はい!滝沢ロコです!

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大きな声で・・・

2010年01月25日 | ザッツ・エンターテイメント 洋画アニメ他
私が、新人だった頃は、

音響収録のスタジオの機材も、今から思えばかなりアナログで

そのために、役者も、技術者も

互いに、匠を競い合いながら、助け合いながら

作品創りに、邁進した時代でした


このところ、お仕事の現場で、

あの頃の事を知っている、スタッフさん方と

折々、思い出話をしたりします


同じ作業をするのにも、

デジタル技術が進んだ今なら、瞬時にできる事が

技術スタッフの、地道な手作業の連続で

コツコツ、徹夜で仕上げたなんてことは、しょっちゅうでした


声優は、特殊な芝居で

あてるキャラクターが思い荷物を持って喋っていたら

演ずる役者が何も持っていなくても、

重い荷物を持った時の力の入れ具合をきちんと具現化して

それにふさわしい力の入り具合で、演技するとか

隣に居るのか、離れた所に居るのかをしっかり見て

距離に応じた呼びかけ方で、演技するとか

実は、色々な事が出来なくては、プロと言えないと、厳しく言われてきました

今では、厳しく指導して下さったディレクターや先輩方に、感謝していますが、

当時は、皆、かなり苦労したものです


そして今、目覚ましい技術の進歩で

血と汗と涙の結晶のような、声優の様々な演技や技術が

一瞬のうちに解決してしまったりするのです


まあ、きっと、良い事なんだと思います

でも、何だか、一緒に苦労した心意気までは

一瞬では、得られないような気がして…



以前は、とにかく、音圧が必要と、繰り返し言われました

声は、大きな声で、が原則でした

わめいたり、怒鳴ったりじゃなくて

普通に話す声にも、音圧が無いとマイクにのらないって

でも、今は、となりのマイクに立っても、隣の声が聞きとれないような

ひそやかな喋りが、OKです

むしろ、それを求められたりします


・・・そうかぁ・・・

そういう時代なんだなぁ・・・

昔は、「もっと、声、出ないのか―」って

良く叱られたものだったけど・・・


本当に、良く、言われたものでした

「もっと、大きな声で・・・」って