新「廊下のむし探検」

大阪北部のマンションの廊下で見つけた虫の名前を調べています

廊下のむし探検 ミヤマクワガタなど

2019-07-31 21:28:08 | 廊下のむし探検
廊下のむし探検 第60弾


28日の午前中、用事でマンションの廊下を歩いていたら、あまりに虫が多いので、後でカメラを持ってちょっとだけ撮ってきました。





まずはカメムシです。オオホシカメムシとヒメホシカメムシの違いがよく分からなかったのですが、「日本原色カメムシ図鑑」の説明を読むと、オオホシカメムシは「はるかに大型で背面の点刻が弱い」とのことです。そう思って以前撮った写真をつらつら眺めてみると、オオホシカメムシは黒色の丸斑の後ろ側が白っぽくて点刻があまりない個体が多いようです。そういう観点でこの写真を見てみると、2個体共に、黒い丸斑の前後で色も点刻も変わらないのでヒメホシカメムシの方ではないかと思いました。









これにはびっくりしました。階段の手すりの途中に止まっていました。ずいぶん立派なミヤマクワガタです。実はこのクワガタを見つけたので、家に戻ってカメラを取ってきたのでした。



これはクリイロヒゲハナノミ。これについては以前検索をしたことがありました。



これはたぶん、ウスオビトガリメイガ







最後はドウガネブイブイみたいですね。検索が必要かなと思って、一応、腹部と頭盾を撮っておいたのですが、必要なかったみたいです。

廊下のむし探検 カメムシ、チャタテムシほか

2019-07-30 20:58:00 | 廊下のむし探検
廊下のむし探検 第59弾


7月26日の午後にマンションの廊下を歩いて見つけた虫の続きです。



最初はフタテンカメムシです。最近、よく見ます。



これはウスモンカレキゾウムシ





そして、これはチャタテムシの仲間。以前に撮った写真と比較してみると、ハグルマチャタテ Matsumuraiella radiopictaに似ています。



実際に翅脈を次の論文に載っている写真と比較してもそっくりです。

K. Yoshizawa, "MORPHOLOGY OF PSOCOMORPHA (PSOCODEA: 'PSOCOPTERA')", Insecta Matsumurana 62, 1 (2005). (ここからダウンロードできます)

たぶん、これで合っているのでしょう。ハグルマチャタテは以前ケブカチャタテ科に入れられていましたが、「日本昆虫目録第4巻」ではハグルマチャタテ科として独立していました。翅脈を見ると、後小室の上側でCuA1脈とM脈が融合しています。ここでちょっと困ってしまいました。というのは、以前、ブログに「長翅型チャタテムシの科の簡単な見分け方」という、表で科を見分けていく方法を書いたことがあるのですが、この中でケブカチャタテ科は後小室とM脈は遊離となっていました。また、次の論文を見てもMatsumuraiella属では遊離となっています。

K. Yoshizawa, "Phylogeny and higher classification of suborder Psocomorpha (Insecta: Psocodea: ‘Psocoptera')", Zoological Journal of the Linnean Society 136, 371 (2002). (ここからpdfが直接ダウンロードできます)

この写真やYoshizawa(2005)の図で見る限りは、明らかに融合しているように見えるのですが・・・。



これはヤネホソバの幼虫だと思っている毛虫です。マンションの1階で時々見ます。



最後はアオヒゲナガトビケラでした。

廊下のむし探検 蛾

2019-07-29 20:16:05 | 廊下のむし探検
廊下のむし探検 第58弾


26日の午後3時頃にマンションの廊下を歩いてみました。それほど虫は多くはなかったのですが、蛾は少しだけいました。まずは蛾から。



これはコケガの仲間 Eilemaです。この仲間はなかなか分からないので、できるだけ見ないようにしているのですが、虫が少ないので思わず撮ってしまいました。キマエホソバあたりかなぁ。



これはトビモンコハマキ



それにアオアツバ



これはたぶんキベリトガリメイガかな。



それからマエキオエダシャク



最後はシバツトガ

家の近くのむし探検 ハエ、カメムシなど

2019-07-28 20:32:06 | 家の近くのむし探検
家の近くのむし探検 第28弾


前日に引き続き、24日にも公園へ行ってみました。



小さなアシナバガエがたくさんいたのでついつい撮ったのですが、やはり属も分かりませんね。



これはイトカメムシ。植栽のツツジにはたくさんいます。



♂有翅アリですが、名前は分かりません。



それにルリチュウレンジ



これはキマダラカメムシの幼虫です。カメムシの幼虫の齢については以前書いたことがあります。これによると、翅芽がないので、3齢以下は確かです。キマダラカメムシの2齢幼虫については以前調べたことがありました。それとは明らかに違うので、たぶん3齢幼虫だろうと思うのですが、検索表の中の後胸背板が中胸背板に比べて狭いかどうかでいつも迷ってしまいます。



それからマメコガネ





最後はツツジコブハムシでした。

廊下のむし探検 蛾、カミキリなど

2019-07-27 20:45:05 | 廊下のむし探検
廊下のむし探検 第57弾


廊下を歩いているとき、ふと見つけた虫たちです。写真が溜まってきたので、まとめて出しておきます。



最初は7月24日に撮った写真で、苦手なヒメシャクです。外横線がはっきりしないのですが、外縁に点列があり、前翅前縁と後縁に黒い点があるので、たぶん、オイワケヒメシャクではないかと思います。



これはモンクロシャチホコ



そして、ミヤマカミキリ



これは「原色日本甲虫図鑑IV」の図版を見て、マツオオキクイゾウムシ Macrorhyncolus crassiusculusかなと思いました。図版ではワシバナヒメキクイゾウムシ Phloeophagosoma curvirostreにも似ている感じです。「日本列島の甲虫全種目録 (2019年)」を見ると、この両者は族レベルで違います。前者はRhyncolini、後者はCrossoniniになっています。それで、少し文献を探してみました。

森本桂、「キクイゾウムシ類概説 III. キクイゾウムシ亜科(2)」、家屋害虫 (23,24), 19 (1985).(ここからダウンロードできます)

この論文はCrossonini族について書かれているのですが、実はこの中にMacrorhyncolus属も含まれていました。それで、属の検索表を見ると、

①a 吻は細長く、頭部よりはるかに長い;触角は吻の側面中央かやや腹側につき、触角溝は上から見えない;眼の間隔は吻基部よりやや狭い;後肢第3跗節は第2跗節より幅広く先端は単純か浅く切れ込む Phloeophagosoma
①b 触角は吻側面の中央よりやや上につき、触角溝先端で広くなることがあり、また、頭部より短いかわずかに長いこともある →→Macrorhyncolus

ということなので、触角の付き方を見ると見わけがつきそうです。写真がこれ一枚しかないので、何とも言えないのですが、側面かやや上側についているような感じがします。それで、やはりマツオオキクイゾウムシでよいのかなと思ったのですが、いずれにしても採集しないと無理ですね。





最後は7月25日に見つけたシロスジカミキリでした。