SAKURA ふるきよきうつくしきもの 

包む 結ぶ 遊ぶ いにしえに学ぶ

羽織の結び

2008-02-14 00:01:25 | 







魚氷にあがる候となりました

立春の後寒い日が続きます。朝の庭は霜柱が立って凍てついています。

この二つは同じ結び方ですが上下が違います。
右上はお殿様のような格の方が結ぶので紐先が上を向いて偉そうです。女物の羽織紐なのでイメージがつき難いかもしれませんが、もう少し太く豊かな紐で結ぶと淡路結びとは違ったイメージになります。左は普通の女性の結びです。

先日けまんのお話をしましたがお芝居の中にはまだいろいろな結びがあります。羽織の紐結びとは関係ないのですが少しふれたいと思います。

楽器には琴でも笙でもその袋にはたいてい結びの装飾が付いています。房や結びがあると取り扱いも自ずと大事になるようです。阿古屋が弾くお琴にも胡弓にもそれぞれ梅結びや胡蝶結びの変形など付いていて、胡弓の弓にはにな(蜷)結びが下がり弾く度に揺らめいてよい情緒を醸します。
揚巻や八橋など傾城の頭は立兵庫と言う大きな髷ですがこれにも梅結びが付いていて何本もの笄とのバランスを保っています。
松羽目物の揚幕には太い紐の露結びのような一重の結びが下がっています。
鎌倉期の武士の衣装には紐のきくとじ(菊綴じ)があり、袖口や袴の裾に平紐が通してあります。この紐はいざと言う時に袖口や足元をくくり、襷がけが出来るような美と用の工夫を備え、後世の武家の裃とは違った公家風な柔らかさがあります。
結びには優雅な味わいがあるようです。


華鬘

2008-02-09 00:18:35 | 








うぐいす鳴く候となりました

梅に鶯、むめの梅も満開となりました。
旦那さまは早寝早起き、朝は6時前から起き出します。今まで暗かった朝もようようしらじらとしてきました。目覚めてすぐに分かる春の訪れです。

これはけまん結びです。華鬘、花鬘と書きますが荘厳の結びなので寺院などでよく見かけます。

先月海老蔵の舞台でこの結びを見ました。
前々から「四の切」など御殿の場でお殿様が着ているフリフリ襟の長羽織の結びはけまんだと思っていたのですが今回確認出来ました。(今回の御殿の主の衣装は定式でしたがあまり貫禄のない館の主でした~これはさておき)

この結びは総角などのように輪にしたものを左右に引いて結びます、つまり蝶結びをするように結べる結び方なのです。お殿様の威光を示すに相応しい豪華な結びです。

今月は羽織の紐を結んでみたいと思います。


おしらせ

2008-02-06 00:01:14 | 
こんなお知らせがありましたので載せておきます。

サーバーメンテナンス作業のため、2月7日(木)午前2時から午前10時までの間、AutoPageのすべてのサービスを停止いたします。メンテナンス中は、閲覧を含むブログのすべての機能がご利用いただけなくなります。

文字だけではつまらないので3日の雪とアロエの花を撮ったので載せておきますね。(軒下なので暗いのです~) snowsnowsnow




梅の花包

2008-02-04 00:01:18 | 












立春となり東風凍を解く候となりました

昨朝は雪の落ちる轟で目覚めました。待っていた立春の朝は庭一面の銀世界となりました。

東風吹かばにおいおこせよ梅の花 と言うことで庭の梅を包んだ梅の華包です。

この梅を「むめの梅」と呼んでいます。母の本名はむめで、お誕生日が2月9日、ちょうどその頃によい咲きぶりとなるので名付けました。
樹齢も母と同じくらいか(お元気なら91歳)けっこう大きな木で梅の実もたくさん付けてくれます。

母はお芝居が大好きでそのお陰で私も小さい時からお芝居に連れていてもらいました。母の贔屓は成駒屋でしたが本当は歌右衛門の兄のお慶ちゃんでした。若くして亡くなった先々代の福助(五代目)ですがその替紋は裏梅です。(ちょうど花包の花は木裏が見えて裏梅のようです)
研修会の「莟会」も俳名の梅莟から付けたようで梅には縁がありますが母はひそかにそれを喜んでいたのかもしれません。
この梅が咲くと母を思います。