師匠 おでんをつくる

弟子：おはようございます。

師匠：ム。






弟子：あっ、今晩のおかず作ってるんですか？

師匠：ム、そうじゃ。おでんじゃ。
　　　今、昆布を結んどる。






弟子：いや～、寒くなってきたからいいですね～
　　　でも、師匠の家でおでん食べるの初めてかも。

師匠：そうじゃろう。
　　　ワシはどうも今までおでんが好きになれなかったので今回初調理じゃ。





師匠：じゃ、昆布を鍋の中に入れてくれ。

弟子：はい。
　　　って、他の具材は？






師匠：バッカモーンッッ！！
　　　おでんで唯一食べられるかなって具が昆布だけなのじゃから　
　　　昆布しか入れんにきまっとろうがっ！

弟子：そんな～
　　　それじゃぁ、昆布の煮物じゃないですかーーーーっっ！！！

師匠 年賀状を書く

弟子：おはようございます。

師匠：ム・・・





弟子：あっ、もう年賀状を書いてるんですか？

師匠：ム、いつも書こう書こうと思ってて、忘れてしまうからのぉ。
　　　今年は早めに書き出したんじゃ。





弟子：へぇ～偉いですね！
　　　ところで、だれに出すんですか？





師匠：バッバッバッカモーーーンッッッ！
　　　ワシにだって年賀状を出す相手ぐらいいるわいっっっ！！

弟子：そうですよね。

　　　　　チラッ





弟子：って、これ師匠宛じゃないですかーーーっ！！
　　　こっちは私宛っっ！！！

師匠：バババババッカモーーーーン！！
　　　個人情報をのぞくんじゃないっっ！！！

師匠、衣替えを済ます

弟子：おはようございます。

師匠：ム、今日は、もう一つ仕事を済ませたぞ。





弟子：おっ、早いですね。掃除ですか？


師匠：いや、衣替えじゃ。
　　　なかなか面倒で手が付けられなかったのじゃ。





弟子：はい？　師匠、衣替えするような服持ってましたっけ？





師匠：バッカモーーン！！
　　　ワシにだって衣替えするもんはあるんじゃーーーっ！！





師匠：ほれ、うちわとかき氷のシロップをしまって、
　　　代わりにこたつ布団と鍋セットを出したんじゃっ！

弟子：お言葉ですが、「衣」じゃないです・・・・・

師匠 「こうよう」を見せる②

師匠：ム、今日こそは本当の「こうよう」を見せてやるぞ！！

弟子：えっ・・・
　　　まあ、期待しないでおきます・・・





師匠：ジャ～ン！！！！
　　　ほれ、ほれ、「福袋」じゃ！
　　　最近は正月以外でも「福袋」を売っとるんじゃなぁ。





師匠：いや～中に何がはいっとるんじゃろ～
　　　楽しみだな～～～ワクワク、ワクワク
　　　　　ほれ、ほれ～っ！　これが本当の「こうよう」じゃ～～～！！





弟子：は、はぁ。気分が高揚してるんですね・・・・・
　　　でも、おかげで、私は気分が落ち込みました。
　　　師匠に付き合うんじゃなかったと、心から後悔しています・・・

師匠：そうか～　まあ、そんなことはどうでもよい。
それより、中身なんじゃろーーー！

師匠 「こうよう」を見せる①

弟子：もう、11月ですね。
　　　そろそろ紅葉がきれいになってる頃じゃないですか？

師匠：ム・・・・






弟子：あの～　紅葉見に行きたいなぁ、なんて・・・

師匠：ム？






師匠：よし、この料理酒を使って・・・

弟子：はいっ？





・・・・・・・・・・・・・・・・・・
クンクン
　　　　　ポワ～～～～ン




師匠：ほれ～　　こ、これが～こうようじゃ～～
　　　　　赤く色づいたじゃろうぅ～～～～～～～

弟子：師匠ーっっ！！
　　　バカにしてるんですかーっ！！！