牧場の日記~競走馬生産者の日々~

競走馬の生産牧場の現状と考察

ビートパルプとのどつまり

2008年10月31日 | 飼料
昨日夜飼いで当才がのどつまりをした。

馬は吐けないのでのどが詰まると大変である。

困ったような顔をして、のどをんぐんぐして、せきをしたり、鼻からよだれが逆流するときもある。

今まで、のどつまりなんて見たことなかったのに、ビートパルプをやるようになってから、時々のどつまりをおこす。

ビートパルプはかなり膨れるので、えさを馬鹿食いする馬は、飲み込む前にビートパルプがのどで膨らんで詰まってしまうんだろう。

うちでは必ず水でうるかしてから与えているが、今回はペレット状のビートパルプに変えたばかりで、うるかしかたが足りなかったのかもしれない。

ビートパルプもいろいろあって、ペレット状のものや、粉砕状のもの、また、ブロック状のものもある。

価格的にはブロック状のものが一番安いけれど、割ったりうるかしたりにかなりの手間が必要で、使いにくかった。

粉砕状のものが一番使いやすかったし、ペレットよりも安かったから、使っていたのだが、最近ペレットのほうが安くなったので、ペレットに変えた。

馬はえさについては繊細だから、いろいろ気を使う。

高校受験

2008年10月30日 | 子育て
うちには中学三年生の長男がいる。

地元の高校ではなく札幌の公立高校へ行きたいという。

高校までは地元でのんびりすればいいと考えていた私にとってはショックだし、いまさら間に合うんだろうか、という、不安がいっぱいである。

図らずも、高校受験についての雑誌道新受験情報なるものを、一生懸命よんで、最近、ようやく、受験というものの仕組みがわかってきた。

日高から札幌には定員の5%の枠しかない。とか、
受験は試験だけでなく中学生活の3年間の通知表の点数や、活動の様子まで、判断の材料になるらしい。

それで、名門校といわれるような学校へ行くには3年間ずっといい成績を取り続けなければならないらしい。

いい高校へ行くためには、一日たりとも気が抜けない、三年間になってしまうんじゃないの?

まあ、いい高校へ行けばすべてOKというわけじゃないし、いってから頑張ればいい高校へいくよりも、もっといい人生がまってるかもしれないし。

それはそれで、3年間の通知表を判断の材料にするっていうのはどんなもんでしょうね。

私自身、中学時代、先生に反抗して、その先生にとんでもない成績をつけられた経験がある。

先生だって人間だし、中学生だって反抗期のやんちゃざかり。

いきなりがくんと成績だって落ちることだってあるだろう。


でもそれが、人生にとっては必要な反抗であることもあるし、それが人生の大きな転機に影響してくることはよくないんじゃないかな、とおもう。


夜間放牧をやめて、その後

2008年10月29日 | 牧場の生活
夜間放牧を止めて2日経った。

熱発をした一才馬は一日で熱も下がり、咳も治まってきた。

舎飼いはまだしているが、明日くらいには放牧してもいいんじゃないかと思う。

夜に厩舎へ入れて二日目。当才はすぐ元気を取り戻し、鼻水を出す馬も少なくなっってきた。

しかし、厩舎にはいっている時間が長くなったせいか、朝の放牧で、馬房から出るときに、伸びをして出てくる馬がいる。

やはり、厩舎の狭い環境にずっといると馬も伸びをしたくなるんでしょう。

もし、広い馬房に牛のフリーストールのように入れていたらどうなんでしょう。

やっぱり、怪我が増えるよな。

狭い馬房に一頭ずつ入れるしかないんでしょうね。

学生の頃、中標津のほうで牧場実習に行ったとき、馬の種類はトロッターではあったけれど、馬が20頭くらいでひとつの厩舎に入れられていた。

あの光景を思い出すと、絶対無理だなあ、と思う。

馬服を着せて、寒さをしのいで夜間を続けるか?

馬服も雨には役に立たないし、出来るだけ、放牧時間が長くなるように朝早く放すのが、一番現実的なんじゃないかと思う。

昼夜放牧終了

2008年10月27日 | 牧場の生活
今朝唯一頭残っていた一才馬が熱を出した。

幸い肺炎には至っておらず、風邪ひいただけなのだが、やはり一頭で放牧するのは寂しいのか、気も弱っているんでしょう。

一頭になってから、この馬だけは昼間放牧に変えていたのだか、これをきっかけに、当才も鼻水を出している馬も多いし、今日から夜間に放牧するのはやめにした。

繁殖はもう少し夜間を続けるけれど、もう直ぐ止めることとなるだろう。

今年は冬が遅くて結構楽に長く夜間放牧を続けられた。

でも、やはり、夜間放牧は疲れるんでしょう。

当才たちもへとへとといった感じで、覇気がない。

これで、昼間放牧になってどう変わるかはやってみなければわからないけれど、
潮時といっていいんじゃないでしょうか。

もう、冬支度だ。

季節の変わり目

2008年10月25日 | 牧場の生活
昨日大雨が降った。

今日の夜中また降るそうだ。

今晩の雨が上がると急に寒くなるらしい。

こういう季節の変わり目に私は弱い。

特に秋の終わりごろは牧草も終わって、せりも終わって、売れた一才が育成牧場へと移動して、仕事がちょっと楽になると、気も緩むのかどおっと疲れが出る。

あちこちからだが痛み、朝起きれなくなったり、眠くてたまらないとか。

なんか鬱のよう。

こういうときは寝るに限る。

昨日は雨も降ってたし、日中ずっと昼寝してた。

おかげで、ちょっとすっきりしたかな。

まだまだいろいろ片づけが残ってるので、がんばらないと。

そろそろ限度?

2008年10月23日 | 牧場の生活
寒くなってきて夜間に馬を放牧するのもかわいそうな感じ。

朝になって馬を収牧しにいくと、よろよろと足取り重く帰ってくる。

せっかく日も昇ってこれから暖かくなるというのに、馬房に入るのはちょっと気の毒。

でも放牧時間を長く取ることを考えると、9時ごろ入れるのが一番いい。

暗い中収牧したり、放牧したりすると危険が伴うし、人もおっくうだ。

日も短くなる11月にはもうやめたほうがいいと思う。


セリで思うこと

2008年10月18日 | 牧場の生活
コンサイナーという言葉が出て何年たっただろう。

今ではすっかり定着して、生産者も半分以上はセリはコンサイナーに任せてと言った感じになってきた。

それは時代の流れなのか。

確かに生産者が年を取ってきて、生産頭数も減り、放牧地に牡一頭しかいない場合、自分でセリ馴致をするにはかなりの労力が必要となる。

コンサイナーに預けることも必要なのかもしれない。

しかし馬は群れで生活したほうがいろんな意味で健康に育つ。

本当は生産牧場で広い牧場で昼夜放牧などで、しっかり運動して、のびのびと育つほうが自然な感じがする。

生産者は少なくとも生産頭数10頭くらいはいて、2町くらいの放牧地が少なくとも4枚くらいあったほうがいいと思う。

日本の生産者がみんな少数生産になり、セリはコンサイナーでとなると、どうなってしまうんだろうと、不安に思う。

博打の世界

2008年10月18日 | 牧場の生活
競馬は博打です。

生産者は毎日早起きして、馬の世話と馬小屋の掃除と、農地の管理に精を出していますが、最終的には博打です。

この種馬をつけたらいくらで売れるだろう。

メスが出るか牡が出るか。

売れるか売れないか。

賭け事の連続。

ときどき、こんな商売していていいんだろうか?と疑問に思うときもある。

昔、牧場の人ではない人と話していたときに、競馬で夢を持つことが出来るんだよ、といわれて、博打で大もうけという夢ではなく、馬が懸命に走っている姿を見て、励まされる人もいる、ということを聞いて、私の商売も、世の中では役に立つこともあるんだなと、ちょっと安堵した。

ニュースで競馬にはまって借金がかさなり・・・、といった類のものを見ると、本当に切ない気持ちになる。

競馬がクリーンで楽しいものであって欲しいと願う。


セリは楽しい

2008年10月16日 | 牧場の生活
セリで馬を売りにいってきた。

私はセリが好きだ。

一年大事に育ててきた馬を磨き上げて、お客さんに見てもらう。

いい馬に育ったときもあるし、これは失敗だったなと思うときもある。

けれど、自分としては精一杯育てた結果だし、生き物だからうまくいかないときもある。

これは絶対の自信あり、というときは、必ず売れる。

競りあがってくれたときは自分のやっている馬産が評価されたような気がして、意気揚々となる。

売れなかったときはどん底に落とされるけれど。

しかし、競争世界だから、それがあたりまえ。

あと、馬を売ることだけでなく、他の生産者の様子が間近に見られることがいい。

手伝いに来てくれた人と話したり、馬主さんと話したり、牧場の中でいつも井の中のかわずなので、勉強になる。

たくさん馬を買っている人について歩いて、馬の見方を勉強してみたい。


当才セリ

2008年10月13日 | 子馬の育成
今日は当才セリ。

うちも昨日は寒い中馬をシャンプーして、いっぱい磨いて、今日は朝早くから出かけていきました。

セリの準備を始めた頃は夜間放牧していたし、どうなることやらと思っていたけれど、馬って結構きれいになるもんです。

一歳と違って、体の面積も狭いし、馬もまだ力がないので、おさえるのも楽。

しつけをするには一番やりがいのある時期だと思う。

親と離れたばかりの子馬は何かに頼りたがっている。

引き運動していても、後ろからおっていると、こちらに神経を向けていることが良くわかる。

良くも悪くもないまっさらな心。

それを人間に対して従順になるように躾ける。

馬育ては、体だけでなく、心も必要です。