兄弟姉妹は他人の始まりとはよく言ったもの。普段は超仲の悪い2ニャン(三毛猫とサビ猫)だが、そこはやはり同時に生まれた姉妹。寒くなると、それまでのことを水に流してくっついている。なお、猫だから同時に生まれたのが2匹だけってことはないだろうが、ヴォランティアさんに「保護」されたのがこの2匹だけだから兄弟姉妹の総数は不明である。
この2ニャン、食い意地の張り具合は尋常ではない。ヴォランティアさんが野良猫を保護する方法はエサでつって網をかぶせる方法らしいが(テレビで見たことがある)、母猫と兄弟姉妹の中で、この2匹だけが罠にかかったのだからがっつき度合いが突出していたのだろう。ウチに来たばかりの赤ちゃん猫の頃、ざぶとんの端のひもがなくなったと思ったら、猫トイレから丸まって出てきたことがある(猫の体を通過したらしい)。
そんな具合だから、特に三毛の方は、キッチンにしょっちゅう上って残飯を漁る。シンクの中にもよく降りる。変なモノを食べてお腹を壊してはいけないという親心から「こらぁ」と言うと一瞬ひるむがあまり効果はない。犬と違って、猫を「しつける」ことはできない。頭が悪いわけではない(逆である)。犬には序列があるから上位の人間の言うことを聞くが、猫は人間を同等と思っているから命令されて従う、ということにはならないのである。だから、猫に悪さをさせないのではなく、できなくさせる方策が必要なのである。
ビニール製のマットをシンクにかぶせたら、しばらくは効果があったが、じきに手でどかすことを覚えてしまった(頭は相当にいい)。かと言って、折りたたみ椅子をかぶせたことがあったが、その移動に人間の方が疲れてしまう。何かいい手はないか?と思っていたら、ホームセンターですのこを見つけてこれだ!と思った。猫には重く、人間には軽い。もともと風呂場で使うものだから濡れても大丈夫である。これで、三毛がシンクに降りることができなくなった。
悔しそうに、すのこの脇でたたずむ三毛。そのうち、諦めて降りた……と思ったら、今度はサビが乗っている。
え?三毛だけと思ってたら、お前もキッチンを荒らしてたのか?これまで私の目にふれなかっただけなのか?ま、それでも、すのこに乗る以上のことはできないから、もはや私も「こらぁ」と言わないで済む。
そんなにお腹が空いてるなら好きなだけ食べさせればいいだろうって?猫にもメタボがあり、成人病ならぬ成猫病がある。それに、食べ過ぎると吐く(猫は吐きやすい動物である)。
因みに、「こら」は、もともと薩摩弁で「もしもし」「ちょっと」と言う他人への呼びかけだったそうだ。明治維新の際、薩摩出身者が警察官として全国に散らばり、職務質問の際に「もしもし」の意味で「こら」と言ってたら、それが怒られたように聞こえたものだから、怒るときに「こら」と言うようになったという話を「チコちゃん」で知った。私は猫に「こら」と言うたびにこのことを思い出すのである。
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