通信費の半額非課税 社員のテレワーク補助
政府が基準明示 在宅定着を後押し
日本経済新聞(デジタル版、2021年1月15日配信)は「新型コロナウイルスの感染拡大を機に企業が在宅勤務といった新しい働き方に対応したルールの整備を進めている。キリンホールディングスなどは従業員に手当を支給し在宅勤務への移行を促す。政府もこうした働き方の定着をにらみ税制面の対応を急ぐ。通信費の半額はテレワークに使用したとして所得税の課税対象から外すなど課税基準を明確にする」と報じた。
なお厚生労働省のテレワーク・モデル就業規則(在宅勤務規程)では「会社が貸与する情報通信機器を利用する場合の通信費は会社負担とする」とあり、また「会社は、在宅勤務者が所有する機器を利用させることができる。この場合、セキュリティガイドラインを満たした場合に限るものとし、費用については話し合いの上決定するものとする」とも書かれています。
さらに厚生労総省「これからのテレワークでの働き方に関する検討会 報告書」(2020年12月25日公表)には、「在宅勤務に伴い、労働者の個人的な電話回線等を用いて業務を行わせる場合、通話料、インターネット利用料などの通信費が増加することが考えられる。また、労働者の自宅の電気料金等が増加することも考えられる。これらの場合には、その実際の費用のうち業務のために要した費用(実費)の金額を、在宅勤務の実態(勤務時間等)を踏まえて合理的・客観的に計算し、支給することも考えられる」と記載されています。
「合理的・客観的に計算」ということですが、どう具体的に計算するのか。「通信費の半額非課税」ということなら、さらに煩雑になりそう。
これからのテレワークでの働き方に関する検討会 報告書(抜粋)
費用負担
・テレワークを行うことによって生じる費用(通信費、機器費用、サテライトオフィス使用料等)については、通常の勤務と異なり、テレワークを行う労働者がその費用を負担することがあり得ることから、労使のどちらがどのように負担するか、また、使用者が負担する場合の限度額、労働者が請求する場合の請求方法等については、あらかじめ労使で十分に話し合い、就業規則等において定めておくことが望ましい。
・テレワークに要する費用負担については、個々の企業ごとの業務内容、物品の貸与状況等により、その状況は様々である9。このため、企業ごとの状況に応じたルールを定めて、そのルールを遵守することが必要であり、労働者を採用する際やテレワークを導入する際に、適切な費用負担となるようその取扱いについて、労使でよく話し合うことが望ましい。あわせて、在宅勤務の場合には、その頻度も踏まえ、作業に適した机や椅子の購入費用の負担、勤務先で使用している設備の自宅での使用など、作業実態に応じた適切な対応について、労使で話し合うことが望ましい。
・在宅勤務に伴い、労働者の個人的な電話回線等を用いて業務を行わせる場合、通話料、インターネット利用料などの通信費が増加することが考えられる。また、労働者の自宅の電気料金等が増加することも考えられる。これらの場合には、その実際の費用のうち業務のために要した費用(実費)の金額を、在宅勤務の実態(勤務時間等)を踏まえて合理的・客観的に計算し、支給することも考えられる。(厚生労働省ホームページより)
追記(2021年1月16日)
NHK WEB NEWSは「在宅勤務の社員に通信費を支給している企業からは、社員が自分で支払った通信費をどこまで業務上の利用と認め所得税の課税対象から外していいかが分からないという指摘が出ています。このため国税庁は、在宅勤務をした日数に応じて通信費の一部を所得税の課税対象から外すルールをまとめました」と報じた。
在宅勤務の社員に通信費の手当を支給する企業が増えていますが、インターネットは業務での利用と私的な利用の区別が難しく、社員が自分で支払った通信費を、どこまで業務上の利用と認めて所得税の課税対象から外していいかが分からないという指摘が出ています。
このため国税庁は、在宅勤務を行った社員の通信費について、所得税上の取り扱いのルールをまとめ、15日、公表しました。
それによりますと、1か月分の通信費のうち在宅勤務を行った日数の分を計算し、さらにその半分を業務用と見なして、所得税の課税対象から外します。
つまり、1か月の通信費が6000円で在宅勤務が15日間だった場合、3000円のさらに半分の1500円が所得税の課税対象から外れることになります。
この額が、企業からの手当を上回っている場合は、手当の額が所得税の課税対象から外れます。
政府は企業に対し、出勤する人を7割削減するよう求めていて、通信費に関する税制上のルールが明確化されたことで、在宅勤務のさらなる普及につながることが期待されます。(NHK WEB NEWS、2021年1月16日)
追記(2021年1月16日)
国税庁がホームページの新着情報(トピックス)に1月15日付で「在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ(源泉所得税関係)」を公開。
「在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ(源泉所得税関係)」(PDFファイル)
追記:厚生労働省「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」公表
厚生労働省は、現行のテレワークガイドライン(指針)「情報通信技術を利用した事業場外勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン」を「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」(指針)に改定し、本日(2021年3月25日)公表。
テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン(厚生労働省)
政府が基準明示 在宅定着を後押し
日本経済新聞(デジタル版、2021年1月15日配信)は「新型コロナウイルスの感染拡大を機に企業が在宅勤務といった新しい働き方に対応したルールの整備を進めている。キリンホールディングスなどは従業員に手当を支給し在宅勤務への移行を促す。政府もこうした働き方の定着をにらみ税制面の対応を急ぐ。通信費の半額はテレワークに使用したとして所得税の課税対象から外すなど課税基準を明確にする」と報じた。
なお厚生労働省のテレワーク・モデル就業規則(在宅勤務規程)では「会社が貸与する情報通信機器を利用する場合の通信費は会社負担とする」とあり、また「会社は、在宅勤務者が所有する機器を利用させることができる。この場合、セキュリティガイドラインを満たした場合に限るものとし、費用については話し合いの上決定するものとする」とも書かれています。
さらに厚生労総省「これからのテレワークでの働き方に関する検討会 報告書」(2020年12月25日公表)には、「在宅勤務に伴い、労働者の個人的な電話回線等を用いて業務を行わせる場合、通話料、インターネット利用料などの通信費が増加することが考えられる。また、労働者の自宅の電気料金等が増加することも考えられる。これらの場合には、その実際の費用のうち業務のために要した費用(実費)の金額を、在宅勤務の実態(勤務時間等)を踏まえて合理的・客観的に計算し、支給することも考えられる」と記載されています。
「合理的・客観的に計算」ということですが、どう具体的に計算するのか。「通信費の半額非課税」ということなら、さらに煩雑になりそう。
これからのテレワークでの働き方に関する検討会 報告書(抜粋)
費用負担
・テレワークを行うことによって生じる費用(通信費、機器費用、サテライトオフィス使用料等)については、通常の勤務と異なり、テレワークを行う労働者がその費用を負担することがあり得ることから、労使のどちらがどのように負担するか、また、使用者が負担する場合の限度額、労働者が請求する場合の請求方法等については、あらかじめ労使で十分に話し合い、就業規則等において定めておくことが望ましい。
・テレワークに要する費用負担については、個々の企業ごとの業務内容、物品の貸与状況等により、その状況は様々である9。このため、企業ごとの状況に応じたルールを定めて、そのルールを遵守することが必要であり、労働者を採用する際やテレワークを導入する際に、適切な費用負担となるようその取扱いについて、労使でよく話し合うことが望ましい。あわせて、在宅勤務の場合には、その頻度も踏まえ、作業に適した机や椅子の購入費用の負担、勤務先で使用している設備の自宅での使用など、作業実態に応じた適切な対応について、労使で話し合うことが望ましい。
・在宅勤務に伴い、労働者の個人的な電話回線等を用いて業務を行わせる場合、通話料、インターネット利用料などの通信費が増加することが考えられる。また、労働者の自宅の電気料金等が増加することも考えられる。これらの場合には、その実際の費用のうち業務のために要した費用(実費)の金額を、在宅勤務の実態(勤務時間等)を踏まえて合理的・客観的に計算し、支給することも考えられる。(厚生労働省ホームページより)
追記(2021年1月16日)
NHK WEB NEWSは「在宅勤務の社員に通信費を支給している企業からは、社員が自分で支払った通信費をどこまで業務上の利用と認め所得税の課税対象から外していいかが分からないという指摘が出ています。このため国税庁は、在宅勤務をした日数に応じて通信費の一部を所得税の課税対象から外すルールをまとめました」と報じた。
在宅勤務の社員に通信費の手当を支給する企業が増えていますが、インターネットは業務での利用と私的な利用の区別が難しく、社員が自分で支払った通信費を、どこまで業務上の利用と認めて所得税の課税対象から外していいかが分からないという指摘が出ています。
このため国税庁は、在宅勤務を行った社員の通信費について、所得税上の取り扱いのルールをまとめ、15日、公表しました。
それによりますと、1か月分の通信費のうち在宅勤務を行った日数の分を計算し、さらにその半分を業務用と見なして、所得税の課税対象から外します。
つまり、1か月の通信費が6000円で在宅勤務が15日間だった場合、3000円のさらに半分の1500円が所得税の課税対象から外れることになります。
この額が、企業からの手当を上回っている場合は、手当の額が所得税の課税対象から外れます。
政府は企業に対し、出勤する人を7割削減するよう求めていて、通信費に関する税制上のルールが明確化されたことで、在宅勤務のさらなる普及につながることが期待されます。(NHK WEB NEWS、2021年1月16日)
追記(2021年1月16日)
国税庁がホームページの新着情報(トピックス)に1月15日付で「在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ(源泉所得税関係)」を公開。
「在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ(源泉所得税関係)」(PDFファイル)
追記:厚生労働省「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」公表
厚生労働省は、現行のテレワークガイドライン(指針)「情報通信技術を利用した事業場外勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン」を「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」(指針)に改定し、本日(2021年3月25日)公表。
テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン(厚生労働省)