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「洗脳するまで目的は伝えない」起業を夢みてセミナーに通った20代女性の悲惨な末路

2021-02-26 15:30:00 | 日記

下記の記事はプレジデントオンラインからの借用(コピー)です

気づいたらそこは悪徳商法の巣窟
「最初はあのお店がそんな場所だとは、まったく知りませんでした」
繁華街にある、小ぎれいでリーズナブルなダイニングバー。カクテルは1杯300円。食事の味も悪くない。何も知らなければ、単にコストパフォーマンスの良い便利な店だろう。
ところが、私が取材したAさん(20代・女性)が出入りしていた店は、経営者から従業員、常連までが悪徳商法集団の構成員という、魔窟のような場所だった。
Aさんが「彼ら」と関わるきっかけは、ありふれた路上に潜んでいた。
「すみません、このあたりでおいしいラーメン屋を知りませんか?」
ある日、友人との食事から帰宅していた彼女は、路上で男女二人組に声をかけられた。親切心から近場のラーメン店を教えた彼女は、話の流れでLINEを交換したという。
その翌日、路上で声をかけてきた女性から、食事を誘うLINEが届いた。予定の空いていたAさんは、誘われるままに食事の約束をした。場所として指定されたのは、繁華街の中心地にあるダイニングバー。立地と店構えの割にメニューが妙に安かったが、格別味が悪いわけでもなかった。
Aさんはその後も食事に誘われ、気づくとその店で行われるパーティーに参加するようになったという。参加者には起業を目指している人が多く、店の経営者という男性を紹介された。男性は客にひどく慕われており、その周りには会話を求める人の輪が出来上がっていた。
しかし、パーティーに通うなかで、Aさんはある違和感を持ったという。
「何というか、店員と常連の仲が良すぎるんです。不思議に思って聞いてみたら、常連が店員として働いていることがあると説明されました。そんなものかと思っていたんですが、話を聞くうちに、常連も店員も、なぜか皆同じ場所に住んでいることが分かりました。本当の理由が分かったのは、入会後だったのですが」
セミナーには店員や常連が参加していた
誘ってきた女性との会話のなかで、経営者の高収入と時間の自由を強調されたという。話の流れで起業に興味を持った彼女は、その女性から「経営の師匠」を紹介された。その人物はパーティーにいた経営者の男性だった。Aさんは起業の勉強をしている団体があると説明され、起業の意思を確かめられた後に入会を認められた。
その後始まったセミナーで、彼女は驚愕きょうがくした。
「あの店の経営者も店員も常連も、皆同じセミナーに参加していたんです。お店やパーティーにいたほとんどの人が同じ団体の会員でした」
その数カ月後に彼女を待っていたのは、シェアハウスで同じ組織の構成員と寝食をともにし、師匠に毎月15万円支払う生活だった。
個人情報はすべてスプレッドシートで管理
彼女が入会していた団体は「環境」や「事業家集団」などと通称されている。あくまで「通称」なのは、この団体に正式名称がないためだ。
違和感を覚える方もいると思うが、これにも狙いがある。彼らはネットで悪評を検索されないよう、あえて名前を付けていないのだ。いわば「逆SEO対策」である。以下、本稿では彼らを「環境」と呼ぶことにする。
「環境」の勧誘手法とビジネスは以下のようなものだ。
彼らはまず、街コンやボードゲーム会、あるいは主要駅の路上といった人が集まる場所に出向き、連絡先を大量に交換する。
その後、食事や飲み会、パーティーなどに誘い、属性を聞き出すとともに親交を深めていくという。ターゲットにされやすいのは独身の一人暮らしで、職場に不満を持っていたり、今の仕事とは他にやりたいことがあるなど、現状を変えたい志向を持つ人物だ。
ここで聞き出した情報はスプレッドシートで管理されるとともに「師匠」(上位階層メンバー)に報告されている。私が脱会者に見せてもらったスプレッドシートには、氏名や出身地、職業や生活形態といった個人情報がびっしりと書き込まれていた。
勧誘できそうだと判断すると、最初に接触した人物が師匠を紹介する。この時の組み合わせは、勧誘対象―構成員―師匠という、マルチ商法でもよく見る「ABC(A=アドバイザー:説明者、B=ブリッジ:勧誘しようとする人、C=カスタマー:勧誘される人)」である。
構成員は「起業で成功する方法を知っている」「何人もの弟子が独り立ちしている」といった言葉で師匠を持ち上げ、また師匠が経営している店舗や会社のウェブサイトを見せて信用させる。
こうして「環境」に心を許していると判断すると入会を勧め、師匠の近辺に引っ越すよう助言するのだ。
「自己投資」の正体は幹部への上納金
入会後はコミュニケーションやビジネスマインドに関するセミナーに毎週末参加させる。セミナーの内容で特徴的なものが「チームビルディング」と「自己投資」である。
「チームビルディング」とは、「起業するにあたってはチーム作りが重要なため、直下9人・総勢50人のチームを作り上げることが必要である。」と伝え、勧誘手法を叩き込むものだ。「環境」では、上記のチームを作り上げるとオーガニックショップの出店が「許可」されるが、これを実現する会員はほとんどいない。実現した場合も顧客のほとんどは「環境」の構成員である。
また「自己投資」とは、「起業のためには月15万円程度の『自己投資』が必要」と伝えるものだが、具体的な内容はまだ伝えない。
ひととおりのセミナーが終わると勧誘する側に回らせ、毎日深夜にまで及ぶ勧誘活動や師匠への報告を行わせて疲弊させていく。
そうして3カ月ほど経ち、完全に組織に染まった時、初めて「自己投資」の内容を明かす。15万円の自己投資の正体。それは、「師匠の店舗から15万円分のシャンプーやサプリメントを毎月購入する」ことなのだ。
一般的なマルチ商法ではないが…
構成員が勧誘した人物が自己投資を行った場合、「自己投資に使えるポイント」が付与される。このため構成員は自己投資の負担を下げ、チームを作って出店を許可されるため勧誘にいそしむこととなる。
つまり彼らは、構成員に勧誘を行わせ、商品販売を行うピラミッド状の組織を作るビジネスを行っている。これがマルチ商法、つまり特商法における連鎖販売取引にあたるかどうかは解釈が分かれるところだ。
彼らの特徴は月15万円もの買い込みを行わせることと、目標が起業=オーガニックショップの出店に置かれること、そしてビジネスの正体を徹底的に隠すことであり、筆者はこれが問題であると考えている。
一般的なマルチ商法であれば勧誘の早い段階で商品説明やデモを行うため、その企業の名前や業態を知ることができる(そもそも事前に企業名やマルチ商法であることを示さず勧誘するのは違法である)。
ところが「環境」の場合、単に起業を目指す集団であるとだけ伝えて入会させ、完全に染まりきるまで核心を伝えない。これは徹底しており、勧誘の場では組織で扱っている商品は絶対に見せず、自己投資の正体を明かす前にもその説明は行わない。勧誘の途中でターゲットから外れ、飲み会やパーティーの主催が「環境」だったと気付かないままの人も多くいるだろう。
勧誘の毎日で交友関係を「環境」周辺に限定させ、疲労で思考力を鈍らせてから初めて月15万円もの買い込みを勧める。この状態で15万円の自己投資を選択したとして、果たして「本人の意志」であると言えるだろうか
知らないうちに「環境」の店舗を利用している場合も
私の手元には脱会者から集めた「環境」関連の店舗リストがあり、その数は60を超えている。全ての情報を集めきれているわけではないので、実際の数はさらに多いはずだ。
冒頭で示したような飲食店は東京都内や大阪市内に多数あり、この他にも前述したオーガニックショップやレンタルキッチン、貸し会議室などがある。事例としてよく聞くのは東京だと品川や五反田、大阪では福島だ。これは、都内でも山手線の南側に多くの弟子を持つ「師匠」が多いことと、この団体の発祥の地が大阪だったためと考えられる。
特に飲食店の場合、オーガニックショップとは異なり一般客もそれなりにいるため、それと知らずに使っていることも十分あり得る。筆者がグルメサイトを確認したところ、彼らの店舗も掲載されており、肯定的なレビューも付いていた。
彼らはとにかく勧誘機会を求めており、その代表が前述した街コンである。東京・大阪で数千人の会員が毎日活動しているため、一時は大抵の街コンに「環境」の構成員が入り込んでいる状況で、同じ街コンで仲間を見かけることが何度もあったという。
この他にも駅や路上での声かけ、各種交流会、読書会、朝活会、ボードゲーム会、IT系の勉強会、フットサル、パブリックスタンド、スタンディングバーなど、およそ人が集まる場所のほとんどに入り込んでいる。
読書会やボードゲーム会といった集まりに出向かなくても、路上で声をかけてきた相手が構成員だったとしたら。彼らと出会うきっかけは、何げない日常の中に潜んでいるのだ。
将来の不安を抱えても絶対に相談してはいけない
コロナ禍で街コンや交流会が激減している昨今だが、彼らの活動は衰えていない。相変わらず路上での声かけは行われており、またオンラインでの街コン、読書会、勉強会などに入り込み、勧誘機会を窺うかがっている。
さらに筆者が取材した例では、オンラインビジネス講座サイトの講師が「環境」の構成員というケースもあった。リモートであっても人が集まる場所、特に参加ハードルが低い場所には彼らが潜んでいる。
ただ、怪しい場所や人物を判別し連絡を絶てば、このような集団に取り込まれることは防げる。そこで、人物や店舗が「環境」関連であると判断できるポイントをいくつか挙げる。
○人物編
・街コンで同性の連絡先を大量に集めている
・路上でおいしい店やおすすめの居酒屋を聞いてくる
・「友達が集まる飲み会」といったつながりの不明瞭な集まりに誘ってくる
・「自分が源」「過去は生ゴミ」といった言葉(彼らのセミナーで教え込まれる)を使う
・「起業や経営について学んでいる人物」を紹介しようとしてくる
________________________________
○店舗編
・メニューが不自然に安い(好立地で小ぎれいなのにハイボールが300円台、カクテルが400円台など。構成員を無給で働かせている場合もあり、それでなくても月15万円回収しているため。ただし普通の価格帯のこともある。)
・一般名詞や地名など、店名が妙にシンプル(団体名と同様の逆SEO目的)
・休日が貸切営業になっている(勧誘パーティーに使っているため)
・店員と常連の仲が不自然に良い
・店員も常連も皆同じ場所に住んでいる(師匠の近所への引っ越しを勧めたり、シェアハウスで集団生活をさせているため)
現状や将来への不安から、誰しも現状を劇的に変える希望に心惹かれてしまうことはある。しかしその希望を見せてくる相手が、もしもあなたの財産を狙っているとしたら。筆者が取材したなかには、「環境に入会して、貴重な時間と資産を奪われてしまった」と悲痛な声で実体験を話してくれた元会員もいた。
不安を抱えることは誰にでもあるが、そんなときに上記のような特徴をもった人物や店舗に遭遇したら要注意だ。悪質な団体に時間と資産を奪われないよう気を付けてほしい


老化を遅らせ、元気続く 最新研究が示す抗老化物質

2021-02-26 13:30:00 | 日記

下記の記事は日経グッディからの借用(コピー)です


最先端の研究により、老化を遅らせ、高齢になっても元気に人生を楽しんで天寿を全うする「ピンピンコロリ」が実現できる時代が近づきつつある。米国では国家予算をかけて抗老化研究が行われており、その成果の一つとして研究者の間で注目を集めているのが、「NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)」という物質だ。このNMNの抗老化効果などについて研究する、抗老化研究の第一人者、米国ワシントン大学医学部発生生物学部門・医学部門の今井眞一郎教授に、抗老化研究の最前線や今すぐ実践できる老化制御法についてインタビューした。
◇   ◇   ◇
抗老化成分として研究者の間で注目されているNMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)。これは、ビタミンB3からつくられ、ブロッコリーやアボカド、トマトなどにも微量に含まれる食品成分だ。NMNカプセルも販売され、米国や中国、日本の富裕層を中心に、老化を遅らせ、実年齢よりも身体機能を若く保つことが期待できるサプリメントとして人気を呼んでいるという。
NMNブームに火がついたのは、米国ワシントン大学の今井眞一郎教授(神戸医療産業都市推進機構先端医療研究センター・老化機構研究部特任部長を兼任)の研究を中心に、その抗老化効果が明らかになってきたためだ。
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今井教授は、酵母から人間まで、体内にあるサーチュインという酵素が、活性化することで老化を遅らせたり寿命を延ばしたりする老化・寿命制御因子であることを発見したことで世界的に有名な抗老化研究の第一人者だ。2020年12月初旬、日本に一時帰国中の今井教授に、NMNの抗老化効果などについて聞いた。
老化を遅らせ認知機能や免疫機能の低下を抑える効果も
――今、米国、そして日本でも、NMNという成分が、「寿命を延ばすかもしれない。特に、健康寿命の延伸の効果があるかもしれない」ということで、人気になりつつあります。その発端をつくったのが、今井先生の数々の研究です。今井先生のこれまでの研究で分かってきた、NMNの抗老化効果について教えてください。
今井 私たちワシントン大学のグループが、生後5カ月のマウスが17カ月齢になるまで1年間NMNを飲ませた研究では、さまざまな抗老化効果が見られました。5カ月齢というのは人間でいえば20代くらい、17カ月齢は60代くらいです。例えば、NMNを飲ませたマウスは、飲んでいないマウスよりたくさん食べるようになったにもかかわらず、体の代謝が上がって中年太りが抑えられました。ほかにも、骨格筋、肝臓、脂肪といったさまざまな場所で加齢に伴って起こる遺伝子の変化が抑えられ、身体活動量が上がり、血糖値を下げるインスリンの感受性、光を感じる目の網膜の機能が保たれ、免疫細胞の数が増えるなど、NMNには非常に多岐にわたる抗老化作用があることが分かっています。
2011年に発表した、糖尿病のマウスにNMNを与えた研究では、血糖値がほぼ正常になり、症状を劇的に改善させる効果が見られました。
NMNの主な老化抑制効果
今井教授の研究では、NMNの抗老化効果として、体重増加や骨密度低下の抑制、インスリン感受性の改善などが見られた。出典:Cell Metab. 2016;24(6):795-806.
――日本でも認知症患者の増加が問題になっています。NMNとアルツハイマー病との関係を調べた研究もあるようですね。
今井 他の研究機関でアルツハイマー病のモデルマウスにNMNを飲ませた研究では、記憶力や認知機能が回復し、アルツハイマー病の原因となる脳の海馬の細胞死が抑えられたと報告されています。NMNは血管の弾性を若い頃と同じように保つといった働きがあるなど、老化に伴う組織や臓器の機能低下、それから、老化に伴って起こる病気を改善させる効果も、世界各国の非常に多くの研究機関の論文で証明されています。
NMNを飲むとすぐにNADに変換されサーチュインが活性化
――なぜ、NMNには老化に伴う組織や臓器の機能低下を抑える作用があるのでしょうか。そのメカニズムを教えてください。
今井 NMNを飲むと、すぐにNAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)という、私たちが生きていくうえで欠かせない補酵素に変換され、サーチュインの働きが活性化されるからです。サーチュインは老化や寿命をコントロールする酵素で、その遺伝子は長寿遺伝子とも呼ばれます。哺乳類にはSIRT1(サーティワン)から7まで7種類のサーチュインがありますが、特に重要なのがサーティワンです。サーティワンは血糖値を下げるインスリンの分泌を促進し、糖や脂肪の代謝を良くしたり、神経細胞を守り記憶や行動を制御するなど、老化や寿命のコントロールに非常に重要な役割を果たしています。
その働きを解明するために、マウスの実験で、脳の司令塔である視床下部でサーティワンの機能を高めたところ、老化によって増える症状や病気の発症時期が遅くなり、メスでは16.4%、オスでは9.1%健康寿命が延びました。面白いことに、人間の60代に相当する17~18カ月齢のマウスの脳の視床下部でサーティワンを高めると、3~4カ月齢(人間の20代相当)の若いマウス並みに元気に動き回るようになり、体温が上がり代謝も高まったのです。
脳でサーチュインの機能を高めると健康寿命が延びた
出典:Cell Metab, 2013 Sep 3;18(3):416-430.
そして、こういったサーティワンの働きすべてに必要なのがNADです。組織中のNAD量は加齢と共に減少しますが、NMNを飲むとNADの量が増えてサーティワンの働きが活性化します。サーティワンが増えると、視床下部がコントロールセンターとなっていろいろな臓器や骨格筋、脂肪組織の機能が回復し、身体活動量や代謝が上がります。つまり、加齢に伴って減少するNADを増やし、サーティワンを活性化させることが老化を遅らせるカギとなるのです。
NMNが老化を制御する仕組み
体には、NMNを速やかに体に取り込むトランスポーター(運び屋)となるタンパク質が備わっており、NMNを飲むと体内でNADが増え、サーチュイン(老化や寿命をコントロールする酵素)が活性化されて老化が抑えられる
――人間にも、マウスと同じような効果が期待できるのでしょうか。
今井 ワシントン大学の私の研究室では、長年の同僚であるサミュエル・クライン教授(老年医学・栄養学)の研究室と共同で、糖尿病予備群で肥満かつ閉経後の女性(55~75歳)25人を対象にした第1次臨床試験を実施しました。被験者を2つのグループに分け、NMNかプラセボ(偽薬)を1日250mg 12週間投与し、体の代謝、心臓や血管の状態に関係のある検査数値がどのように変化したかを重点的に調べる高度な解析を行いました。人間の場合は、マウスと違って寿命が長いので、心臓や血管の状態を見る数値が、抗老化効果を見る指標になります。すべての解析は終わっており、現在、論文審査中です。
最初の臨床試験の結果を受けて、第2次の臨床試験も2020年10月からスタートしています。第2次の臨床試験には米国防省の予算がついています。今回は男性も対象にして人数を増やし、糖尿病予備群で肥満の男女56人を対象に被験者を募集中です。
NMNの効果が期待できるのは40~50代以降
――最初の臨床試験で、閉経後の女性を対象にしたのはどうしてですか。
今井 2011年に報告した糖尿病モデルマウスにNMNを投与した研究結果で、マウスではメスのほうがNMN投与による効果が大きいと分かっていたからです。ヒトとマウスが同じかは分かりませんが、肥満で糖尿病予備群の閉経後の女性というように、マウスで効果が見られたのと近い条件を設定しました。
マウスに対する効果になぜ性差があるのかは、まだ分かっていません。一つだけ分かっているのは、私たちが体の中でNADを合成するためにはNAMPT(ニコチンアミド・ホスホリボシルトランスフェラーゼ)という酵素が必要で、そのうち血液の中を巡っているNAMPTをeNAMPT(細胞外に分泌されるNAMPT)と言いますが、その量は、マウスのメスではオスの2~3倍多いということです。つまり、メスは何らかの理由で大量のeNAMPTとNADを必要としていて、加齢に伴ってそれらが下がったときに、NMNを補充してNADを若いときに近い水準に戻すと、劇的な効果をもたらすのではないかと推測しています。ヒトに対する効果にも性差があるかは、男性も対象にしている第2次の臨床試験の結果を分析する過程で分かってくると思います。
――NMNを補充してNADを増やすのは、老眼になった、白髪が増えた、太りやすくなったといった老化現象を自覚してからでも間に合うということですか。
今井 マウスの実験から言えることは、人間の20~30代に相当する若い健康体にNMNを飲ませても特に大きな変化はなく、40~50代に相当する中高年になってから非投与群との差が出始めたということです。老化現象を自覚してからでも間に合いますし、ヒトの70代くらいに相当するマウスにNMNを飲ませても身体活動が高まるなどの効果が見られていますので、高齢者が飲んでも老化制御効果が期待できるのではないかと考えています。
――NMNのサプリメントはかなり高価です。NMNはビタミンB3(ナイアシン)からつくられているということですが、安価なナイアシンサプリメントで代用することはできますか。
今井 何か病気があってエネルギー産生に不可欠なNADが減っていると考えられる場合には、ナイアシンだけでも効果がある可能性があり、そのような臨床研究の結果も既に発表されています。ただ、ナイアシンの大量摂取は、肝臓障害を起こしたり、膵臓から分泌されるインスリンの効きが悪くなったりする副作用が出るので要注意です。
――NADを合成するビタミンB3由来のサプリメントとして、米国では「NR(ニコチンアミドリボシド)」も人気のようですが、NRとNMNではどちらがよいのでしょうか。
今井 NRを用いた抗老化研究も世界中で行われており、マウスでは代謝や認知機能の改善などさまざまな抗老化効果が報告されています。ただ、残念ながら、これまで10近い臨床試験の結果が公表されていますが、ヒトに対する抗老化効果が得られたとの報告は皆無です。NRは口から摂るとほぼ100%腸内細菌で分解されてしまうので、サーチュインを活性化するところまで至らないのではないでしょうか。
NMNも腸内細菌で分解されるのですが、その前に、ものすごい速さで血中に取り込まれてNADに変換されることが分かっています。私たちの体には、NMNを速やかに体に取り込むトランスポーター(運び屋)となるタンパク質が備わっていて、口からNMNが入ると速やかに血中に取り込んでNADに変換するのです。
私たち以外にも、大阪大学大学院医学系研究科の樂木宏実先生と中神啓徳先生たちの研究グループなど、すでにNMNの臨床試験の結果を解析中あるいは実施中の研究グループがいくつかあります。その結果が論文報告されれば、NRとNMNの差がはっきりしてくると思います。
老化を遅らせ「ピンピンコロリ」が実現できる時代に
――そもそも老化とは、NADが減少することなのですか。
今井 少し言葉が専門的になりますが、老化は生物の持つロバストネス(頑強性)の減少と崩壊です。ロバストネスは工学用語で、あるシステムの状態を一定のところに保つ能力のことを言います。加齢に伴って組織や臓器の状態が徐々に変化して衰えていくわけですが、そのシステムが弱まり保てなくなるのが老化です。人間を含め、マウス、線虫など生物の老化の引き金になるものが、NADの減少だということが、世界中の抗老化研究者の共通認識になりつつあります。
――NMNでNADを増やせば寿命が延び、若返りも期待できるのでしょうか。
今井 NMNで最大寿命が延びるかどうかはマウスによる研究でもまだ分かっていませんが、少なくとも健康寿命は延ばせるのではないかと考えています。そもそも私が抗老化研究をしているのは、多くの人が健康寿命を延ばして、「プロダクティブ・エイジング」を実現するためです。プロダクティブ・エイジングは、ロバート・N・バトラー博士が言い出した造語で、死ぬ直前まで健康を保って人生を楽しみ、生産性を維持し社会に貢献し続けながら年を重ねること、つまり、日本語で簡単に言えばいわゆる「ピンピンコロリ」を実現することです。
現時点では、老化をなくしたり若返りを図ったりといった、不老不死の実現はできません。それでも、最先端の抗老化研究の成果を社会実装することで、老化を遅らせ、実年齢よりも身体機能を若く保つなど、プロダクティブ・エイジングの実現が可能なところまで来ています。加齢によって減少したNADを増やすことがカギになることは間違いありません。
今井眞一郎さん

ワシントン大学医学部発生生物学部門・医学部門教授/神戸医療産業都市推進機構先端医療研究センター・老化機構研究部特任部長。


眞子さまと小室圭さんの結婚に多くの人が納得しない…天皇陛下のお言葉に込められた「真意」

2021-02-26 11:00:00 | 日記
下記の記事は現代ビジネスからの借用(コピー)です

2月23日に61歳の誕生日を迎えられた天皇陛下は、その4日前の19日に記者会見に臨まれた。
注目されたのは秋篠宮眞子内親王殿下と国際基督教大学の同級生だった小室圭氏との結婚問題についてのご発言だ。
眞子内親王殿下の結婚についての質問は、会見に先立って宮内庁記者クラブから通告されていたが、これだけ国民の間で大きな話題になっていれば、宮内庁としても無視するわけにはいかず、採用された。
スキャンダルが続々と…
さて眞子内親王殿下と小室氏は、2017年9月3日に明仁天皇(現・上皇陛下)の裁可を得て婚約が内定し、2018年11月に結婚式を挙げるはずだった。
ところが小室氏の母親の佳代氏と元婚約者との間の金銭問題が発覚し、返済を求めた元婚約者に対して小室氏側が「贈与だった」と譲らなかったため、問題は泥沼化したのだった。
小室氏の父親と祖父母が自殺し、遺産を巡って佳代氏と小室家との間にトラブルが存在したことも明らかにされた。佳代氏の怪しげな交友関係も、次々と報じられた。突けば必ず何かしらのスキャンダルが出てくる小室母子に、各週刊誌はいっせいに群がった。
そのような喧噪から逃げるように、小室氏自身は2018年8月に渡米し、フォーダム大学ロースクールに入学。以来、2019年1月に借金問題に関する言い訳文書を公表したのみで、いまだ帰国すらしていない。
一方で眞子内親王は昨年11月、「天皇皇后両陛下が私の気持ちを尊重して、静かにお見守りくださっていることに深く感謝申し上げております」という“お気持ち文書”を公表。あたかも天皇皇后両陛下が結婚に賛同されているかのような表現だったことが話題になった。
また父親の秋篠宮文仁殿下は11月30日の誕生日会見で、「結婚することを認める」と言及したことも、小室氏との結婚を頑として諦めない娘に根負けしたというふうに解されていた。
このような状況の下でもし誕生日会見で天皇陛下が肯定的な見解を述べられたとしたら、眞子内親王と小室さんの結婚は決定的なものとなるに違いなかった。
天皇陛下のお言葉の「真意」
だが天皇陛下のお言葉は、眞子内親王殿下の結婚に反対するものでもなく、かといって賛成するものでもなかった。陛下は次のように述べられたのだ。
眞子内親王の結婚については、国民の間で様々な意見があることは私も承知しております。このことについては眞子内親王が御両親とよく話し合い、秋篠宮が言ったように、多くの人が納得し、喜んでくれる状況になることを願っております。
天皇陛下にとって眞子内親王は、可愛い姪に相違ない。その姪が小室氏との結婚を熱望する以上、その思いを実現させ、幸せになってほしいと願われているはずだ。
とはいえ伯父である天皇陛下が、親である秋篠宮殿下の思いを飛び越えるわけにはいかない。眞子内親王殿下の結婚は第一義的に秋篠宮家の問題で、まずは秋篠宮殿下が責任を持つべきだ。天皇陛下が「秋篠宮が言ったように」と述べられたのは、まさにそういう意味がある。
一方で天皇陛下には皇統を維持し、皇室を存続させる責務がある。日本国憲法が規定するように天皇は日本の象徴であり、日本国民の統合の象徴である以上、その地位は国民の尊敬の上に成り立っている。もし国民に天皇や皇室に対する尊敬がなくなってしまえば、皇室は存亡の危機に陥りかねない。
そのような意味で幼い時から帝王学を叩き込まれた天皇陛下は、ご自分のお立場や何をすべきかということを十分にご存知だ。「皇室は国民の上の存在」などと勘違いして改まらない“にわかロイヤル”とは訳が違う。ノブレスオブリージュを十分に理解しておられるのだ。
そうした意味において皇族の結婚は、「多くの人が納得し、喜んでくれる」ものでなくてはならないが、果たして眞子内親王殿下と小室氏との結婚はそうなるのだろうか。
「多くの人が納得し、喜んでくれる」のか
現状においてはそれは不可能に近いと思わざるをえない。
眞子内親王殿下と小室氏の婚約内定から3年5ヵ月が過ぎ、あまりにも多くの醜聞が報道されすぎた。しかもその大半が金銭問題で、佳代氏の元婚約者からの借金問題のみならず、眞子内親王殿下が皇室を離脱する時に支払われる“一時金”にも及んでいる。
現憲法の下では6名の内親王が民間に嫁がれて国庫から一時金が支払われたが、いずれの結婚に際しても眞子内親王殿下のケースのような醜聞が聞こえたことはない。
それをも乗り越えて眞子内親王殿下と小室氏の結婚を「多くの人が納得し、喜んでくれる」ようになるのは、果たしてありえるのだろうか。
むしろ、天皇陛下はこのように述べられたことで、秋篠宮殿下が「結婚することを認める」といったん下げられたように見えたハードルを、再度上げられたと解するべきではないだろうか。
言い換えれば「結婚は、私たちにとって自分たちの心を大切に守りながら生きていくために必要な選択」と、あたかも小室氏との結婚に命を賭けているように書かれた眞子内親王殿下の「お気持ち文書」に動転し、気弱になられた秋篠宮殿下の発言内容を正道に戻されたのではなかったか。
そもそも天皇陛下は眞子内親王殿下と小室氏の結婚について、国民の間でいろいろな意見があることを十分に認識した上で、眞子内親王殿下に「両親とよく話し合う」ことを薦めておられる。
そこにはなぜ多くの人が結婚に反対するのか、その理由を理解せよという意味が込められているはずだ。
今や眞子内親王殿下と小室氏の結婚問題はもはやひとりの内親王が結婚するかどうかの問題にとどまらず、皇室の存亡にもかかわる重大問題になっている。そうした事実を天皇陛下は十分に理解されているからこそ、誕生日会見で表明されたのだろう。
皇族に生まれた以上は、皇族としてなすべきことがある――それを理解してほしいという天皇陛下の思いは、果たして眞子内親王殿下に伝わるのだろうか。
 
天皇陛下 会見で「尊重」の言葉なし…気になる眞子さまとの“温度差”
 
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天皇陛下は2月23日、61歳の誕生日を迎えられた。 誕生日に際しての記者会見は2月19日に開かれた。眞子さまの結婚について質問を受けられた陛下は、以下のようにお答えになっている。 【写真あり】誕生日会見に臨まれる天皇陛下「眞子内親王の結婚については、国民の間で様々な意見があることは私も承知しております。このことについては、眞子内親王が、御両親とよく話し合い、秋篠宮が言ったように、多くの人が納得し喜んでくれる状況になることを願っております」 ほかの質問に比べて簡潔なお答えではあったが、皇室担当記者は陛下のお考えがにじむご回答だったと語る。 「天皇陛下は、たいへん慎重にお言葉を選ばれたのでしょう。眞子さまや小室さんへの批判と受け取られるような文言を使うことは避けられつつも、二人には結婚に向けての”宿題”が残っているとの認識をはっきり示されたご回答だと思います。ただ、ひとつ気になったのは、眞子さまが発表された文書との”温度差”でしょうか……」 眞子さまは昨年11月、結婚についての「お気持ち」を表明する文書を発表されている。そのなかには、次のような一節もあった。 《この度、私がこの文章を公表するに当たり、天皇皇后両陛下と上皇上皇后両陛下にご報告を申し上げました。天皇皇后両陛下と上皇上皇后両陛下が私の気持ちを尊重して静かにお見守りくださっていることに、深く感謝申し上げております》 この文書では、両陛下は眞子さまのお気持ちを「尊重」され、「お見守りくださっている」とされている。一見すると、両陛下が眞子さまと小室さんの結婚を応援されているかのような印象も受ける。 しかし陛下は今回の会見で、秋篠宮さまの発言に同意する考えを示された一方で、眞子さまが使われた「尊重」や「見守る」といった表現は避けられた。 「陛下も秋篠宮さまと同じく、眞子さまの意志を尊重しつつも、現状ではまだ小室さんとの結婚に“賛成”はできないとの認識なのではないでしょうか。ただ、眞子さまに『御両親とよく話し合い』することを求められたように、この問題は秋篠宮家で解決すべきであり、ご自身の発言によって事態が動くのは好ましくないと、陛下はお考えなのでしょう」(前出・皇室担当記者) 会見では記者から、多くの人が納得し喜んでくれる状況になるために何が必要かという関連質問もあったが、陛下は「先ほど申し上げたこと以上のことは、今はお答えは差し控えさせていただきたいと思います」と、回答を避けられている。 眞子さまと小室さんは、どのようにして陛下も願われているhttps://news.yahoo.co.jp/articles/819a1d7694f562b1f4a0225688479a46fefa7fa9「多くの人が納得し喜んでくれる状況」を実現するのだろうか――。

「老衰」が日本人の死因3位に浮上 なぜ増えているのか?

2021-02-26 08:30:00 | 日記

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日本は65歳以上の高齢者が総人口の28.7%を占める超高齢社会。新型コロナ禍で普段は縁遠く感じている死について考えた人もいるだろう。しかし、あなたがイメージする日本人の死は古いかもしれない。近年日本人の死因が大きく変わったからだ。

 厚労省が発表する人口動態統計の主な死因別に見た死亡率(人口10万対)の年次推移によると、2018年以降は「老衰」が「脳血管疾患」や「肺炎」を押しのけ、「がん」「心疾患」に続いて死因第3位となった。00年には約2万1000人だったのが、18年に約11万人に、19年には約12万2000人に達した。全死亡数の実に9%を占めている。

 なぜ老衰死が増えているのか? 長浜バイオ大学医療情報学の永田宏教授に聞いた。

「理由はいくつか考えられます。ひとつは、社会全体と医療現場が自然死を受け入れるようになったからです。厚労省が発行する『死亡診断書記入マニュアル』によると、老衰とは高齢者で、ほかに記載すべき死亡の原因がない、いわゆる自然死とあります。かつて日本の医師は、死因を診断できない老衰は医療の敗北と考えて、死因を老衰とすることを良しとはしなかった。ところが、日本は社会全体の高齢化が進んだうえ、医療現場でも、無理して治療するよりも自然な死を受け入れようという考え方が増えてきた。それが理由だと思います」

それは胃ろうをする人の減少にも表れている。レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)によると、2011年に比較して17年の胃ろう造設手術数は約半分となっている。

 もうひとつの理由は他の原因で死ぬ人が減ったからだ。

「1970年に年間1万6700人以上だった交通事故死は2019年には3215人となりました。死因トップのがんも15年以降は増加が止まり、37万人台で推移しています。しかも年齢別の死亡率で見ると、50代以下はこの20年間で半分以下に低下していますし、60代以上でも大幅に下がりつつあります。また高齢化の影響を除いた年齢調整死亡率で見ても、約25%下がっています。心疾患の死亡数も、最近10年は19万人前後で、ほとんど変化していません。つまり死因の1位と2位は、完全に頭打ちになっているのですそもそも老衰死はなぜ起こるのか?
 それは年を取ると全身の細胞が徐々に死を迎え、細胞分裂による再生が行われなくなるからだ。当然、代謝機能も低下し、異常なタンパク質が多くつくられ、筋肉や心臓や腎臓など各臓器の異常が起きるようになる。

「しかも、老化した細胞から特殊な免疫物質が分泌されることで、周りの細胞の老化が促進されるとともに、全身に炎症が起きるようになります。そうなると、今までできていたことができなくなる、体が痛いなどの症状が表れます。やがて食事をしても体が栄養を受け付けなくなり、全身の機能が衰弱していきます。そして命を維持することができなくなるのです」

■安らかな死にはお金も必要か

 よく、老衰死は苦しみが少なく、平穏だといわれる。それは痛みを感じる感覚器やそれを脳に伝える神経、脳までも他の臓器と同様にその機能を衰えさせるからだ。老衰死する人は、亡くなる5年ほど前から食が細くなり、1年ほど前になるとその傾向がより顕著になる。やがて床に伏すようになり、水分すら取らなくなり、枯れるようにして亡くなるのが一般的だ。また脳の働きが低下するため、認知症を併発する人も少なくない。
。医療技術の向上や健康診断の普及により病気が早期発見、早期治療されるようになった。そのこともその一因でしょう」


 しかし、なかには映画のワンシーンのように眠るように逝くケースもある。先月12日に亡くなった作家・半藤一利さんの死因も老衰で、死の直前まで30分ほど奥さまと会話していたという。07年に亡くなった宮沢喜一元首相も亡くなる日の朝まで新聞を読んでおり、気が付いたら亡くなっていたという。

「老衰死が理想の死と言われるのは、本人も周囲の人も、命を使い切った、生き切った、と思えるからでしょう。家族にとっても突然死と違って、亡くなるまでの時間があるため、死を受け入れやすいのかもしれません。ただし、老衰死した人の場所は病院、老人ホーム、介護老人保健施設、自宅が多いのですが、最近は長期間入院できないことや親の面倒を見られる広い自宅や家族がいないこともあり、病院や自宅は減ってきています」

 幸せな死を迎えるには死を見守ってくれる環境も必要となる。やはりある程度まとまったお金も必要ということか。