私が牧場に来て初めての床上浸水を経験した。
昨日の朝は雨がひどく夜間放牧をしていた1歳馬は朝の4時半に収牧した。
そのあと豪雨が降り、6時の時間雨量は28ミリ、昨日からの1日雨量は135ミリに達した。
一気に雨が降ってはききれず、下流に位置する分場はあっという間に冠水してしまった。
朝の5時には何事もなかったのに11時には放牧地すべて冠水してしまい、厩舎も床上20センチくらい浸水してしまった。
分場へ行く道路も水没して、私は線路を歩いて行って何とかたどりつくことができた。
馬はなすすべもなく、みな立ちすくんでいた。
こっちの分場に当才がいなくてよかった。
人間もなすすべがなく、水が引くのを待つしかなかった。
雨は昼前には止み、午後3時ごろにやっと厩舎からは水が引いて行った。
しかし、放牧地はまだほとんど湖で、馬を放すことはできない。
一頭ずつ、空馬房に移して、一馬房ずつ寝藁を替えた。
大変だったけれど、馬に異常は起こらなかった。牧柵も壊れなかった。
次の日には放牧地の水もすっかりひき、昼には放牧してやった。
自然は本当に怖い。怖いというか、すごい。人間がどうにかできるものではない。
冠水していた時、牧柵にはおびただしい数の虫がこびりついていた。
みんな突然の大水に驚いたことだろう。