今夜は歌舞伎座「四月大歌舞伎」。
玉三郎と仁左衛門のコンビ2演目を観たくて四月は夜の部にしたが、素晴らしかった。
一、於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり)
お染久松の心中を描いた人気作。
玉三郎は悪事を働く「悪婆」のお六。毒と色気がすごい。仁左衛門が強悪な夫の喜兵衛。2人が百両を騙し取ろうと企むハナシは実に面白い。見せどころたっぷり。2人のコンビはこれから始まったという。まさに当たり演目となったからだろう。
二、神田祭(かんだまつり)
神田祭の様子を舞踏にしたひと幕。
仁左衛門が粋な鳶頭で、玉三郎が艶やかな芸者。2人の息がぴったりあった踊りに華やかな江戸風情。何もいうことがない、ため息がでる世界だ。
三、四季(しき)
情緒豊かな日本の四季の移ろいを美しく描いた舞踊四題。
[春 紙雛]菊之助と愛之助がお雛さんの恋人となって踊り。
[夏 魂まつり] 芝翫が大文字送り火をバックに情緒豊かに。
[秋 砧]孝太郎が揺れ動く若妻の心理を表現。
[冬 木枯]松緑と亀蔵のみみずくを中心に木枯らしの吹き舞う冬の日を。
今年から毎月歌舞伎座に来ているが、楽しめてる。馴染んできた。江戸時代の庶民たちが楽しんだ芝居や踊りを、400年後のわたしたちが同じように楽しんでる、楽しめるってすごいなぁ。
国や国民のアイデンティティって、こうして形成されていくんだろう。