牧場の日記~競走馬生産者の日々~

競走馬の生産牧場の現状と考察

本格的な冬

2015年12月27日 | 牧場の生活

やっと本格的な冬が来た。

今日の最低気温はマイナス7度。最高気温もマイナス3度くらい。

厩舎の仕事もいろいろとめんどくさくなる。

今日は朝から厩舎周りの雪かき。

水桶の水も凍ってしまったので、お湯を組んできて溶かす。

ビートパルプも水でうるかしても凍ってしまうのでお湯でうるかす。

ちょっとしたことでも日の短い今の時期には余計な手間だ。

今外ではふぶいている。

放牧地に投げ草をしてあげなくてはならないし、分場へ行くにも、凍った道路で移動時間も増えてしまう。

あーあ。

とはいっても、今年はいつまでも暖かくて楽させてもらったんだから、文句言わずに仕事しないと。

今日は有馬記念。

こんなレースに出られる馬を作らなくては。


馬運車の馴らし方

2015年12月13日 | 牧場の生活

今年は当歳の馬運車の馴致に苦労した。

苦労したので色々と勉強になった。

馴致のまず最初にひき馬をする。

今年は放牧地のやりくりの関係で、親子の群れを近くの放牧地に放すことが多かった。

そのためか、ひき馬からまず躓いた。

歩かせても歩かない。後ろから追うと蹴ってくる。または、立ちあがる。

しかし、これは馬が何をしたらよいかわからないためで、人について歩くことを理解したら、すたすた歩くようになった。

毎年、子付きを遠くに放牧してげんなりしていたけれど、あれもいい馴致になっていたようだ。

次に馬運車の箱に馴らす。

近くに連れて行って、中を見せたり、においをかがせたり、どんどんと音を鳴らせてみたり。

ただ連れて行ったときは全くやる気がないのだが、見たら燕麦をやる、乗ったら燕麦をやる、と、

要求に応じたときにご褒美を与えると、すごくやる気が出てくる。

中には自分から馬運車に乗って、「これでいいでしょ、燕麦を頂戴。」と言っているかのような奴もいた。

やっぱり馬もただ撫でてほめてもらうより、おいしいもののほうが良いようだ。

本当にえさが食べたいだけではなく、やるからには何か目的がほしいのかもしれない。

やっぱり子供はかわいい。

成長が日に日に感じられる。


冬支度

2015年12月12日 | 牧場の生活

手こずっていた当歳の移動もやっと終わった。

毎日2頭ずつ夕方に運び、3日かけて最後の日にはお手伝いの人も頼んだ。

3人いると心強い。ただふたを閉めてもらうだけなのだが、それが大きい。

馬運車に乗ることに、もっと時間をかけて馴らせばよいのだが、それほど余裕がない。

新しい放牧地で走り回り、どろんこになって、すっかり新天地になれた。

もうこれでいつ雪が降っても大丈夫。

 

今年は冬が遅い。

今日も暖かかった。

 


当歳の馬運車馴致

2015年12月08日 | 牧場の生活

冬も押し迫り、分場から当歳を引き払う時期が来た。

そのためには馬運車に乗ってもらわなければならない。

毎年のことなのだが今年はなかなか思うように進んでいかない。

今年の当歳は元気が良くて、なかなか人の言うことを聞いてくれない。

引き馬して、馬運車の近くに行って見せて、においをかがせて、ふたの部分に乗せて。

ふたの上に乗るとがたがたと大きな音がするので、それに馴らして、箱の中に入れて。

箱の中に入るとぐらぐらと揺れるのでそれに馴らす。

そして、箱から出るときにふたの上を歩くとまた大きな音がするのでそれに馴らす。

親と一緒のときはなんとも気にしないですたすた乗っていたのに、親がいないというだけで、初めて見たかのような反応をする。

中にはまったく気にしない馬もいる。

箱を見ただけで目が点になってしまう馬もいる。

反応は千差万別で予測不能。

ここ数年は苦労しなかったが、今年はなかなか乗ってくれない。

私が年取って、馬にバカにされているのかもしれない。

なんて思えてくる。

雪が降ってきたら道路も危なくなるので、早く運び終わりたいのだが。