牧場の日記~競走馬生産者の日々~

競走馬の生産牧場の現状と考察

早期胎盤剥離

2012年02月19日 | 馬のお産

今年初めてのお産があった。

初子で予定日の一日前であった。

9時の夜飼いが終って、監視カメラで見ていたとき、いままでなんともなかったのが、そわそわし始めた。10時ごろ。

陣痛が始まりだしたのだと思ったが、痛がり出してかなり時間が経っても、なかなか破水しない。

初子だから、進みが遅いのかと、思ったが、そのうち破水しないうちからいきみだした。

見に行くと赤い袋が出ていた。11時

レッドバック。

20年近くお産にかかわってきたが、はじめて見た。

慌てて、これは早く破って子馬を出さなければ、と、馬のところに入っていくと、

馬が驚いて立ち上がった。

その勢いで、ばしゃっと袋が破れ、破水し、子馬の脚が出てきた。

もう一度すぐに親馬が横になったので、旦那と2人で思いっきり引っ張り出した。

すぐに子馬も出て、息もしていたのでほっとした。11時20分

酸素吸入の用意はしたけれど、結局酸素は使わなかった。

今思えば、吸わせても良かったのかな、と思う。

その後は順調で、1時間以内で立ち、2時間以内におっぱいを飲んだ。

ベビーチェックの値は750だった。

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以下JRA競走馬総合研究所のホームページより

 早期胎盤剥離


 陰部から赤い胎盤(赤い袋、レッドバック)が見えた際は、子宮と胎盤の早期剥離により、ガス交換ができない状態であるため、胎子が低酸素状態にあることが多い。発見が早ければ
助かることも多いが、発見が遅れると新生子の死に至る。獣医師の到着を待たずに、指示を仰ぎ、陰部から露出されている赤い胎盤の中心にある白い星状の部分を破り、胎子胎膜を露出させる。
 続いて羊膜を破り、胎子前肢を確認後、できるだけ早く牽引する(自然娩出を待たない)。


初子

2012年02月03日 | 馬のお産

今年は初子が3頭いる。

初子は何時産まれるか、無事産めるのか、ちゃんと子育てをするのか、わからないので、心配だ。

初子でなくても何時産まれるかは判らないのだが、なんにしろ初めての出産ってやつは、馬にとっても不安なことなのだ。

自分の経験から言っても、初めての出産が一番大変だった。

これを一人で乗り切るか、人間の手を借りて行うかで、後々いろんな意味で変わってくる。

不安な出産を手伝ってやることで、人間に対して頼ってくる感情が出てくる。

子馬とのコミュニケーションを邪魔することなく、お手伝いをすることが必要だ。

 

馬はいろんな意味で精神的なことが大きくかかわってくる、と思っている。