廊下のむし探検 第135弾
昨晩はマンション管理組合の理事会があったため、出すことができませんでした。1月17日にマンションの廊下で見つけた虫です。
最初はキノコバエです。キノコバエも今のところ、頑張っても亜科どまりです。それも採集しないとよく分かりません。
この甲虫は体長3.2mm。前胸背板側縁がめくれあがったようになっているので、すぐに分かるかなと思ったのですが、なかなか分かりません。「原色日本甲虫図鑑」と「原色昆虫大図鑑」を最初から何度か見ていったのですが、結局、ギブアップでした。
それで、一応、実体顕微鏡で撮影しておきました。頭部が完全に下を向いています。触角は単純です。こんなところから、ナガクチキムシ科かなと思ったのですが、よく分かりません。どなたかお分りになる方はおられますでしょうか。(追記2020/01/21:Neotitiさんから、「甲虫はぱっと見シバンムシぽいですがいかがでしょうか?」というコメントを頂きました。それで、少し調べてみました。「原色日本甲虫図鑑III」でシバンムシ科の図版を見てみると、マツザイシバンムシやコガタマツシバンムシあたりがよく似ていて、体長も範囲内に入ります。ともに、Ernobius属に入っています。これらをネットで調べてみると、後者の方 E. curticollisは次の文献が見つかりました。
A. Viñolas, M. Roca-Cusachs and S. Jung, "On the presence of the genus Ernobius C. G. Thomson, 1859, in Korea
(Coleoptera: Ptinidae: Ernobiinae: Ernobiini)", J. Asia-Pacific Biodiversity 12, 66 (2019). (ここからダウンロードできます)
まだ、詳細には比較していないのですが、図を見る限りは大変良く似ています。たぶん、コガタマツシバンムシあたりだろうなと思ったのですが、一応、「日本列島の甲虫全種目録」で調べてみました。すると、シバンムシ科はヒョウホンムシ科に入れられ、7亜科に分けられていました。Ernobiusはそのうちマツシバンムシ亜科に入っているのですが、日本産は全部で6種。もともと3種が記載されていたのですが、2002年に次の論文で3種新記載されたようです。
M. Sakai, "The Genus Ernobius THOMSON of Japan (Coleoptera, Anobiidae, Ernobiinae)", Jap. J. System. Entomol. 8, 119 (2002).
この論文が残念ながら公開されていないので手に入りません。今回はここでストップかなと思っています。Neotitiさん、コメントどうも有難うございました)(追記2021/02/22:Unknownさんから、「マツザイシバンムシだと思います。背面・腹面と色んな角度から撮影されており、見たいところが見やすかったです。」というコメントをいただきました。どうやら、マツザイシバンムシの可能性が高くなってきました。Unknownさん、コメントをどうも有難うございました)
これはヤマユスリカ亜科かなと思ったのですが、これもよく分かりません。
最後はたぶん、チャマダラカスミカメではないかと思っています。
甲虫はぱっと見シバンムシぽいですがいかがでしょうか?
背面・腹面と色んな角度から撮影されており、見たいところが見やすかったです。