牧場の日記~競走馬生産者の日々~

競走馬の生産牧場の現状と考察

繁殖セール

2018年01月25日 | 馬の心
繁殖セールに行ってきた。
受胎馬と空胎馬と未供用馬。

出かけようとしたら、それまで、晴れていたのに、雪が降ってきた。

天気予報ではそれほど降らないと、言っていたのに、国道に、出る前の農道で、ホワイトアウト状態。

国道では、それ程ではなかったので、そのままいくと、また、真っ白に。

これはまずいかな、と、内心思いつつ走っていたが、ぱあっと晴れてきたので、一時的なものだったのかな、と思っているとまた、真っ白に。

旦那の運転だから、私は見ているだけなんだけど、とても怖かった。

頭の中では、不要不急の時は無理をせずに出かけないように、とか、今回は神様が買うんじゃ無いって忠告してるんじゃないか、とか、
ずっと思っていた。

そうこうしているうちに、天気もおさまって市場についた。

馬を見に行ったら、暴風が吹いていて、出した繁殖雌馬がかわいそうだった。
でも、二頭位見せてもらったけど馬はおとなしかった。

こんな過酷な状況になって、馬が風邪をひくんじゃないかと、心配になった。

競りには参加したけれど落とせなかった。

欲しかった馬の順番が遅くてそれより前の馬なら落とせたかもしれないけれど二頭も買えないので、今回は縁が無かったということにしておこう。

そして帰途につくとまた、真っ白に。

うちに着いたら真っ白になった馬達が勘弁してくれよ、と、言っているように思えた。


理想と現実

2016年10月07日 | 馬の心

オータムセールも終わり、1歳馬の旅立ちのシーズン。

最後の馬運車。

本当はこんなことしたくないんだけど・・・。

なだめたりすかしたりおだてたりしても乗らないので、

まずは後ろから竹ぼうきでバシバシ追う。

乗らない。

次は竹ぼうき+ジャンバーをバサバサと振って大きな音を立てて脅して追う。

これも乗らない。

次は鼻を取って竹ぼうき+ジャンバー

これでやっと乗った。

最近ここまで苦労させる奴はいなかった。残念だけど、力任せになってしまった。

理想はしっかり馴致して馬との信頼関係で乗せたいとは思うのだが、手間(人手)も時間も足りなかった。

馬もいろんな馬がいて、時にはこういうこともある。


2番牧草上がる

2016年09月17日 | 馬の心

2番牧草が上がった。

これで今年の牧草作業は終わった。

最後の最後はとてもたいへんだった。

うちの牧草畑は山の上にあり、そこへ行くには道なき道を行かなければならない。

その道が今年の大雨のせいでぬかってしまっていた。

トラックが自走で上がっていけず、トラクターで引っ張っていかなけれなならなかった。

軽トラで牧草作業行くにも車の腹をぐちゃぐちゃにぬかった道でざりざりとすりながら行かなければならなかったし、

車が壊れそうで気が滅入った。

それに家では2番はコンパクトで上げているのだが、機械の調子が悪く、ひもが切れたり、形が悪かったり、動かなかったり、

これでもかこれでもかと、いうことを聞いてくれなかった。

150本のコンパクトを縛るのに、2時間もかかった。

ロールの牧草と違って手作業でトラックに積まなければならなく、きつい肉体労働だ。

その上この調子で、全くまいってしまった。

天気がよかったので、こんな調子でも暗くなる前に収穫し終え、馬も放牧できた。

これでほっと一息。

あとはオータムセールだな。


おてんとさんの気まぐれ

2016年07月27日 | 馬の心

7月ずっと天気が良かったので、6月に刈りそこなった牧草が次々とはかどった。

調子に乗って刈った最後の2.5町の放牧地はジリ雨に4日あたり昨日やっと上がった。

刈ってからあがるまで10日かかった。4日も雨にあたってどうなることかと思ったけれど、雨量も微々たるものだったおかげか、

多少色が変わっただけで、寝藁としてはそこそこいいものが取れた。

牧草も片付いて、これで、天気のことを気にしないでいいと思ったら、今度は夜間放牧の馬が心配になるほどの雨が今降っている。

馬は多少の雨ではなんともないけれど、以前、大雨は降って放牧地が冠水してしまったことがあるので、まさかそうならないだろうとは思いつつ、

最近の天気は天気予報が全く当たらないことがある。

時間雨量3ミリと言っていて、終わってみたら12ミリだったりが、ざらである。

本州のゲリラ豪雨から見ればかわいいものだけれども、生き物と自然を相手にする仕事は心がなかなか休まらない。

今日は眠れない夜になりそうだ。

 


6月の雨量298パーセント

2016年07月02日 | 馬の心

今年の6月は雨が多かった。

平年の298パーセントだったそうだ。

雨が多いせいか牧草の伸びがいい。

しかし、地面がしけっているので、牧草があまりよく乾かない。

大雨で草も倒れてしまっているので、モアーでもよく刈れないで下の方が残ってしまっていた。

春先は今年はいい牧草取れそうだ、と期待していただけに、とても残念。


一番牧草101本

2016年07月02日 | 馬の心

今年初めての牧草を収穫した。

天気はいまいちで、ガスがかかり、霧の中での作業であった。

ラップサイレージで収穫する予定だったので、まあ乾燥状態は合格点なのだが、湿った牧草でベーラーがつまってしまって三分の二しかラップできなかった。これが68本。

次の日残った分は乾草にすることにして、それが33本。

今年の牧草は多いみたいだ。


北風と太陽

2012年06月16日 | 馬の心

馬の親子を分場へ移動することになった。

普段であれば、子付を馬運車に積むことは簡単だ。

しかし、今年は2月生まれが久しぶりにいて、この子達は種付け以来一度も馬運車に乗っていない。

最近は獣医さんもエコーカメラを持ち歩くようになり、忙しいときは診療所へ行かず、往診で受胎確認をしている。

この親子はそんなこんなで種付け以来、馬運車に乗せていない。

 

親は問題ない。問題なのは子馬だ。

覚えてくれていればいいなと思いながら、馬運車に親子で向かうと、案の定、子馬が怖がる。

怖がるのを無理に押し付けて力ずくで何とかしようとしたけれど、さすがに4ヶ月齢は一人では無理。

近所の人に手伝ってもらったが、蹴ったり立ち上がったり、全く無理であった。

そこで、手伝いの人が「えさでつるべ。」ということで、燕麦を見せながら馬運車へと誘導した。

馬の前ににんじんをつる、かのように。

すると、10分もしないで自分から乗った。

 

北風より太陽だな、と、思った。


子を失った馬

2010年04月09日 | 馬の心
今日は子馬を生後直死で失ってしまった馬が出産後8日目だったので、診療所へ連れて行った。

普段は賢い馬で悪いことをしたりすることはあまりないのだが、今日は違った。

馬も子供を失うとナーバスになるのだろうか。

馬運車を見たとたん、気が狂ったように走り出した。

出産後8日目といったら、馬は出産の疲れと、育児の疲れでやせ細る時期なのだが、
それと比べると元気いっぱいである。

やりきれない心があるのだろうか。

落ち着かない日々が続いている。

子馬を失った母馬の管理はいろんな意味で気をつけたほうがいいようだ。

子宮の戻りもいまいちだった。

えさの量もどのくらいが適量か、気をつけなくてはならない。

母になると

2010年03月30日 | 馬の心
今年初子の馬がいて、その馬は子を生む前はやんちゃで、他の馬にしょっちゅうけんかを売っては、怪我をしたり、怪我をさせたりしていた。

なので、こいつが子を生んだらどうなるのだろうとかなり心配していた。

他の馬と一緒にしたら、また血を見ることになるのではないかと。


しかし、予想を反して、とてもいい母親になった。

と、いうより、魂を抜かれてしまったかのようだ。

産むときは初子のせいか、生み終わった瞬間はへとへとになり、起き上がることさえできなかった。

そして、はじめての子馬とのご対面。

本当に恐る恐る子馬に近づき、どうしたらいいのか困惑しきった表情。

私が子馬を手でなでてやると、真似をするようにぺろぺろとなめ始めた。

かわいくて仕方ないけど、どうやってかわいがってやったらいいかわからない、といった感じであった。

子を生んだら、子馬を自分の後ろに隠して、人を攻撃してくるかと思ったが、そういうことは一切なく、ほっとした。

産後2,3日は、ボーーっとして、具合が悪いんじゃないかと心配するくらいであった。

私自身もはじめての子を生んだとき、体がつらくて仕方がなかった。


きっと、子供を産むと体の何かが変わるのであろう。

今ではすっかりいいお母さんになって、飛んで走り回るとねっこ後を心配そうについて回って、すっかり振り回されている。

今までの経験上、やんちゃな馬ほどいいお母さんになっている。




馬の移動と夜間放牧開始

2009年05月08日 | 馬の心
今日子付繁殖を広い分場へ移動した。

今まで土地はいいが起伏が多く硬い放牧地にいたので、広く平らな放牧地の分場は居心地よいだろう。

土地は泥炭地で、あまり良いとはいえないが、去年更新して新しい草が生えているので、とてもいい感じになった。

海岸沿いなので本場より若干気温が低い。夏にはもってこいの避暑地なのだ。

それにともない、一才馬を今日から夜間放牧を始めた。

子付は新しい場所に慣れてから、夜間に移行する。

新しい土地に新しい時間帯と、一緒にやってしまうと、変化が激しすぎて、体調を崩しかねないので。

まあ、一週間もしたら、すべての馬が夜間放牧になるだろう。