太平洋戦争と戦後70年

　みなさん、久しぶりです。まごーんです。
　今日はNHKの歴史番組に於いて、日本海軍の伊400が特集されていました。
　私も、番組をみつつ、Twitterに目を落としていましたが・・・。流れてくるツイートを見て、どこか心に靄がかかりました。
　「日本海軍は素晴らしかった！」とか「海軍はかっこいい！」とかのツイートです。後者はともかく。前者は若干危険と考えます。
　現在、「艦これ」ブームにより、日本海軍(後継組織である海上自衛隊も含め)が世間で注目されています。さらに、今年に入ってから戦艦武蔵の発見や、先日の武蔵「主砲発砲」写真発見など、更なる熱気が帯びていると感じています。
　かなり前にどこかで述べたことと被りますが、このままでは海軍は素晴らしかったという「枠組み」が世間に浸透してしまうのではないかと考えます。世間に根付けば、俗説でも本当のことのような錯覚が無自覚で進行してしまうと私は思います。(歴史にも色々な俗説がまかり通ってます)
　
　例えば、このブログを見ていただいております、皆さん。
　今年は「戦後70年」の節目に当たります。戦後から70年です。この戦後。一体、何からの戦後ですか？想像して見てください。
　太平洋戦争と思った方、正解です。または第二次世界大戦と思った人、正解です。
　しかし、その正解は間違っている正解であります。太平洋戦争、本当にそうですか？あの戦争で日本軍が戦った戦場を頭に思い浮かべてください。
　真珠湾、ミッドウェー・・・レイテがありますね。海の戦場です。これらしか思い浮かばなかった人は、概説書でもよいです(吉田裕『アジア・太平洋戦争　シリーズ日本近現代史⑥』岩波新書)が良いでしょう。おすすめします。
　さて、上記で私が薦めた本の題名、気付かれたでしょうか。「アジア」太平洋戦争。です。そうです、アジアです。日本は太平洋戦争で海ばっかり戦ったわけではありません。アジアでも戦争をしていました。さらに言えば、日本はアメリカと戦争する前、中国と1937年から戦争をしています。
　これは、現在問題になっている「歴史認識」にも関わってくる問題です。
　日本はアジアおよび中国に関して、見ていない感があります。日中戦争は1937年から1945年の日本の敗戦まで行われました。約8年です。太平洋戦争の3年8ヵ月の約2倍に及ぶ長い期間です。
　日本の先の戦争に関するアジア、中国に対する認識はまだまだ甘いと思っています。つまり、戦後70年とは「太平洋戦争から70年」という「枠組み」があるのです。
　
　ここで最初のほうで述べたことにつなげます。「艦これ」により日本海軍に関する特集は今後も少なからず続くでしょう。それに関する書籍等も出るでしょう。故に、アジア・太平洋戦争が、「海軍のみに注目する対米戦争の太平洋戦争」として世間の認識に植え付けられるのが私は非常に心配です。(別に「艦これ」が悪いわけではないですが)
　このページを見てくれた皆さんには是非、戦後には日中戦争、そして「アジア」で戦争をしてからということを頭の隅に(できるだけすぐ出せるよう)持っていてほしいと思うのです。