21日にマンションの廊下で見つけたカミキリがいます。
こんなカミキリです。以前、似たようなカミキリを見たことがあるので、たぶん、ヒメカミキリ属 Ceresiumではないかと思っています。ただ、この属にもいろいろと似た種がいるので、この写真をもとにして少し検索を試みてみました。検索表には「日本産カミキリムシ」(東海大学出版会、2007)に載っている絵解き検索表を用いました。日本産のヒメカミキリ属には8種記録されていますが、このうち、本州産はヒゲナガ longicorne、チャイロの亜種ニホンチャイロ simile flavapubescens、ヨコヤマ holophaeum、テツイロ sinicumの4種です。そこで、この4種に限った検索表を作ってみました。
①a 前胸背板は中央前方に1対の光沢のある小隆起がある;上翅は極めて密に点刻される ヒゲナガヒメカミキリ longicorne
①b 前胸背板は中央前方に小隆起がない;上翅はむしろ粗く点刻される
②a 前胸背板は虫食い状に点刻される ニホンチャイロヒメカミキリ simile flavapubescens
②b 前胸背板は明瞭に点刻される
③a 体は太く短い。特に前胸背板は幅と同長で、側縁は中央付近で隆起する ヨコヤマヒメカミキリ holophaeum
③b 体は長くむしろ細い。前胸背板は多少とも幅より長く、側縁は一様ににほぼ弧状 テツイロヒメカミキリ sinicum
この検索表を用いて調べていきます。まず、前胸背板に小隆起はないので、①aのヒゲナガはすぐに除外できます。
②は前胸背板が虫食い状に点刻されるか、明瞭に点刻されるかですが、実はニホンチャイロについては以前調べたことがありました。その時の前胸背板の写真を載せておきます。確かに、明瞭な点刻は見えなくて、何だかはっきりしない模様がついています。これを虫食い状というのでしょう。
それと比較すると今回の個体には明瞭な点刻があります。それで、②bを選びます。最後の③は微妙ですが、前胸背板の幅と長さを測ってみると、ほぼ等しくなりました。側縁の隆起ははっきりしないのですが、毛の向きが変化している場所で側縁が若干隆起しているようにも見えます(矢印)。それで、③aのヨコヤマヒメカミキリが候補に挙がりました。
各論を読むと、ヨコヤマヒメカミキリの触角は♂で第10~11節基部付近で上翅を越し、♀では長い場合でも第11節後半で越す程度と書かれているので調べてみました。写真からは第11節後半で越しているようなので、これは♀なのかもしれません。一方、③bのテツイロヒメカミキリの場合は、♂で第10節、♀で第9節となっているので大きく違っています。やはりヨコヤマヒメカミキリでよいのでしょう。ただ、本土域では稀と書かれていました。
こんなカミキリです。以前、似たようなカミキリを見たことがあるので、たぶん、ヒメカミキリ属 Ceresiumではないかと思っています。ただ、この属にもいろいろと似た種がいるので、この写真をもとにして少し検索を試みてみました。検索表には「日本産カミキリムシ」(東海大学出版会、2007)に載っている絵解き検索表を用いました。日本産のヒメカミキリ属には8種記録されていますが、このうち、本州産はヒゲナガ longicorne、チャイロの亜種ニホンチャイロ simile flavapubescens、ヨコヤマ holophaeum、テツイロ sinicumの4種です。そこで、この4種に限った検索表を作ってみました。
①a 前胸背板は中央前方に1対の光沢のある小隆起がある;上翅は極めて密に点刻される ヒゲナガヒメカミキリ longicorne
①b 前胸背板は中央前方に小隆起がない;上翅はむしろ粗く点刻される
②a 前胸背板は虫食い状に点刻される ニホンチャイロヒメカミキリ simile flavapubescens
②b 前胸背板は明瞭に点刻される
③a 体は太く短い。特に前胸背板は幅と同長で、側縁は中央付近で隆起する ヨコヤマヒメカミキリ holophaeum
③b 体は長くむしろ細い。前胸背板は多少とも幅より長く、側縁は一様ににほぼ弧状 テツイロヒメカミキリ sinicum
この検索表を用いて調べていきます。まず、前胸背板に小隆起はないので、①aのヒゲナガはすぐに除外できます。
②は前胸背板が虫食い状に点刻されるか、明瞭に点刻されるかですが、実はニホンチャイロについては以前調べたことがありました。その時の前胸背板の写真を載せておきます。確かに、明瞭な点刻は見えなくて、何だかはっきりしない模様がついています。これを虫食い状というのでしょう。
それと比較すると今回の個体には明瞭な点刻があります。それで、②bを選びます。最後の③は微妙ですが、前胸背板の幅と長さを測ってみると、ほぼ等しくなりました。側縁の隆起ははっきりしないのですが、毛の向きが変化している場所で側縁が若干隆起しているようにも見えます(矢印)。それで、③aのヨコヤマヒメカミキリが候補に挙がりました。
各論を読むと、ヨコヤマヒメカミキリの触角は♂で第10~11節基部付近で上翅を越し、♀では長い場合でも第11節後半で越す程度と書かれているので調べてみました。写真からは第11節後半で越しているようなので、これは♀なのかもしれません。一方、③bのテツイロヒメカミキリの場合は、♂で第10節、♀で第9節となっているので大きく違っています。やはりヨコヤマヒメカミキリでよいのでしょう。ただ、本土域では稀と書かれていました。
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