いったいウチの猫は、なぜゴミ箱を漁るのだろう?がっついているのだろう?つまるところ悪い猫なんだろう?その昔、欽ちゃんの番組で、良い子!悪い子!普通の子!というのがあったが、ウチには良い猫も普通の猫もおらず、いるのは悪い猫だけである。
他所の猫はそんなじゃないという。調理台にも食卓にも乗らないという。なのになんでウチの猫はこうなんだろう。オイメー、オイメー(「オイメー(ohimè)」はイタリア人の嘆きの言葉である。モンテヴェルディの歌の歌詞とかで知ったんだと思う)。
いや、ちょっと待て。思い出してみよう。先代の四匹の猫はどうだったか。たしか、私が食事をするとき、彼女らは、戦艦大和に群がるアメリカの戦闘機のように私を取り囲んでタッチ・アンド・ゴー作戦を展開していた。私は、防御のため、私の周りをレンジカバーで被って食事をしたものであった。
ウチの猫だけではない。「What's Michael」で、一家団欒でご飯を食べているところにマイケルがやって来て、マイケルは突入時期をじっと伺っていて、いまだ!と思ってテーブルの上に突入した瞬間、一家全員が茶碗とお皿を宙に揚げて食べ物を守ったシーンがあった(突入に失敗したマイケルは、照れ隠しに踊りを踊るのであった)。更に、一家が憧れの籐家具を買った後でそれがマイケルの格好の爪とぎ道具になることに気づき、触れると「こらっ」という声がする仕掛けをしたシーンがあった(で、訪れた部長さんが触って「こらっ」と怒られるのであった。そんな仕掛けがあるなら私も欲しい)。なーんだ、ウチだけじゃないじゃん。みんなそうなんじゃん。
であるならば(猫が本質的にがっついてる生き物であるならば)、猫にしつけをしようとしても無理である。マイケルの飼い主が「こらっ」の仕掛けをしたような対策が大事である。ゴミ箱を漁らないようにする、ではなく、漁「れ」ないようにするのである。だから、私の対策(シンクをすのこで被い、食品庫を空気清浄機で塞ぎ、ゴミ箱にボーズのスピーカーを乗せる(昨日のブログ参照))は理にかなったものであった!なお、猫が荒らして困るモノに猫除けスプレーを吹きかけ、猫のイヤな臭いを付ける手があるらしいが、その成分が部屋中に漂ってしまっては、なにせ狭いわが家であるから猫に気の毒である。その手を使うつもりはない。
すると、ゴミ漁りをしなくなった(できなくなった)他に思わぬ効果が現れた。猫が吐かなくなったのである。もともと猫は吐き易いのだが、あまり吐いてると、体重が減るし、後片付けも大変だから、吐かないように試行錯誤を続けてきた。一度にたくさん食べるのがいけないのかと一日2食を3食にして一回当たりの量を減らしたり、ドライフードが良くないのかもしれないと思って缶詰だけにしたり等々。それでもときどき吐いた(夏目漱石は、猫好きではあったが、猫が吐くのには閉口したらしく、吐きそうになった猫を庭に出したそうである)。ところが、ゴミ漁りがなくなったらぴったり吐かなくなった。ドライフードに戻して量を多くしても吐かなくなった。もしや、これまで吐いてたのって、ゴミを漁って良からぬモノを口に入れて、それで吐いてたのか。そうなのかもしれない。いずれにせよ、ウチの猫は、現在は「良い猫」である。一日でも長く「良い猫」であり続けてもらいたいものである。
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