今日はコメツキムシの検索の練習をしてみました。検索表には専門的な用語が多いので、いきなり取り組んでもなかなか進みません。それで、ある程度名前の分かった種で練習をしてから検索をすることにしています。今年は今まであまり調べてこなかった仲間に挑戦しようと思っていました。コメツキムシもその一つで、用語が分からなくてなかなか進まなかった仲間です。今日はミドリヒメコメツキの仲間を使って検索を試してみました。実は種の検索表がなかったので、種までは分からなかったのですが・・・。
調べたのはこのコメツキで、4月18日にマンションの廊下で採集しました。緑色で綺麗なコメツキです。コメツキの検索表は「絵解きで調べる昆虫」の中にある大平仁夫氏の「コメツキムシの絵解き検索」という記事に載っています。過去にはここに出ている表1の図を絵解き検索表だと思ってかなり苦労したことがあるのですが、今日は検索表だけで調べてみました。
今回は行き先がミドリヒメコメツキの属するコメツキ亜科第2群(ナガコメツキ族)のミドリヒメコメツキ属だろうということが予想できるので、安心してその過程を見ることができます。その結果、上の12項目を調べるとよいことが分かりました。このうち、カネコメツキ亜科との区別に用いる⑦の項目はいつも迷うところなので、その辺りを詳しく見ていきます。今日は項目数が多いので、検索順ではなしに部位順で見ていきます。
まず初めは背面からの全体像です。体長を測ってみると6.7mmでした。この写真で調べるところはあまりないのですが、黒矢印で示した翅端が尖っていないことを見ます。これに対抗する尖っている翅端をもつのはヒゲコメツキ亜科です。
次は腹部の全体像です。この写真では特に検索に関係する項目はないのですが、「絵解きで調べる昆虫」に載っている図を参考にして各部の名称をつけてみました。
次は前から写した写真です。①の触角が複眼に接するというのは見るとすぐに分かります。問題は次の⑦です。⑦については「頭部が楕円形状で、口器が下方に開く」を選ぶとコメツキ亜科になり、「頭部は矩形状で、口器は斜め下前方に開く」を選ぶとカネコメツキ亜科になります。共に、大きなグループなので、ここで間違えると迷路に陥ってしまいます。いろいろ試行錯誤した挙句、頭部の形状というのはたぶん黄破線で示した部分が楕円形状だというのだろうと解釈して次に進むことにしました。口器については後から出てきます。
次は頭部の拡大です。黒矢印のあたりを見ると大顎に歯があることが分かります。これのことかなと思いました。
次はコメツキ亜科の群の検索で出てくる項目です。ここもいつも迷ってしまうところです。というのは、前頭横隆線や前頭横溝という用語がいまいちよく分からなかったからです。上の写真の破線を見ると台形の形をしています。それで、ここが前頭横隆線で、その下の部分に深い溝があればそれを前頭横溝と呼ぶのではないかと思いました。2枚目の写真の黄矢印部分が溝のできかけ部分だろうと思いますが、この個体では正面では明瞭な溝がないので、「前頭横溝は生じない」ということになるのではと思いました。
次は触角です。これは問題ないですね。
次は頭部・胸部を横から見たところです。「前胸背板の側縁は眼の中央部に達する」というのは黄矢印で示した部分で、こうやって撮影するとよく分かります。さて、口器の向きですが、こうやって見ると、黒矢印のように下を向いているとしてもよさそうな感じです。
次は前胸腹板突起です。確かに後方に向けて長く伸びています。これで②はOKです。
次は前胸腹板突起を横から撮ったものです。「末端は内方にえぐられる」というのがよく分かります。
次の前胸腹側板の前縁は特に異常が見られないので、たぶん、OKでしょう。
また、中脚脛節腔は黄矢印方向に開いています。
次は腰板についてです。内方や外縁内側がどこを指すのかよく分かりませんが、対抗する項目には「顕著に」という表現がついているので、それほど異常な形ではないのでたぶんよいのではと思いました。これは顕著に拡大している個体を見てみないと分かりません。
最後は爪です。爪の黒矢印のあたりに剛毛が生えているかどうかですが、これには生えていません。
というわけで、一応、すべての項目をチェックしたのでミドリヒメコメツキ属というのは間違いないのではと思いました。「絵解きで調べる昆虫」によると、この属の日本産は6種2亜種。「地域変異があるので種の識別は簡単ではない」と書かれていました。あまり簡単にミドリヒメコメツキなんて書くといけないみたいですね。
調べたのはこのコメツキで、4月18日にマンションの廊下で採集しました。緑色で綺麗なコメツキです。コメツキの検索表は「絵解きで調べる昆虫」の中にある大平仁夫氏の「コメツキムシの絵解き検索」という記事に載っています。過去にはここに出ている表1の図を絵解き検索表だと思ってかなり苦労したことがあるのですが、今日は検索表だけで調べてみました。
今回は行き先がミドリヒメコメツキの属するコメツキ亜科第2群(ナガコメツキ族)のミドリヒメコメツキ属だろうということが予想できるので、安心してその過程を見ることができます。その結果、上の12項目を調べるとよいことが分かりました。このうち、カネコメツキ亜科との区別に用いる⑦の項目はいつも迷うところなので、その辺りを詳しく見ていきます。今日は項目数が多いので、検索順ではなしに部位順で見ていきます。
まず初めは背面からの全体像です。体長を測ってみると6.7mmでした。この写真で調べるところはあまりないのですが、黒矢印で示した翅端が尖っていないことを見ます。これに対抗する尖っている翅端をもつのはヒゲコメツキ亜科です。
次は腹部の全体像です。この写真では特に検索に関係する項目はないのですが、「絵解きで調べる昆虫」に載っている図を参考にして各部の名称をつけてみました。
次は前から写した写真です。①の触角が複眼に接するというのは見るとすぐに分かります。問題は次の⑦です。⑦については「頭部が楕円形状で、口器が下方に開く」を選ぶとコメツキ亜科になり、「頭部は矩形状で、口器は斜め下前方に開く」を選ぶとカネコメツキ亜科になります。共に、大きなグループなので、ここで間違えると迷路に陥ってしまいます。いろいろ試行錯誤した挙句、頭部の形状というのはたぶん黄破線で示した部分が楕円形状だというのだろうと解釈して次に進むことにしました。口器については後から出てきます。
次は頭部の拡大です。黒矢印のあたりを見ると大顎に歯があることが分かります。これのことかなと思いました。
次はコメツキ亜科の群の検索で出てくる項目です。ここもいつも迷ってしまうところです。というのは、前頭横隆線や前頭横溝という用語がいまいちよく分からなかったからです。上の写真の破線を見ると台形の形をしています。それで、ここが前頭横隆線で、その下の部分に深い溝があればそれを前頭横溝と呼ぶのではないかと思いました。2枚目の写真の黄矢印部分が溝のできかけ部分だろうと思いますが、この個体では正面では明瞭な溝がないので、「前頭横溝は生じない」ということになるのではと思いました。
次は触角です。これは問題ないですね。
次は頭部・胸部を横から見たところです。「前胸背板の側縁は眼の中央部に達する」というのは黄矢印で示した部分で、こうやって撮影するとよく分かります。さて、口器の向きですが、こうやって見ると、黒矢印のように下を向いているとしてもよさそうな感じです。
次は前胸腹板突起です。確かに後方に向けて長く伸びています。これで②はOKです。
次は前胸腹板突起を横から撮ったものです。「末端は内方にえぐられる」というのがよく分かります。
次の前胸腹側板の前縁は特に異常が見られないので、たぶん、OKでしょう。
また、中脚脛節腔は黄矢印方向に開いています。
次は腰板についてです。内方や外縁内側がどこを指すのかよく分かりませんが、対抗する項目には「顕著に」という表現がついているので、それほど異常な形ではないのでたぶんよいのではと思いました。これは顕著に拡大している個体を見てみないと分かりません。
最後は爪です。爪の黒矢印のあたりに剛毛が生えているかどうかですが、これには生えていません。
というわけで、一応、すべての項目をチェックしたのでミドリヒメコメツキ属というのは間違いないのではと思いました。「絵解きで調べる昆虫」によると、この属の日本産は6種2亜種。「地域変異があるので種の識別は簡単ではない」と書かれていました。あまり簡単にミドリヒメコメツキなんて書くといけないみたいですね。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます