Carpe Diem

シンシナティ大学で都市計画を勉強していた、ある大学院生の物語。現在はマンハッタンで就活。

dot.

2012-02-02 11:28:56 | study abroad
dotをつなぐ、それがこの頃の自分の課題になってきた。
スタディとアクティビティが忙しくなるにつれて、
一番大切なことを置き去りにしていた。

スタディでは今期は5科目取っている、
国際開発の課題を体系的に触れる「Planning Issues in Developing Nations」、
修論のテーマの決定の為の「Independent Study」、
統計的なアプローチで人口の変化を予測する「Planning Methods and Techniques」、
アメリカの人種が都市への影響を学ぶ「Structure and Dynamics of Human Settlements」、
夏学期のインターンシップに備える「PLANNING INTERNSHIP SEMINAR I」。

アクティビティでは主に、
地元のNGOで街づくりの手伝いをしているインターンシップ「CDCA」、
クラスの代表として都市計画大学院の活動や基金についての相談する「PGSA」、
キャンパスのサスティナビリティに取り組む「UC|Sustainability」、
クラスの友達との週一回の「構内バスケットボール大会」、
そして週末には色んな種類のパーティ。

正直なところ卒業するまでずっと授業を受けて、
同じアクティビティをしていたら、
きっと後悔するに違いない、そう感じずにはいられない。
授業ではいくつか面白い教科がある。
特に国際開発の教科は今までで初めて受けた種類の授業で、
授業を受けるたびに色んな刺激を受ける。
PGSAではまだ1年生ということでなかなか提案も通らないが、
それでもクラスメートの2年間が掛かっている訳だけから、
頑張らずにはいられない。

でも、何かかけている感じはいなめない。
色んな授業を受けて、色んな活動をする。
じゃあ卒業する時に胸を張って、僕はやったぞ、と言えるか。

          「NO」だ。

今やっていることが、今取っている多くの授業が
将来に大きな影響を与えるとはどうしても思えない。
課外活動もやっているけど、少し中途半端になってしまい、
それぞれの関連性が見つからない。
じゃあどうしたら、卒業する時に満足出来るだろうか。
少しでも、このシンシナティ大学を、このシンシナティを
活気づけることが出来たら満足できるはずだ。

問題意識としては、シンシナティ大学のDAAPはデザイン、アート、建築、都市計画の大学生、大学院生が一つの建物で勉強しているのにも関わらず、学年間や学問の間で交流がほとんどないように感じる。特にデザイン、アート、建築は全米でもトップクラスにランクインされているのにも関わらず、お互いが自分たちの殻に閉じこもっているのではないかと思えるほどだ。また建築と都市計画はお互いがいい影響を与えることでよりよい作品が出来るはずだ、美しい都市には必ず優れたアートやデザインがなくてはならない。全てが個々で存在するのではなくて、調和をしながら存在すべきだと僕は考える。

またシンシナティは過去の工業都市として風靡した時代が終わり、今では街にその傷跡が残ったままのところが多い。また都市部では貧困層が集中し、犯罪も多い。この背景にはグローバリゼーションの影響でアメリカでの工場産業は現在、途上国に流出している。こんな街をどう立て直せばいいのだろうか。シンシナティをユニークな街にするのが必要なのではないかと思う、街が今後の衰退から免れるためには。浅はかな知識ではあるけど、一つの方法としては大学と街をつなげる所にキーがあるのではないかと思う。シンシナティ大学では全体的には全米でも中堅レベルだけど、音楽学部や医学部、DAAPは全米でもトップ10に入るほどの実力がある。例えばDAAPの学生にダウンタウンにある空き地でギャラリー展をやらせてみる、きっと面白いはずだ。音楽生にダウンタウンで無料のコンサートをやらせてみる、見にきたアメリカ人はきっとリズムにのってダンスし始める、きっと面白いはずだ。

こんな感じで少しでも大学をよく出来たら、
少しでも街をよく出来たら、
僕にとってこれ以上のものはない。

アメリカの色んな所に旅行は出来なくても、
おいしいものを食べられなくても、
きれいな服を着れなくても、
小さな家にしか住めなくても、
みんなと違っても、これが出来たら満足だ。


結局、自分の課題はdotをつなぐことなのだろう。

自分のなかの・
学部の・
大学と街の・