牧場の日記~競走馬生産者の日々~

競走馬の生産牧場の現状と考察

何だこの雨は

2016年06月20日 | 牧場の生活

先週の金曜日に大雨が降った。木曜の昼から降り始め、金曜の夕方まで降り続き、トータルの雨量が90ミリを超えた。

もうそろそろ刈ろうかと思っていた牧草はのきなみ倒れ、見るも無残。

放牧地も水たまりで覆われてしまった。

土日は何とか晴れ乾いてきた矢先にまたこの雨。

土砂降りのように降り、トータルで50ミリほど。

このまま乾いて刈ればなんとか、と思っていた牧草もダメ押しされてしまった。

農業はお天道様のご機嫌ひとつで一年の努力がぱあになる。

そんなもんだ。

どんなに科学が進歩しても、人間が天気を操ることはできない。

それで腐ってたらやってられない。

きっと、いつかは晴れるでしょうから。


仔馬の肺炎

2016年06月19日 | 牧場の生活

仔馬が肺炎になった。

発情下痢から一か月下痢が続き、その間、元気もよかったし、おっぱいもよく飲んで丸々と太っていたので、

ミヤBMを飲ますだけで様子を見ていた。

よくなりかけて、雨にあたってまた悪くなり、ぐずぐずしている。

いつまでも治らないので、獣医さんに見てもらうと、飲み薬をもらった。

抗生物質のようだ。

次の日すごく悪くなったが、その次の日はよくなった。

3日間飲ませて下痢はよくなったが、今度は熱が出てしまった。

血液検査の結果が悪いので、注射をしてもらうと、すぐに下がった。

3,4日注射して、熱も下がったので治療を終えた。

放牧をちょっとずつ始めたあたりから、また熱が出るようになった。

また、獣医さんに診てもらって注射をしたが今度はだんだん悪くなり、

呼吸が早くなり具合も悪そうだった。

注射の薬を変えると次の日から熱が下がってきて、2,3日で呼吸もよくなってきた。

熱も下がり、血液検査の結果もよくなったので治療を終えた。

今はもうすっかり元気で飛び回って手を焼いている。

死んでしまうかと思うくらい深刻な状況だったが、コロッと治っていった。

子供は悪くなるもの早いし、よくなるのも早い。

 


ミルクの飲ませ方

2016年06月04日 | 牧場の生活

ミルクを飲ますにあたって。

どのように、どれだけ、どのような頻度で。

子供を育てる時、ミルクは2時間ごとに与えましょう。と、育児書に書いてあって、ミルクを飲ますと、赤ちゃんは飲んでくれなかったり、すぐに泣いたり、教科書どうりにはいかない。

 

仔馬もそれと一緒だ。2時間おきにやろうと思っても、2時間たった時に寝てたり、飲まなかったり。もっと欲しがったり。

あと、哺乳瓶で与えるとよろしくない状況に陥ることがあるのでバケツで飲めるようにした方がいい、と、書いてあったので、生後一週間位のときにチャレンジしたけれど、全く受け入れてもらえなかった。

今回の場合母親は、いるので、人間=哺乳瓶=食べ物。オンリーにはならないが、ミルクをやるときに、人間に体当たりしたり、襲ったりしないように、なるべくそっけなくやるように心掛けた。

馬房に入らないで、馬栓棒の外から与えるとか、放牧地で与えるときは与えたらすぐに仔馬から離れて遊ばないようにするとか・・・。

人間用の哺乳瓶は240ccが最大で、500cc飲まそうと思ったら、2本作らなくてはならない。

やってらんないなあ、と、思っていたところ、100円ショップに哺乳瓶の口に合う、500ccのボトルがあったので助かった。

今はそのボトル2本で何とか事足りている。


ミルクを足す

2016年06月04日 | 牧場の生活

出産した次の日、子宮穿孔で手術したので、仔馬はお母さんが手術入院している間ミルクを飲ますことになった。

産まれてすぐだったので哺乳瓶でミルクを飲むことはすぐに覚えた。

10時に手術が決まったので、うちを出るのは9時。お母さんと離す前に哺乳瓶で飲む練習をしようと思い、8時半に100cc飲ませた。

その時はお母さんのおっぱいもあまり出ていなかったのか、ぐいぐいと飲んだ。

お母さんだけ馬運車に積んで仔馬を馬房に残した。

仔馬は戸惑っていたが、暴れたりすることもなく、なすすべがない、といった感じであった。

外が全く見られないように、大戸を閉めて監視カメラで見ていた。

落ち着いた頃、9時半に150cc。11時に70cc、12時に200cc。その後、1から2時間おきに200から300cc。

その日はトータルで2760ccになった。

それ以来夜も昼も2時間おきに220cc位飲ませ続けた。

手術の次の日にはお母さんの元へ行ってもいいというのでお母さんが入院している診療所へお昼ごろに連れて行った。

馬運車に生後2日目の当才一頭。一晩ミルクを上げたおかげか、私に寄り添って頼ってくる。

お母さんにご対面して、母親が受け付けるか心配したけれど、母親はうれしそうに仔馬を呼んでいた。

仔馬もすぐにお母さんのおっぱいに飛びついていた。

しかし、術後でおっぱいもあまり出ていないようなので、2時間おきのミルクは続けた。

その日に退院が決まり、親子で帰ることに。

その夜は11時45分までミルクを与え、夜中は母親に任せることにした。

その日のトータルは3450cc。

3日目朝の5時からミルクを始め200cc2時間ごと11時まで。トータル2660。

4日目朝の5時から300cc、次から400cc、2時間ごと、11時まで。トータル5100cc。

5日目400cc2時間ごと5時から11時。トータル5700cc。

6日目500cc2時間ごと、5時から11時。トータル6000cc。

7~15日目500cc、2時間ごと5時から11時。トータル5000cc。

16~20日目500cc、ときどき750cc。2時間ごと時々3時間。トータル5~6000cc。

21日目に放牧地に放牧開始。時々ミルクを飲んでくれず、トータルは3750cc。

22日目飲ました回数6回、うち一回のまず。500~750cc。トータル3000cc。

23日目から朝一、放牧地で午前と午後一回、収牧後、夜飼い時の5回。放牧地では500cc。厩舎では750cc。トータル3250cc。

大体このペース。一か月をすぎた今は一回量1リットル、放牧地は500cc。トータル3500cc。

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やり始めたころは、足りないのではないか、多すぎるのではないか、試行錯誤の連続であった。

すったもんだしてるうちに一か月が過ぎて行った。今、仔馬はとても健康で、元気である。

もういらないかもしれない。とりあえず、2か月くらいまではあげようと思う。ほしがるようであればの話だが。