黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

廃線:東京都港湾局専用線 #08

2005-06-27 13:22:05 | ・埠頭散策-晴海線
かつて東京湾岸の埋立地を繋ぎ合わせるように縦走していた東京都港湾局の貨物専用線は、
豊洲埠頭に入ったところで、豊洲埠頭の先端まで延びる豊洲線と、
晴海埠頭の先端まで延びる晴海線に分岐していました。
昨日アップしたのは豊洲埠頭の北寄りに残る晴海線ですが、
今日はすでに撤去されてしまった豊洲線を少し。



石川島重工の工場に囲まれた空き地に残る軌道跡と信号機です。
ここは晴海通りからも見える場所なので、
サイトでもアップされているのをよく見かけますが、
現在では完全に撤去されて、ショッピングセンターの建設工事が進められています。







晴海通りを横断して豊洲埠頭の先へ延びていた豊洲線の敷地跡。
豊洲埠頭へはそれほど足を運んでいないので現在の様子はわかりませんが、
石川島播磨の石炭ヤードが延々と広がり、やがて東京ガスの工場で行き止まりになります。
豊洲線はおもにこの石炭を運搬する石炭埠頭線と、
埠頭東寄りの一帯に広がる物揚場線の2路線がありました。
画像の奥に黄色く見えるのは、もう2度と開くことのない防潮柵です。

余談になりますが、最近こういった殆どモノが残っていない場所がとても気になります。
例えば線路なら廃線跡ということなんでしょうが、
一般に廃線跡というと総ての施設が撤去され、
歩道なり車道として完全に生まれ変わってしまったものが多いようですが、
それとはちょっと違って、まだ敷地自体は当時の姿で残っているものの、
そこに本来あったモノは殆ど無くなっているといった状態の場所。
そんな場所に魅力を感じますが、
それはまた画像では極めて説得力のない場所でもありますね。

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