アカペラな日々 - "Sakata Coro a Cappella" Since April 9, 2009

合唱団"Sakata Coro a Cappella"で指揮の傍ら作曲・編曲,たまに歌に励むOyaji。の活動&日常

津軽の素材は津軽の人が昇華する「あいや節幻想曲」,否「あいや節」

2018年07月07日 | 音楽系(合唱,作曲・編曲など)
「津軽民謡風俗めぐり」あいや節幻想曲(青森県立青森高等学校)

平成2年度NHK全国学校音楽コンクール全国大会(銅賞)
作詞・作曲の小倉先生の指揮です。


あいや節幻想曲の全国デビューは下に記載の八戸市立根城中学校が先なものだから,それのおかげで有名になったと思っていた。
この青森高校のものは,作曲者である小倉尚継さんの指揮によるもので,本物の津軽の音とテンポとリズム感,言葉,そして青森ナンバーワンの生徒たちの理解力によっても,本物の本物として全国に理解されることとなった。
小倉さんは指揮をしながらも見た目でその口からは津軽弁(≠青森弁)が発せられるのが分かった。
生徒たちの,例えばピアノに合わせた「ホーッ!」との裏声も,なぜか標準語に寄せた津軽弁に聴こえるのである。

ちなみに,この曲は流行し全国の中高校生が歌うようになったが,残念ながらそれらの言葉もテンポもリズムも,本物の津軽のものには遠いものばかりだ。

【NコンS63中 自由曲】「あいや節幻想曲」
(八戸市立根城中学校合唱部)金賞


昭和から平成にかけて中学合唱の頂点を極めた八戸市立根城中の演奏だ。
普通は「中学生らしさ」を問われるNコン(苦笑)の頂点として,らしさあふれる演奏をしているのだが,この曲については違っていて,非常に真剣に,かつ青森という土地柄も意識させる演奏で,好感が持てる。
ちなみに,この子たちは南部の子であって,津軽の子ではないです(笑)

青森県立青森西高校「陰旋法民謡による三つの女声合唱曲」より あいや節
1972年(昭和47年) 全国合唱コンクール東北大会 当時のLP をデジタル
この曲指揮の小倉尚継先生が作詞・作曲・編曲した曲で確か、この年、初演


最初の青森高の動画のコメントにあったのでリンクから聴くこととなったのが「幻想曲でない方の,あいや節」だった。
結論としては,この「あいや節」が原曲であり,約7分の長編だが,幻想曲は3分台のNコンで歌える「尺」になっているので,明らかにそういう仕様なのだろう。

私は脳も耳も「幻想曲基準」だったので,頭の入りが非常にゆっくりなように感じた。
そこに途中でテンポダウンしてくるので,ますます混乱した。
後半は,最初に戻る「ア・テンポ」気味になり,満を持して「ねぶた踊り」の「ラッセーラ」と「ホーハイ」をないまぜにしたような独特のテンポと音感を聴いて,自分の誤解であって,これが本当の津軽の「音」だと気づいた。

そうして考えると,津軽の音は,ドシンという槌音からホーの掛け声から三味線の叩く音まで全てが斬新で独特,言わば津軽のオリジナルだ。
それを体感も理屈も駆使して合唱にできる小倉さんの制作能力は図抜けている。
それだけではない,教育者としても指揮者という音楽表現者としても,強く勉強させられる存在だ。

もう一つ,この曲を「観ながら」聴いた人は誤解するかもしれないが,ねぶたの隊列が目の前に迫ってきてダイナミックな現実になり,最後には背を見せて生き生きと去っていく,そんな一次元加えた音楽になっていることを追記しておきたい。

数年前,小倉さんが合唱コンクールの山形県大会に審査員として来られたことがある。
我が団体の女性たちが審査員控室のお世話をしたのだが,他の審査員が協議やら発表やらに忙しい中,小倉さんだけ審査が終わるとスタスタと駅に向かわれ青森に帰られたそうだ。
まあ,東京に行くよりも青森に行く方が時間的距離が遠い土地柄なので仕方ないとは思ったが。

結果,隙があればお話させていただきたいと思った私の企みは空振りに終わってしまった。

女声合唱組曲「みえないものを」より 1.のびあがる

2018年07月07日 | 音楽系(合唱,作曲・編曲など)
高三の時のコンクール県大会,とっても可愛らしい合唱を聴いた,この「のびあがる」だった。
「わたしはそっ,とのびあがる」..精神性とか難しい話ではない,等身大の歌だ。
歌ってくれたのは,当時の余目高校(現在の庄内総合高校)20人くらいだったと思う,こっちも二十三名だったと思うが。

四十年以上も経った今,検索したのがこの動画。
東京家政大学..ムム,ちょっと幼すぎるのではないかな!?
とりあえず聴いてみる。
1.のびあがる - 女声合唱組曲「みえないものを」より

「わたしは『そーっと』のびあがる」おいおい,そこは泥棒じゃないんだから,素直に伸びあがってくれ!(笑)