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Carpe Diem

シンシナティ大学で都市計画を勉強していた、ある大学院生の物語。現在はマンハッタンで就活。

大学の未来について話そう

2012-02-16 23:49:50 | daily life
一通のメールが大学のアカウントに届いた。

"Bring your questions and concerns to the Winter Open Forum, Feb. 16, 4-6 p.m."

The Open Forum gives graduate students the chance to bring questions
and concerns to the attention of the Graduate School's dean and associate dean.

これは面白そうだ、いつも色々感じている質問や不満を大学側にぶつけるいいチャンスだ。
そう思ってスケジュールをどうにかやりくりしつつ、他の学部の大学院生も色々な質問を
するんだろうと思い、会場に向かった。
そうしたら講師の2人と、大学院生と言ってもみんな博士課程の学生がたったの4人だけ。
いったい他の学生は何をやっているんだろう、少しがっかりしてしまった。

着くやいなや講師の一人が議論を切り出した、
来年度からのQuarter制からSemester制への移行についてどう思うか、
キャンパスやその付近の安全性を向上させるにはもっと良い方法はないか、などなど。
みんなその2つのトピックにはあまり興味がないのか議論は余り盛り上がらなかった。
その後、大学院の奨学金であるUGS(University Graduate Scholarship)の話になると
いきなり会話に火がついた。
僕が個人的に感じていたのは全米でもトップにランクインされている専門の多いDAAPは
何で、工学部に比べてこんなにも少ないのだろうか、それがずっと疑問だった。
それに対する答えはこうだった。
「DAAPは人気のある学科が集中しているから奨学金が多くなくても生徒が集まってくる」
なるほど、全然この視点から物事を考えれていなかった。
ということは、工学部に奨学金を多めに与えないと多くの生徒を惹き付けられなくて、
逆に大学側が不利になるのかも知れない。

その後の議論のテーマは博士課程の学生が多かったので必然的に学術的な、特に博士論文や
教授などとの人間関係に焦点が向いた。大学の論文の投稿のシステムのここが使いにくい、
担当の教授からのプレッシャーがすごすぎて、論文がうまくいかない。
教授によって学生に求める論文の質が違いすぎて、
とても賢い学生なのに博士課程を終えるのに9年掛かってしまった。
なのに他の学生は3年でぱっぱと卒業してしまう、などなど。
担当教員との関係がうまくいかなかったり、教員のパワーハラスメントについて
講師のいった一言が印象的だった。
「大学は一つの世界のようなもので力の構造は変えられない。
 私たちに出来るのはほんの少しの行動だけだ。」

議論も終盤に差し掛かったのところで、いつもから感じている問題をぶつけてみた。
「この大学には生徒が授業外で能力を伸ばせる機会を十分に与えていないのではないか。」
というのは、大学院はただただ授業と課題の繰り返しで知識や研究などの能力は伸びるけど、
社会とのつながりとか、問題意識とかそういう一番大事な所を鍛えれてはいないの
ではないだろうか。これに対する答えはこうだった、
「結局、多くの先生は終身制の権利を取るのに忙しくてなかなかそこまで手が回らない」と。
改めて分かった気がする、結局自分から動かないと何も変わらないんだと。

こんな感じで2時間があっという間に過ぎてしまった。
期待していたような多くの学生が集まって、白熱した議論をかわすというようなことはなかった。
でも大学の構造を少し理解することができたのと、もっと自分から動いていこう、
そういう決心ができた。
コメント
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