動き。
国政府の手は温もりを感じない。やはり差し出す手は温かくあってほしいとする民の動き。
既製服サイズに拘る国・政府 対 セーフティネットもオーダーメイドだとする民の動き。

コスト対効果意識は大切だし、おんぶに抱っこの依存体質を醸成しないか、と心配する声もあります。当然の心配だが、それを承知の上で、やはりいろんな人が、組織が、勝手連的に困った人の為に動き回る事が大切であり、世の中に潤いを与える一助となると思います。

もう一つ大切な視点は、個々の活動が孤立し、ばらばらになるのでなく、互いに刺激し合えるような情報交換・情報発信の場を作ることでしょう。

資金の面では、無駄な所から必要な所へ効率的に移行したい。これは人にも言える事柄でしょう。働く場を作って提案して行くことも必要でしょう。智恵を出して資金を作って行く作業も考えてみたい所です。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
yo-chan
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オンライン署名「人々の命と暮らしを守るために、東京五輪の開催中止を求めます」

2021-05-06 15:44:17 | オリンピック
弁護士の宇都宮けんじさんが東京五輪中止署名を始めました。

「人々の命と暮らしを守るために、東京五輪の開催中止を求めます」
https://utsunomiyakenji.jp/stoptokyoolympic/

昨日の開始以来賛同署名は続々と集まり、今現在の賛同者は61,132筆に及んでいます。

宇都宮さんによれば、5月 17、18日に予定されているIOCバッハ会長の来日までに第1次集約を行いたいとのこと。

日本に暮らす私たち生活者の率直な気持ちをこの署名に集約して、現実を見ようとしないIOCバッハ会長や日本のオリンピック関係者に突き付け、中止の決断を迫りたいと思います。

皆さんも是非署名しましょう!

「護憲+BBS」「イベントの紹介」より
笹井明子
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“控えめにお節介を焼く老人の会”のようなものがあっても良いのでは(3)

2021-05-05 10:55:02 | 社会問題
孤独を感じたり、孤立しているな、と思うことは多くの人に普段見られることであり、殊更何か手を差し伸べなければ、と思わないことも無きにしもあらず、かもしれません。

が例えば1987年1月札幌で起きたまだ小学生と中学生だった3人の子を残してシングル子育て中の母親が餓死してしまった事件(水島宏明、“母さんが死んだ”1994年現代教養文庫)や、2006年2月に起こった母を車イスに乗せながらの思い出の京都市内見物を終えた後、介護で職を失っていた54歳の長男が朝もまだ明けきらない桂川河畔で認知症の母を絞殺し、自身は未遂に終わった殺害心中未遂事件等を、やはり意識しながら人は今を生きる必要があると思っています。

当時何が足りていなかったのか、今は充分手当出来ていて大丈夫なのかをその都度確認していくことは、是非続けていきたいものと思っております。

足がかりとなる幾つかの点を、明治学院大学河合克義社会学部長の本“老人に冷たい国・日本”から拾っていきたいと思います。

1.孤立・孤独の原因

孤立・孤独の原因が何かを考える際、江口英一氏の示した次の視点が参考になります。江口氏は低消費水準生活が基本的な原因として、次のように述べております。

低消費生活をする人は、「個人的再生産費目」と「社会的固定費目」に挟撃されて、低所得低収入なるがゆえに社会生活を維持するために必要不可欠な「社会的強要費目」の支出をも削減せざるを得ず、従ってその社会生活は圧縮され社会的欲望や要求それ自体も次第に委縮し、長期的には心身の衰退、荒廃を招き社会的孤立と孤独の中に追い込まれざるをえないような、そして現にその中にあるような生活の世帯あるいは人々である、としております。

貧困以外の要因もあるでしょうが、そのほかの要因も入り口部分の話であり、その入り口の要因により貧困が引き起こされ、よって孤独・孤立化へと向かうのでしょう。

2.孤立・孤独感は人により強弱がある。最も弱い人、最も強く影響される人を意識して孤独・孤立問題を考えていくことが望まれる

生活していく上で何らかの問題に直面すると、自立心の強いしっかりした人は、その問題を理解しようと努力し、その上で手だてを尽くして回避していく方策を考える。

これで問題を解消できる人が多くいる一方、単に当惑してしまい自ら声を上げられずに途方に暮れてしまう人もいる。こうした状態が長く続くと自分がどのようなことで困っているのかも分からなくなってしまうことになり、その結果生きる意欲まで失ってしまう人もいる。

孤独孤立の問題を考えていく際に、人により影響され方に強弱があるという視点を無視して議論していくと、社会の一部の階層のみを扱う理論となってしまう。望ましい議論は、最も弱い立場の人々を捕捉特定して、その生活実態を正しく把握することから始めることが必要であり重要だと考える。なぜならそうした人々の生活を支えることは、それ以外の階層の生活問題の予防にも繋がるからである。

この予防の視点を大切にすることが重要です。

3.貧困化・孤独・孤立化への道筋はどんな様子か:世田谷区の高齢者調査から

特に都市の場合、住宅の貧困が都市在住の高齢者世帯、特に一人暮らし老人世帯の孤立化・孤独化をもたらすことになる要因となっていると考えられる。

また住宅ローンをはじめ様々なローン負担が共働き世帯化、多就業世帯化、夜勤残業の増大化を引き起こし、住宅の貧困の問題と相まって、結果として核家族化の傾向が強まる。結果として高齢者が世帯から弾き出されることに繋がり、老人だけの世帯の孤立化の問題が増大し、また老親の居なくなった核家族の方は、生活力の弱体化がおこることにつながっていく。

4.政策が作りだす貧困と孤立

2000年以降孤立死、餓死がそれ以前よりも増加している。増加の原因は一つではないが大きく影響を与えているものに政策の在り方がある。

今日の高齢者政策に大きな影響を与えたものに介護保険制度がある。2000年に導入され、生活保障関連制度を大きく変えることになった。

介護保険制度導入以前の高齢者介護に関する公的制度として中心的な役割を担ってきたのは、「措置制度」を基本とする老人福祉制度であった。この従来の制度では高齢者自身の意思によってサービスを選択することができない点、所得審査や家族関係等の調査を伴う点と言った問題が指摘されていた。

2000年4月から施行の介護保険制度は、被保険者がサービスを積極的に受ける権利意識を明確に持てるという利点が強調されている。しかし一方次の点が気がかりな事として挙げられている。

4-1.高齢者福祉のこれまでの行政サービスが、大部分民間事業者に委ねられた。
4-2.よって行政による高齢者問題の把握力の低下が起こっている。
4-3.利用者が自らの意思でサービス内容を自由に選択できるのは大きな利点ではあるものの、これは自身の判断が問題なく出来る状態の人或いは世帯であることを前提にしての議論であって、今考えている自身の問題に押しつぶされかねない孤独・孤立しつつある人々にとっては、自身で選択して申し出なければ物事がスタートしないという、今回の制度への変更が良い方向へのものだったのか。逆にそのような人にとっては制度との距離が大きくなった変更であったといえる。
ここから発想されるセーフティネットが用意されているか否か、が重要なポイントと考えます。
 
5.平成25年度介護保険事業報告によると、2014年3月末現在の65歳以上の高齢者は3202万人。要介護(要支援)認定者は569万人、認定者の全員がサービスを受けてはおらずその利用率は全国平均ほぼ80%と言われており、これを基にすると介護サービスを実際に受けている人は455万人程度になる。よって65才以上の高齢者の14.2%しか介護保険制度を当時利用していなかったことになる。

逆に言うと国は高齢者の15%弱しか捕捉していないことになる。捕捉し認識している15%程度の高齢者で起こっている問題だけを考えていき、全体が類推し推測していけると思うことが不十分であると認識する事が大切である。

残りの85%、人数にして2750万人程の高齢者の中で起こっている生活問題に目を向ける必要があるのは当然である。実際貧困と孤立問題はこの2750万人の高齢者の中でも発生しているのである。

例えばこんな例がある。秋田県の元農家の夫を失って現在一人暮らしの84歳の女性。年金は月25000円、光熱費を払うと残りは1万円程。食費は月4000円程度。山菜とり川魚釣り等で凌いでいるが、生活保護は家・田畑があるので資格がない、と言われている。先祖伝来の土地を手放してまでは保護は受けたくない。そんな生活の中でも医療費に月2500円がかかっており、時に死にたいと思う事もあるという。

高齢者の生活の実態はこのようなケースが多い。光熱費・医療費のUPや年金減額・消費税UPを考える際にはこのような高齢者の生活実態をきちんと認識したうえでの判断であるべきであるし、そのような高齢者の生活実態への温かいまなざしが必要であるゆえんである。

減免等のセーフティネットはどうなっているのでしょうか。

6.福祉サービスの縮小・廃止

在宅福祉サービスを例に2000年の介護保険制度前と後の変化を時系列的に見てみる。

1997年まで 「在宅高齢者等日常生活支援事業」として国は2/3を補助。
1998年   名称が「高齢者在宅生活支援事業」となる。国の補助は同じで2/3。 但し地域の高齢者人口に従い補助の限度額が設けられる。補助が激減する地域もでてくる。
1999年    名称が「在宅高齢者保健福祉推進支援事業」となり、国の補助は1/2となる。
介護保険化に合わせて福祉サービスが再編される動きが進んでいた。
2000年   介護保険制度スタート。名称が「介護予防・生活支援」と更に変わる。
2004年   名称がまた変更され「介護予防・地域支えあい事業」となる。
2006年4月  新たに介護保険制度の中に「地域支援事業」が創設され、それに伴い「介護予防・地域支えあい事業(年間予算約400億円)」が廃止となる。
介護予防に関わるサービスについては一部地域支援事業に移行されたが、それまでの高齢者の為の在宅福祉サービスは消滅した。
2007年   国家予算上の「老人福祉費」が廃止されたことはほとんど知られていない。

以上見てきたことをもとに、ではどうしたら良いか。3人の専門家が2010年頃に対策案を提案しています。
最後にその題目だけを紹介して、その詳細は次回に触れたいと思います。

第一の提案:湯浅誠氏(当時、反貧困ネットワーク事務局長)
 パーソナルサポーター制(寄り添い型支援)案
第二の提案:結城康博氏(当時、淑徳大学准教授)
 おせっかいの復権
第三の提案:河合克義氏(明治学院大学社会学部長)
 公的ヘルパー制

「護憲+BBS」「 メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
yo-chan
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5.3、市民意見広告「武力で暮らしは守れない!」

2021-05-03 16:53:34 | 憲法
憲法記念日の今日、朝日新聞、毎日新聞、福島民報の3紙に、恒例の「5月3日、市民意見広告」が掲載されました。今年のメインタイトルは「武力で暮らしは守れない!」、サブタイトルは「いのち」。

今年の主張は「コロナ禍から命を守れ」「「生存権」を脅かすな」「憲法9条の実現「戦争しない国」」「暮らしは政治です」の章分けで語られています。



※詳細は以下をご覧ください。
https://www.ikenkoukoku.jp/archives/730/

この市民意見広告運動は、2003年5月に「イラクへの攻撃と有事法制に反対する」趣旨でスタート。以来、憲法記念日に誰でも参加できる「紙上のデモ」として、憲法9条や25条の真の実現を通して平和を訴える「意見広告」を新聞紙上に掲載し続け、当初2095件だった賛同件数が、今年は9,883件にまで伸びているそうです。
https://www.ikenkoukoku.jp/about/



「老人党・護憲+」も長年にわたり参加しており、今年も賛同者に名を連ねました。画像中ほどに名前があるのですが、分かりますか?

「護憲+BBS」「イベントの紹介」より
笹井明子
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“控えめにお節介を焼く老人の会”のようなものがあっても良いのでは(2)

2021-05-03 14:47:08 | 社会問題
この2月以降の「孤独・孤立対策担当相」任命後に見られた政府・行政側の動きと、協力要請を受けることになる民間活力体制側の代表的意見を紹介していきたいと思います。

4月2日付けAERAdotで、坂本大臣は担当相就任にあたって以下のように所信を述べています。

日本人の多くは宗教を基にした日常的な繋がりがない。
かつては会社が社員・その家族を支援する仕組みがあったが、それも失われつつある。
坂本氏自身そうだが、多くの人が濃密な人間関係の地方から希薄な都会に移動している。
従って今の日本は誰もが孤独感を感じる可能性の高い環境で生活しており、しかも新型コロナウイルス感染禍で、問題は拡大し深刻化している、というのが基本認識である。

(今までの行政対応)
自殺対策は厚労省、子どもの貧困は内閣府、子ども食堂への食材提供は農水省。
各省庁縦割りになっている現状に対し、今後の孤独対策は横に繋げていく必要があり、各省庁の枠にとらわれない大臣が司令塔になるのが最適と認識している。

(2月以降現在までの行動)
○全省庁会議を開催し、SNS活用・孤独孤立の実態把握・NPO連携の3つのタスクフォースを立ち上げた。
○緊急的にNPO法人への支援策をまとめ、女性と子供支援や自殺対策、生活に困っている人たちに食品を提供する“フードバンク”への財政支援、公営住宅を低価格で貸し出す仕組みなどに予算措置を行った。
○孤独・孤立対策担当室には常駐職員6人、兼務を含めると30人以上を配置した。
○今年6月に策定する経済財政運営の基本方針”骨太の方針“に孤独・孤立対策を盛り込む。

支援を必要とする人は増えている。現場に近いNPO法人や民間企業などの協力が不可欠である。大きなネットワークを作り、支援が必要な人が繋がりやすい仕組みを築いていく、その土台となる政策を考えたい。

以上が新任坂本大臣の直ちに動いた行動と、氏の抱負についてです。

ついで受け皿と目された民間活力実行部隊側の一人と思われる池上正樹氏のブログ(4月1日)から、池上氏の視点からの一連の動きを紹介します。自民党・霞が関等の動きや考え方がつかめる記事と思います。氏は24年間に亘り“引きこもり状態”にある人々にインタビューをしてきている実績を持つ方です。

○2月25日発足の自民党孤独・孤立対策特命委員会(委員長松野博一元文科大臣)の会合が3月22日に開かれ、池上氏も15分間“ひきこもり”をテーマに講演した。
○同委員会は英国に次ぎ世界で2番目となる孤独・孤立対策担当大臣(坂本哲志氏)を任命。
 内閣官房には“孤独・孤立対策担当室”も設置された。
○下村博文政調会長から“孤独孤立と引きこもりは関連性が高い”として、孤独孤立や引きこもりに取り組むNPO等への支援について党の要望を受けて決めたことなどが説明された。
○内閣官房の谷内繁孤独・孤立対策担当室長から、厚労省の自殺対策、生活困窮者や引きこもり状態にある人を支援しているNPOなどに、総額60億円の予算措置がされていることが共有された。また孤独孤立対策に関する連絡調整会議を立ち上げ、ソーシャルメディアの活用や実態把握、関係団体の連携支援についての3つのタスクフォースを編成することなど、政府の取り組みに動きがあったことが報告された。
○招待者の話
① エビデンスに基づく「引きこもり支援の基盤となる法律」や「居場所」の整備などを要望している宮崎大の境泉洋教授(心理学)の話が先にあった。
② 次いで池上氏が永年の引きこもり状態にある人へのインタビュー経験から感じていた問題意識について説明した。

(引きこもりのきっかけ)
学校や職場等の集団生活での社会的ストレスや個人の特性への理解不足などが要因である。
最近のコロナ禍での生活の先行き不安や解雇・雇止めで仕事を失う事例も増えてきており、誰もが孤立しやすい状況が生まれている。
(引きこもり状態に対する手当)
孤立状態に陥ると適切な判断が当人は出来なくなる。よって不安を払しょくするためにも先ずは寄り添って感情や感覚を受け止めてくれる理解者との繋がりが必要とされる。ところが引きこもり支援の現場で使われている2010年厚労省が発表したガイドラインは、精神医療の治療者目線で書かれており、引きこもり状態の要因に多い「社会的ストレス」の視点が欠落し時代にそぐわない点を指摘した。

多くの場合引きこもる本人や親は障害者ではないとの思いから、医療機関に行きたがらない。本人の病識がないことから診断まで辿り着けないことになり、制度からこぼれおちる引きこもり状態の人が多いのが実情である。

”引きこもり支援“、“自立支援”をうたう「引き出しビジネス業者」が存在し、弱みに付け込むことで事態を更に悪化させている場面もある。

従来の”引きこもり支援“は就労目的や訓練主体のパターン化した対応が為されており、引きこもる本人達それぞれが幸せになることに寄り添う姿勢がない人達が作った評価基軸での支援であると言える。新たな「引きこもり支援の認証評価」の法整備やガイドラインの改訂の必要性があるとした。

その他の制度面での要望として精神医療への抵抗感を考慮して診断や障害認定がなくとも利用できる制度や障害年金のハードルを下げること、引き出しビジネス対策の重要性について言及した。

(質疑応答)
Q.引きこもり状態と精神疾患との関係
A.引きこもる人の中には元々精神疾患や発達障害の特性を持つ人、そのことが周囲に理解されなくて集団生活が出来なかった人、長期的な孤立で二次的に発症する人、社会的ストレスから退避せざるを得なかった人もいるので「引きこもり」という状態を俯瞰的に判断出来る人の存在が大切。
Q.“アウトリーチ(訪問支援)”は必要か?
A.引きこもっている本人は人間関係にトラウマを持っていることが多い。アウトリーチは望んでいない見知らぬ人が家に来ることで脅威と感じ、無理に進めるとトラブルになる可能性がある。本人が何に不安を感じていて何を望んでいるかを知ることから始める必要があり、先ずは家族の不安に寄り添いながら本人や家族が生きていく上で必要な制度や資源などの情報を提供できる人材の育成が急務だろう。

世界で2番目の早さで誕生した孤独・孤立担当大臣の話題を紹介してきましたが、次回は大臣誕生以前のトピックスを振り返って問題点の明確化が出来ればと思います。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
yo-chan
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危機におけるリーダーの人物像とは!

2021-05-02 14:58:29 | 災害
🔸危機管理の要諦 -最悪を想定して、充分な準備をするー

どんな組織でも、危機管理はすぐれてリーダーの仕事である。大袈裟に言えば、リーダーの仕事は、危機管理しかない、と言っても良い。

平穏な日常の時間が流れている時には、リーダーは目立たない方が良い。教師の経験から言えば、静かな時代の学校で名校長と呼ばれた人物の多くは、運動場の草取りや、校舎の破損個所の修繕などを黙々としていた。現場で直接教育に取り組んでいる教師のバックアップに徹していた。

しかし、学校現場は多くの子供たちが生活している場所なので、必ず問題が起きる。喧嘩もあれば、怪我もある。病気もあれば、盗みもある。いじめもあれば、体罰もある。こういう問題が起きた時には、現場教師の責任だけにせず、自ら正面に出て問題解決に乗り出す校長が名校長と呼ばれた。

すぐ現場の責任だけを問いがちな教育委員会の圧力をどう受け流すか、校長の腕が問われた。部下の教師の不祥事は、自らの管理不足と正面から部下をかばえる校長への信頼は厚かった。

危機の時のリーダーのあり方を考えるヒントがここにある。

◎平穏な時には、現場の部下の支援に徹する。部下の力を存分に発揮させる。
◎問題が起きた時には、責任者が正面に出て、解決にあたる。自らの責任を逃げない。
単純なようだが、これが信頼されるリーダーの一般的な像だろう。

ここからさらに考えなければならないのは、平穏な時ほど、危機の場合を考える必要があると言う事。

何度も言うようだが、平時の時のリーダーは、いるのかいないのか分からない方が良い。うちの親分は居眠りでもしているんだろう、と陰口をたたかれるくらいが丁度良い。リーダーがリーダーである必要があるのは、危機の時。つまり、リーダーの最大で最重要の仕事は、危機の時のありよう。良きリーダーこそ、常日頃から、有るか無いか分からない危機の対処の仕方を考え、あらゆる準備をしておくのが通例。

学校で言えば、学校には子供がいる。子供がいない学校は、学校ではない。子供は活動する。活動しない子供ばかりの学校は学校ではない。活発に活動する子供は大小にかかわらず必ず問題を起こす。問題を起こすから子供であり、問題を起こさなかったら問題を解決する能力は養えない。だから、学校や教師や親は、問題が起きる事を恐れて子供の活動を抑えてはならない。

と言う事は、学校や教師は、常住坐臥『危機管理』を忘れてはならない、と言う事になる。名校長と呼ばれた校長は、上記の二つの課題に見事に対処できた人物だった。

🔸強権的管理こそがリーダーの資質と勘違いする現在のリーダーたち

ところが、新自由主義的思考が教育現場にも影響を与え始めた時代から、文部省(文科省)が推し進めた教師の階層化(校長・教頭・教務・主任・平教師。現在はさらに細分化されている)が進展するにつれて危機管理の考え方が変化した。

◎平穏な時には現場の教師の支援に徹する。部下の力を存分に発揮させる。
⇒ (現在)●平穏な時ほど、上意下達を重視。部下教師の些細なミスを徹底的に責め、上司の意向に忠実な部下を重視。教師間の分断(差別構造)を促進し、教師の階層化を広げ、固定化する。
◎問題が起きた時には責任者が前面に出て問題を処理。
⇒(現在)●校長は、教育委員会の意向に従順に従う⇒責任を下に下に押し付ける⇒▼問題の本質を体制や組織の問題として捉えず、全て個人(問題教師)の問題として処理する。問題の矮小化を図る。

その為、教育現場では、ヒラメ教師が増加。事なかれ思考が現場を覆っている。日本の子供の学力が低下したのは、公教育の現場の退廃が大きな要因になっている。

実は今回のコロナ禍における日本政府・官僚・東京都などの『危機管理』能力の無さ、お粗末さは、上記の教育現場における変化と対をなしている。

菅首相が「自分の政策に反対のものは止めてもらう」と公言し、内閣人事局を拠点に強権的人事を強行。霞が関では、忖度が横行。ヒラメ官僚だけが出世するようになってしまった。

こうなると、官僚たちのモチベーションは低下の一途。有能な若手官僚はどんどん辞めている。自らの頭でものを考え、行動し、その結果の評価は、甘んじて引き受ける、という覚悟の無い連中だけ生き残りはじめた。高度成長経済後の日本を覆っている『現状維持が正義』という退嬰的思考がもたらしたものだと考えなければならない。

さらに悪いことに、新自由主義的思考が蔓延しているために、指導的立場(政治家・官僚など)の連中には、『自分が間違っているかもしれない』という自己否定・自己批判の視点が皆無に等しい。かっての全共闘のように『自己否定・自己批判』を強調しすぎるのも問題だが、自己批判の視点が全くないエリートも問題が山積みである。

コロナ禍の日本では、日本の権力中枢の“退廃”が露わになり、もはや修復不可能なほどの無残な姿を露呈している。

🔸旧日本軍の失敗と相似形

コロナ禍の現在、多くの識者が、現在の日本の現状を戦前の陸軍の失敗と重ねて見ている。
・・・
今の菅氏の一挙手一投足を観ていると、太平洋戦争時の日本を敗戦に導いた元凶・旧日本軍幹部(当時の首相は東條英機)を彷彿とさせます。
旧日本軍幹部連中は、当時の米国の国力・軍事力をまともに分析せず、無謀にも、対米戦争を挑んでいます。彼らは当時から、自信満々で、米国に負ける敗戦シナリオ(最悪シナリオ)をまったく描かず、自分たちの願望(Desire)だけで突っ走って、最後は玉砕しています。その結果、300万人以上の日本国民を犠牲にしています。・・・新ベンチャー革命 
http://blog.livedoor.jp/hisa_yamamot/archives/9796809.html

旧日本軍の幹部と現在の類似点

(1)失敗=間違いを認めたくない。=責任を取りたくない。それでいて、権力(権限)だけは欲しい。

(2)対策は中途半端で小出し⇒旧日本軍で言えば、戦力の逐次投入。

(3)コロナ対策についての総合的・科学的・合理的・論理的分析もしないし、データも取らない。会議の議事録すら満足にない⇒後世の歴史(評価)を怖れる=歴史の審判に立つ覚悟なし。
旧日本軍が米国の戦力分析・国力分析を怠り、精神力だけで戦争に勝てると言い続けたのと相似形である。
※悲惨な退却戦を戦わざるを得ない安倍後の日本!(インパール作戦の二の舞)

(4)縄張り意識が強く、自らの権益《省益》に強いこだわりを持つ・・
※日本の統治機構(政治家・官僚たち)は、何故軌道修正ができないのか!
https://blog.goo.ne.jp/rojinto_goken/e/d51cf56a1bc50fb145d6b27ec7140efc
「護憲+ブログ」2020-08-17 15:43:40 | 災害

(5)説得の言葉を持たない・・・教師をしていた人間の立場から言うと、言葉で伝わるものは約2割。後は、まなざし・表情・声音・抑揚・身振りなど言葉以外で伝わるものが8割。『指先に言葉をつけろ』とよく先輩教師に教わったものだ。もう一つ大切なのは、子供の顔、目をよく見て、語りかけなければ、教師の想いは伝わらない。

菅首相や安倍首相などの言葉が空疎なのは、言葉に1人の人間である首相個人の願いや想いが込められているように感じられないからである。自分の心の底からほとばしり出る血を吐くような言葉(自分自身の言葉)が感じられないからである。

🔸大石内蔵助に見るリーダーの資質

忠臣蔵の大石内蔵助は、平時なら「昼行燈」と噂された凡庸な人物のまま一生を送ったはずである。彼は「昼行燈」でいる事に満足し、意識的にそうしようと心掛けていたと思われる。「昼行燈」の家老として一生を送れるなら、藩にとってこれほどの幸せはない。内蔵助は、そう思い定めて過ごしていたと思われる。

そんな内蔵助が、「お家断絶」の危機にあたっては、見事なばかりの立ち居振る舞いを見せた。浅野内匠頭が刃傷を起こし、江戸表から赤穂まで2挺の早籠でその知らせが届いたのは、4日半後。走った距離は155里(約600km)。駕籠を担いで、人力でこの距離を走ったのである。常識では考えられない速さである。

実は、浅野家は、江戸表に異変があった場合に備えて、常日頃、宿場宿場に相応の金子を与え、万一の場合に備えていた。だから、駕籠をかく連中も懸命に走った。日ごろの手厚い心づけが役に立ったのである。大石内蔵助は浅野家家老。万一に備えて、こういう手当を怠らなかった、とされている。

さらに大石内蔵助は、城受け渡しにあたっては、藩士を督励し、毛ほどの隙もないほど武器弾薬などの員数を数え、全てをきちんと文書に記載し、後世の批判をさける見事な受け渡しをやってのけた。

もう一つ付け加えると、江戸時代、藩が取り潰しになったり、国替えになったりした場合、一番問題になったのは【藩札】の交換をどうするかの問題。

多くの藩では、雀の涙程度で交換。なかには、交換をしない藩もあった。藩札が紙切れ同然になるのが通例。多くの民衆が馬鹿を見た。ところが、浅野家では大石内蔵助らの指示のもと、発行高が900貫目あった藩札の回収に現有する銀700貫目をあて額面の6割で引き換えたとされる。

赤穂藩は塩の産地なので、内緒が裕福だったせいもあるが、簡単にできる事ではない。藩が潰れ、藩士は全員路頭に迷うのである。そんな金があったら、俺たちに回せ、という声があったに相違ない。それを抑えて、領民にお金を渡す。武士支配の江戸時代である。生半可な覚悟では藩士の不満を抑えられない。見事な差配だと言わねばならない。

現在でも赤穂で大石内蔵助や浅野家が愛されるのは、仇討ちばかりではない。潰れ方の見事さがあったからでもある。

このように、内蔵助は、対外的にも藩内の領民にも“立つ鳥後を濁さず”の見事な対処をみせた。同時に、自分についてくる50人近い人数を一年以上まとめ上げ、“主君の仇を報じる”という大義名分のもと、“喧嘩両成敗”の原則を踏みにじった幕府の拙速で片手落ちの裁きに見事な異議申し立てを行った。

仇討ちを成功させても後は切腹だけが待っている行為に、50人近い人間をまとめ上げるのは至難の業。たとえ、武士道がモラルの江戸時代であっても、誰でも命は惜しい。“死んで花実が咲くものか”は、心の中の真実。赤穂浪士全員にあったであろう心の中の迷いを吹っ切らせ、死を目指して全員の心を一致させる。そんな芸当は、並大抵の人物ではできない。

それができたのは、大石内蔵助が語る言葉・声音・仕草・表情などから、内蔵助の覚悟を皆が『感得』できたからに相違ない。

人を動かすのは、この【感得】以外ない。理解などという上っ面のものでは人は動かない。菅首相や大臣、官僚などはこの人心の機微が分かっていない。平時なら、東大文学のような人間の血が通っていない官僚言葉でも誰も批判はしない。誰しもがそんなものだと諦めて聞き流しているから、大きな批判は来ない。

しかし、今は平時ではない。戦時と言っても良い『緊急事態』。最初に書いたように、緊急時ほどリーダーの存在が大きくなる。だからこそ、リーダーは、何をさておいても、自らの言葉で語らなければならない。

しかし、残念ながら、日本国民は、菅首相からも、安倍首相からも、誰からもそんな言葉を聞いた事がない。百年に一度ともいえる危機にあたって、この程度のリーダーしか持てない日本国民は、不幸である。

同時に、日本国民は、こんな程度のリーダーしか生み出せない政党に戦後の大半をゆだねていることを深刻に反省しなければならない。

「護憲+コラム」より
流水
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“控えめにお節介を焼く老人の会”のようなものがあっても良いのでは(1)

2021-05-01 13:22:03 | 消費税増税
おかしなネーミングの老人会と間違えられかねない名前を敢えた付けた理由はおいおいご理解いただければ、と思います。きっかけとなった最初の情報の事から始めてみます。

DeutscheWelle(ドイツの波:ドイツ連邦共和国国営放送体でドイツ人の目で世界が見えるネット情報媒体です。しかも今の所は無料のようです)4月23日付けに、日本に新たに孤独・孤立担当大臣が任命されたという紹介があり、世界でも英国に次ぐ2番目の早さとの事です。それだけ状況が切迫している裏返しかもしれませんが。以下要点を記します。

(日本で孤独担当相がメンタルヘルス危機に立ち向かう)

社会的経済的孤立が増大し、日本の自殺率が高まっている。特にシングルマザーに見られる。コロナパンデミックで更なる悪化が見込まれる状況に対処すべく新たに孤独担当相が任命されプランを練ることになる。

菅氏はこの2月71歳と高齢の坂本哲志氏を新ポストに任命。高齢者・働く女性・パートタイマーそして無職の人々が精神的に追い詰められている状況の下での今回担当相任命の動きを、多くの健康問題専門家は好感を持って迎えている。

しかし現政権与党の長老であり他にも多くの業務を抱えている坂本氏は3月の新任会合の折、次のように言う。
「社会からの孤立を緩和する政策を検討導入することを目標にする。」「孤立孤独の実態を確実に理解することが大切であり、関連する各省庁の政策と付け合わせながらプラン化システム・チェックシステム・行動システムを作成することが重要である。」

英国のような国々は同様に指名を受けたシニアオフィサーが社会から孤立した人々を社会へ連れ戻す作業を行っている例があり、坂本氏はそれら先例の経験に学ぶことも期待されている。

東京在住のテレフォンライフライン代表のVickieSkorji氏は今回の専任相指名は「プラスに向かう第一歩」と評価している。しかしやることは山ほどある。」とも忠告している。
「日本社会のある部分の人々は他のグループの人々に比べて、パンデミックにより大きく影響され打撃を受けやすい。多くの人が孤立を意識させられている。」と述べている。

(経済的苦境がメンタルヘルスの被害をもたらす)

1年以上前の初回のパンデミック以来、日本は何回か全国に及ぶ又は局所限定の緊急事態宣言を経験しており、近々東京・大阪に再度宣言が予定されている(4月23日付けの為)。

政府は夜8時以降の店じまいや営業の時間制限を要請したり、リモートワークの推進徹底を要請する方向である。
数十万人規模で一時帰休や就業時間の短縮がみられ、解雇のケースもある。学生はパートの職を奪われ授業料の支払いにも苦労している実態がある。

(女性が最大の被害者である)

Skorji氏は女性がパンデミックの衝撃を最も受けているとする。「特に心配は女性の自殺が増えていることで、多くはパート職を失いそれ故に収入を失った上に、家庭内での仕事が増えたり身内の高齢者の世話も重なったりしている。」と言う。「特にシングルマザーが現在の情況に上手く立ち向かえていない。」と付け加えている。

厚労省によると日本の自殺者は2010年に31600人。2019年までに20169人まで減少してきていたが、昨年の2020年に再び20919人と上昇している。Skorji氏は日本の保険制度はメンタルヘルスケアに適用されず、必要な人に必要なだけ良質の救済策・支援が幾重にも用意されることが望まれる。」としている。

(単なる人受け狙いのタイトル)

北海道文教大学の渡辺教授は「安定した職を求めている人々が社会的に無視されることが多くみられ、またこのことは何も目新しいことではない。」と警告している。

「4,50才のロスジェネと呼ばれる多くの男性は、卒業時に経済悪化があり良質の職に恵まれずに以来自宅に留まざるを得なかった。」とし更に「多くのシングル世帯と引きこもり状態の人は永年にわたり急増しており、政府はもっと早くこの実態を認識すべきだった。」と付け加えている。渡辺教授は多くの人がパンデミックに圧倒されて孤立していくことを防ぎ、社会に引き戻すことを先ずは実行すべき、としている。

しかし渡辺教授は今回新設の孤独孤立担当相がこの目標を成し遂げるに必要な方策手段を持っているとは、完全には信認できない、としている。

「ほとんど実地の経験や支援を必要とする人の本当の手助けになるノウハウを持っていない、単なる人受け狙いのタイトルではないか、と心配している。」と彼は言う。
「私達は社会にネットワークシステムやサポートシステムを再構築する必要があるが、30年も前からすでに日本は社会の中に孤立と孤独の問題が存在していたことは明白である。何故その間何もしなかったのか?」と彼は言う。「新設担当相を設けたことは良い、のは事実だが、私の考えでは余りに対応が遅く、ほとんどあいまいな約束事から成り立っているように思え、効果的に実行に移していくことが困難に見えてしまう。」

以上ドイツ人の視点からの日本の孤独と孤立の問題を紹介したが、以降幾つか別の面からこの問題を考えていきたいと思っております。

表題に関わる話まで最終的には辿り着きたいと思いますが、それは次回以降でとします。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
yo-chan
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