牧場の日記~競走馬生産者の日々~

競走馬の生産牧場の現状と考察

虐待

2008年03月27日 | 
子馬が産まれると、親馬はそれは大事に育てます。まあ、それぞれ違いはあるけれど。
子馬は産まれて2日も経てば、結構しっかり歩けるようになり、中には飛び跳ねながら走り回るツワモノもいます。

パドックに放牧するとうれしさのあまり飛び跳ねるとねっこ。
親はコッコが飛び跳ねて、その勢いのあまり蹴られたとしても、じっと耐えています。

時々雨が降ったりして、舎飼になるときがあります。そんな時、子馬が元気を余して、親のおっぱいをどつきながら吸ったり、親に体当たりしたり、まるで家庭内暴力そのもの。

そんなときもコッコがかわいい親はひたすら耐えている。

これが逆のパターンだとかなりやばい。

親の中には乳は吸わせるけれど、飼い葉は子にやらない馬がいる。
そういう場合、飼いつけをすると、親はとたんに子に敵意を抱き始め、子が飼い桶に顔をつけようかとすれば、いきなり子を威嚇。かじる。
子は恐れて、馬房の隅にぶるぶると震えながらちぢこまっている。

中には蹴り殺してしまう親もいるそうな。

子を溺愛する親の子はすくすくと育ち、虐待する親の子はいわずもがな。

馬に子をかわいがりなさいといっても、馬の耳に念仏そのもの。

不思議なことに、あがりで来たときに、どうしようもなくやんちゃだった馬は
子を産むと、とたんに良いお母さんになることが多い。

虐待する親はあまりお目にかかったことがないので、よくわからないけれど、今までいたやつは、いじめをする馬だった。

今年は初子の馬がまだ一頭いる。どんな親になるかなあ・・・。

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