新「廊下のむし探検」

大阪北部のマンションの廊下で見つけた虫の名前を調べています

廊下のむし探検 イツホシカオマダラクサカゲロウ

2019-07-04 21:17:32 | 廊下のむし探検
廊下のむし探検 第46弾


7月2日夕方、マンションの廊下で見つけた虫の続きです。今日も時間がなくて虫一匹だけです。





今日はこんなクサカゲロウです。翅に黒い筋が目立ちますし、顔の黒い斑紋もたくさんあります。さらに、口肢は黒くなっています。クサカゲロウについては以前、「手作り図鑑」を作ったことがありました(こちらで探してみてください)。そこに載せた顔写真からイツホシカオマダラクサカゲロウではないかと思いました。このクサカゲロウについては以前、調べたことがあったのですが、今回も復習の意味でもう一度調べてみようと思いました。検索表は次の本に載っています。

塚口茂彦著、"Chrysopidae of Japan (Insecta, Neuroptera)"(1995).

本文は英語で書かれているですが、属の検索表などは「手作り図鑑」に翻訳しておきました。

①im室は通常三角形に近い;m3室はほとんど常に小室に分かれない
②大顎は幅広く、通常非対称、稀に対称。大顎の内縁に歯がある;口肢の末端節は切断状、先端は扁平;前翅のC領域(C area)基部は滑らかに曲線を描き、広がらない クサカゲロウ族
③第2腹節の腹板側方にヤスリ状構造(file-like structure)はない
④頭部に斑紋がある
⑤額には黒褐色の斑紋はないか、もしある場合には、触角直下の縫合線とは離れる
⑥翅脈は黄緑色と茶色ないし黒色の二色性
⑦翅室imの先端はRs-M横脈を超える ニセコガタクサカゲロウ(Pseudomallada)属
⑧前胸背板には3対の明褐色から黒色の斑紋はない;腹部第2腹板にはヤスリ状構造はない
⑨前額と頭盾に斑紋がある
⑩触角間に斑点がある cognatellus

それによると、こんな検索過程を経てイツホシアカマダラクサカゲロウ Pseudomallada cognatellusに到達することが分かります。上に載せた写真だけですべては分からないのですが、分かるところだけを調べてみたいと思います。



これは頭部の斑紋を描いたものです。正面から撮らなかったので、額や前額の紋がはっきり写っていないのですが、④、⑨、⑩あたりは分かります。



そして、これは翅脈です。後翅が重なっているので分かりにくいのですが、im室が三角形に近いことや、その先端がRs-M脈より翅端側にあること、C-areaが広がらないことなどが分かります。また、翅脈は黒と緑の二色性です。こんなところから、たぶん、イツホシアカマダラクサカゲロウで合っているのではと思っています。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿