お正月に、7か月になったお腹の赤ちゃんと一緒にうちに遊びに来てくれた、関東に住む弟夫婦。大変な不妊治療を続けてやっと授かった命でみんなが心から喜んでいました。
男の子ということも分かっていました。
来年は3人で来るからねと楽しみにしていた弟夫婦でしたが、1月10日夜に突然電話があり、お腹の中で心音が確認できなくなり、10日、人工的に陣痛を起こして動かなくなった赤ちゃんを出産したと告げられました。
4月になれば生まれるはずだったのに・・・ こんなことがあるなんて
家に連れて帰り、供養をしてあげたいということで、私もすぐに弟の家に向かいました。
7か月間、お母さんと共にしっかり生きた、900グラムの小さな赤ちゃんがかわいいきれいなふとんの上に寝ていました。
顔は弟にそっくりでした。あともう少しだったのに・・・ しっかりとしたきれいな赤ちゃんでした。
弟は赤ちゃんに何度も話しかけ、抱っこして、「ちっとも不幸な気がしない。こうして顔を見ることができて、抱っこすることもできたんだから」と自分を納得させるかのように何度も言いました。
そして、赤ちゃんには、「生まれてくれてありがとう」、奥さんには「がんばって産んでくれてありがとう」、いつでも感謝の言葉しかいいません。私も抱っこしてあげました。ケーキを買ってきて、みんなで誕生日もしてあげました。
弟夫婦は赤ちゃんに名前をつけました。
太陽。
空からいつもあたたかく2人を、みんなを、照らし見守ってくれているよ。
俺たちは前向きだから、大丈夫だよ・・・と気丈に振る舞う弟ですが、私達には計り知れない、深い悲しみに押しつぶされそうになっていると思います。
本当に何と言ったらいいか、言葉もでてきません。見守り、何かあったらかけつけてそばにいることくらいしかできません。
いのちがあるということは、それだけで奇跡的で本当にありがたいことなんだと心から思いました。
だから、自分の命も他人の命も傷つけることは絶対にいけないし、みんながいのちを大切にして、人には思いやりをもって、そうして生きていけたらって、世界中のみんなにそう生きて欲しい、本当にそう思いました。
今回、赤ちゃんは生まれてこないことを選び、空にかえってしまいました。
神さまの前でまた順番待ちをして、今度は元気に弟たちの所へおりてきて欲しい、心からそう願います。