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京浜工業地帯を走るJR鶴見線の支線<石油支線>の特集。
最終回です。
分岐駅の安善から終点の浜安善まで、
いろいろ撮影見学しながら歩いていたので3時間位かかりましたが、
わずか1km足らずの廃線。
まっすぐ歩けば15分程でもとの安善駅へ戻れます。
往きに通った最初の踏切に着く頃にはだいぶ陽も傾き、
工場の影に隠れた西日が、線路だけを照らし出していました。
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変わった名前だというだけで興味を惹かれ、
工場好きも手伝って見学に出かけた今回の廃線は、
こうしてまとめてみると、様々な発見がありましたが、
思えば明治から昭和にかけての近代産業の歩んだ道のりの縮図が、
ここ京浜工業地帯でも同じ様に起こっていたということだと思います。
初期の熱き人達が総ての発端を造り、
飛躍的に拡大し始めた頃に第二次大戦が勃発し、
総ての体系が変化し、戦後多くの人が集まり、
そして産業の衰退と共に廃墟化していくという流れは、
質の違いこそあれ、殆ど総ての産業発展地域に共通する現象だと思います。
ただこの埋立地には、
そういった一般的な時間の流れとは違う側面もありました。
こうしてblogの記事を書いていられる平和な日々も、
いうなればこの埋立地がその一端を担ってくれていることは、
すでにアップしてきた通りです。
今、京浜工業地帯は、巨大な廃墟へと向かって
ゆっくりとした時間を積み重ねています。
横浜の新都市計画には再生の様々な能書きが並んでいますが、
果たしてそれで再生するのかは疑問が残ります。
計画書にはお金と遊びの匂いがあまり感じられません。
浅野総一郎氏が思い描いた絵は、
「稼げる工場をいっぱい造って人を集め、
そのお金を自分の所の娯楽で使ってもらおう」
という単純なものだったと思います。つまり
人は稼げて遊べる所に集まる
ということだと思います。
福祉センターをつくる、高層住宅をつくる・・・
それはそれで大変だとは思いますが誰にでも出来ます。
<稼げて遊べる場所>を作れた時に、
工場出勤用路線とは別の意味を持った鶴見線が走っているのではないかと、
この特集をアップしながら思いました。
踏切をわたる途中、
ホームに人が数人居るのを見て、
現実の世界へ戻ってきた様な錯覚を感じました。
往きに見た廃線を覆っていた猫じゃらしが、
西陽を浴びて、黄金色に輝いていました。
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>この特集を最初から読む
■シリーズ:鶴見線石油支線■
・#01 鶴見駅・本山駅
・#02 鶴見線・安善駅
・#03 安善駅踏切・浅野総一郎
・#04 米軍油槽基地
・#05 安善橋・鶴見線の駅名
・#06 車止め・昭和10年の沿線案内
・#07 踏切・戦後の鶴見線
・#08 ヤード跡・安善町の石油会社
・#09 石油埋立地の意味
・#10 浜安善駅・京浜の発展と衰退
・#11 鶴見線と京浜の未来
現在の工業地帯は巨大すぎて産業の変化についてゆけずに、仰るように廃墟に向かって突き進んでいるようですね。
石炭から石油へと移行したように、此れからはどう変化するのがわかりませんが、確実に変わってゆくのですね。
本文に新都市計画の事に触れておりますが
今では役所が音頭を取る計画には、夢が無い気が致します。
後藤の幻の東京改造都市計画のような、見方によれば大法螺吹きのような、大きな構想を立てれる人物が役所に存在しないからではとも思います。
つたないレポートでしたが、
興味深くご覧になって頂きありがとうございました!
おそらくGG-1さんが海芝浦駅を撮影された時も、
既に巨大な空白感が既にあったのではないかと思いますが。
役所が音頭をとる都市計画に夢がないというのは全く同感です。
ソフトはおろそか、予算の殆どが土木費に。
という構造が変わるのはいつの事かと思います。
後藤新平氏の改造計画がどういったものだったのか、
具体的には知りませんが、
当時の国家予算の約半分を費やす計画と聞いただけで、
その規模の大きさがわかります。
ちなみにこの計画書に、
「構想がせこすぎる」と文句を言ったのが安田善治郎氏だそうです。
安田善治郎氏は、国家予算を上回る額の援助を約束したそうですが、
まもなく殺害され、東京改造案も幻となったようですね。
ここでも安田善治郎が!
それにしても後藤新平氏のお話がでるとは、
さすが鉄道のことに詳しいGG-1さんならでは
と思いました(^.^)
後藤は初代満鉄総裁として、副総裁の中村是公らと鉄道経営の枠に全くはまらない、政治的活躍をしており、当時世界水準のシンクタンクといわれた満鉄調査部などをはじめ、鉄道に興味が無い人にも歴史的にその辺だけでも面白いものがあると思います。
安田善治郎の話は知りませんでした。
大風呂敷の後藤を上回る人物がいたなんて、この人物も興味がわいてきます
昔の鉄道がらみの話には、豪快な人が沢山でてくるのですね!
それだけ鉄道というものが、すごく重要だったということだと思います。
安田善次郎氏や浅野総一郎氏を始め、
鶴見線の駅名になっている人物は、
恐らくいまからは考えられないくらい、
大風呂敷で豪快だったんではと思います。
安田善次郎。
なんといっても、小野ヨーコの祖祖父ですから!
PS : 最初のレスの「善治郎」は、
漢字を打ち間違えていました。
この特集でずっと取りあげてきた「善次郎」です。