佐久市 ヤナギダ 趣味の店

長野県佐久市野沢93番地
ヤナギダ☎0267-62-0220

小さな船にふたりで乗っているようで、流されて行く。

2023-08-20 13:23:10 | 日記
初めて届いたLINEは印字して、
折り畳み、いつもカバンの中に
入れていた。

まるでお守りのようにして。
いいえ、それは海辺で拾った、
まっ白な巻貝だった。

あのひとの声が聞きたくなっ
た時、わたしは貝殻を取り
出して、そこに耳を当てれば
よかった。

本気で、飛行機を遅らせよ
うかと。
そうすればよかったかなと、
実はあのあともずっと後悔
している。

何度読んでも、そこまで来る
と、胸がふるえた。
覚えている。泣き出しそうに
なるほど嬉しいのに、それと
同じくらい、どうしようもな
く淋しかったことを。

読めば読むほど、ふたりの
あいだに横たわる、途方も
ない距離を感じて、あのひと
の言葉をなぞればなぞるほど、

わたしはその茫漠とした距離
に圧倒され、押し潰されそうに
なるのだった。

アイシテイル
トオクハナレテイテモ
ワタシタチハ
ツナガッテイル

それはわたしから、わたしへ
のメッセージだった。
宇宙の彼方を彷徨う「エン
キョリレイアイ」という名の
惑星。

そこに棲んでいるもうひとり
のわたしに、地上から、過去
と未来をつなぐ中継地点から、
わたしは来る日も来る日も、
信号を発信し続けた。

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私の中で勝手に始まって終わる恋

2023-08-20 13:20:35 | 日記
透き通る

君の瞳に見られるとき

 私はこまかき  
   
    水の粒子に還る


////// ◇ //////


透き通ったものはすべて
美しく見えるのは何故?

水も空気も硝子も氷も思い出も。


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「叶うことなら、抱きしめてあげたい」

2023-08-20 13:18:11 | 日記

そこはかとなく秋の憂いを
滲ませている九月の下旬だ
った。

気持ちがうまく言葉になら
ない。驚きと戸惑い。喜び
も、あっただろか。

彼にもある、わたしにも
ある――傷つき、傷つけ、
傷つけられた過去について、
わたしたちは語り合う必要
はないのだ、と。


わたしは黙って彼の手を取った。
彼はわたしの手に、もう一方の
手を添えた。わたしたちは、
つながった。

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たからもの呼ばわりされて何となく違うと思うけど言えない

2023-08-20 11:56:38 | 日記
真っ白な扉―――
その向こうにあった、彼の
部屋。
ドアをあけると、小さな書斎が
あった。書斎には、デスクとラ
ジオが置かれていた。

寝室の奥に、広い部屋がふたつ、
直角に折れ曲がるような形で
つながっていた。

手前の部屋は、アトリエ。その
続きには、彼の作品や画材や
画集がところ狭しと並べられ
ていた。

絵具のにおいがした。
窓の外にも、うちにも、広がって
いた、サムシング・ブルー。

幾度、訪ねたことだろう。はち
切れそうな情熱と、あふれる愛
の言葉を抱えて。

わたしはいつも、大きく広げら
れた彼の腕の中に、飛び込んで
いった。

あの部屋で、交われさた会話、
抱擁、口づけ。流れていた時間、
空気、風、季節。結ばれた約束。
聞かさえれた旅の計画。ふたり
で見つめた、ひとつの未来。

ふたつの心の映った鏡。
それらは今、どこにあるの。
どこへ行ってしまったの?
あなたは、わたしを置いて・・・
今、どこにいる?

どんな空のもとで、誰のこと
を思っている?




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あなたが会う人は、もう決まっています。

2023-08-20 11:54:22 | 日記
キミの心の準備ができるまで
その人は待っています。
君の心の準備ができない
うちに出会っても、

せっかくのチャンスを
台なしにしてしまうから
です。

「はじめまして」という
ことばは、
「やっと会えたね」という意味
なのです。





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花ことばは「さびしい」という青い花一輪胸に咲かせて眠る

2023-08-20 11:51:38 | 日記
もっと憎みなさい。恨みつらみや
憎しみの対象が相手から自分に
移る、

相手から一瞬でも眼が逸れる、
それが救いになるんだから。
自分を憎む、捨てた相手じゃ
なくね。

人間というものは他人に対して
理不尽に厳しいものだけど、
こと自分自身のこととなる
と、大目に見たり甘やかし
たりするものよ。

他人に対する憎しみは長い
間持続するけど、自分自信
をそう長く憎み続けること
は、不可能なのよ。

すると、ある朝、あなたは
急に、「もういいや」と、
思うわけ。もう疲れた、
もう自分を許しちゃおう、
とこう思うわけ。

そうやって傷は案外早く
癒えていくものよ。




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本の帯を捲ると、その下には、海があった。

2023-08-20 11:47:45 | 日記
文字を書くことは、恋すること
に似ていて、書く前と書き上げ
たあと―――人を好きになる前
となったあと―――では、自分
のなかのどこかが微妙に、

あるいは著しく、異なっている
ことに気づかされる。たとえば、
好きになった人の影響で、好み
とか趣味とか、時には考え方や
人生観まで変わってしまうこと
があるように、

小説や音楽の主人公や登場人物
たちから、私は生き方を学び、
大切なことを教わり、時には慰
めてもらったりしている。
もちろん、
突き放されてしまうこともある
のだけれど。

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彼の描いた空を眺めていると、その空に浮かぶ、白い雲になれそうだと思った。

2023-08-20 11:44:29 | 日記

「女は人間じゃありません。
人間は男が人間、
女は大自然だと思った
ほうが理解できます。

そう思いませんか。
女は大自然です。
われわれ人間は大自然に
勝てません」





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